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好人好日

笠智衆主演 淡島千景 岩下志麻共演 渋谷実監督作品。
若い娘、尾関トキコは墨屋の息子で市役所に勤める恋人・佐竹リュウジと落ちあい、お見合いを断るため、自分達の関係を明かすのを迷っていた。
だが、そんなトキコを心配する母リツコと数学者の父・学は本当の両親ではなかった。
ある日、リュウジの母が家に現れた為、トキコはやむなく母に関係を白状する。だが学は数学の事以外考えていなかった。

結末 ネタバレ注意

奈良市役所で困った住民に手を焼くリュウジは、会いに来たトキコに助けてもらう。
一方、リュウジの姉は縁談の事で祖母や筆屋、蝋燭屋を駆け回り、金や格式の話にウンザリ。
一方、学は大学からの外国行き命令を断った。
リュウジはトキコに会いに家を訪ねるが、彼女は不在。代わりに学が応対し、植木屋と間違われ、垣根を直す事に。さらに手土産の羊羹を犬に食べさせた事に驚く。
トキコは、父が縁談に気乗りでないと知り、ますますリュウジを好きになるが、リュウジは変わり者の学のせいで、家族から反対されだした。
学は、垣根が直っていたので、植木屋に怒られた。
リツコは、学がトキコを貰って来た時の話をトキコに聞かせていると、学がウサギをもらって帰ってくる。佐竹家では、トキコが貰い子と知り、更に反対姿勢を強め出すが、なぜか祖母は認め出す。
リュウジは尾関家に小型テレビをプレゼントに持ってくるが、学は近所のミルクホールに、大好き過ぎてリツコに多飲を止められる「コーヒー」を飲みに行く口実が無くなると激怒する。
学は文化勲章を授与される事になるが、受ける理由は副賞の50万円が目当てだった。それを知ったミルクホールの女将に叱られる。
学はリュウジの存在を認め、夫婦で東京へ。ボロ旅館に泊まり、式典に出席し、旧交を温める。だが夜、ホテルで強盗に遭遇し、金と勲章を盗られるが、主人が通報するのを止めた。
帰郷した学は取材責めに遭い、更に講演やパーティーでスケジュールを埋められ、逃げ出す。
ミルクホールに逃げ込んだ学は、女将の息子とボクシングをするが、負けてしまい、勲章をねだられる。
トキコはリツコから事件の事を知らされ、驚く。
植木屋までタダで垣根を直し、学は祝賀会から逃げるため、事件を話す。旅館の主人も通報し、ニュースとなり、学は行方をくらませた。
居場所に検討をつけた母の勘で、トキコは寺へ。ボクシンググローブを付けた学から、リツコが挙式もせず、研究のために尽力してくれた事や、トキコが戦災孤児である事を話す。それを聞いて泣くトキコに、学は「巡り合わせだ」とほほ笑んだ。
家に戻った学の元に、厄介な退役軍人が勲章を見せろと詰め寄り、学は家を出て逃げ歩く。だがぴったりとマークされ、その後ろにはあの泥棒が。
逃げ切れず、失くした事を言うと学は軍人に胸倉を掴まれ、泥棒が勲章を返す。軍人は苦し紛れに、泥棒を投げ飛ばして帰った。
学は泥棒と帰宅し、手紙を呼び、逃げ出した泥棒をトキコに捕まえさせ、礼の汽車賃を渡した。
学は、勲章が戻り、すっかり安心した。
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管理人の批評

1961年、昭和61年、日本の作品です。
私はこの映画をNHK−BSプレミアム「山田洋次が選ぶ日本の名作100選・喜劇編」で観る事が出来ました。故に解説にはそこでの話を参照したものが多くなっています。
「好人好日」とは、「素敵な人に毎日出会う」という意味だそうです。
渋谷実監督は小津安二郎監督の助手を務めてらした方だそうです。
主演の笠智衆さんと言えば、「男はつらいよ」の御前様ですが、こんなに動きのあるのは珍しいです。
共演の岩下志麻さんは元々、医者を目指して勉強されていたそうですが、中学時代に無理がたたり、体を壊し静養中の時、お父様のお知り合いが出演者を探していたところ、撮影所に行ってみたのがきっかけで、役者になられたそうです。ただこの作品ではありませんが。
解説の山本晋也監督曰く、喜劇は3拍子だそうです。そのリズムを味わってください。
私としては、完成された心温まる物語と、笑いを生みだす小ネタの数々。なにより、キャラクターで笑わせる、成立させるというのが、素晴らしいと思います。ぜひご覧ください。