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美味しんぼ

佐藤浩市主演 三國連太郎共演 森崎東監督作品。
東西新聞文化部に配属された女性社員・栗田は、仕事もせずに寝てるか食い道楽の山岡士郎と出会う。
その頃、社長は創立100周年記念事業として、「究極のメニュー」企画を立ち上げ、稀代の美食家として評判の海原雄山を主筆に迎え、担当部署の文化部は担当者を決めるため料理屋で味覚テストを行い、即答した山岡は、困惑した女将に頼まれ、入院した花板に代わり、お吸い物を作り直してやった。山岡と栗田は担当に選出される。だがその調理場に現れた海原雄山は山岡の顔を見るなり、企画を断ると言い出した。

結末 ネタバレ注意

翌早朝、美食倶楽部の会合に社長と栗田は山岡の欠席で遅れて参じるが、膳を取り上げられてしまう。
その店で栗田は、山岡が「お兄ちゃん」と呼ばれていることに気付き、一方社長は山岡と海原雄山の親子関係を和解させようと動くが失敗。仕方なく、別の美食家を探す事にする。
だが、新たに選出されたメンバーは珍味というブランドばかりに気を取られ、反対する山岡は、フォアグラに対してあん肝の旨さを示し、感嘆した社長は山岡と栗田に任せることに決めた。
ホームレス達と酒宴を楽しんだ山岡に付いてきた栗田は、山岡の家で山岡と海原が親子であることを確かめる。
13年前、山岡は母の死への向き合い方から、仲違いに。
一方、京都の川で石を見つけた海原は、帝都新聞で「至高のメニュー」企画を始める。その対立に週刊誌が両メニューの対決企画を持ち込み、勝負をする事になった。
第1回目の魚対決で、山岡自ら鯛を調理。一方、海原はアジの開き定食を徹夜明けで居眠りしながら勝利する。その理由を知りに栗田は海原を訪ね、海原が米一粒まで吟味し、自分達にもてなしの心が欠けていたと気づく。
第2回目の中華対決。山岡が出した蒸し鶏は、海原のスープに圧倒され、同レベルのスープを出すが、それは番外ということで、連敗を喫する。
美食倶楽部の料理人・中川に頼まれた山岡は、先代支配人の忘れ形見で、心臓を病む幼なじみの里美に請われ、実家に戻り、注文の煮豆を作るため、京都丹波へ出向く。
豆を求め、そこで亡き母の従姉妹と出会い、煮豆作りの思い出と共に、豆を持ち帰る。
山岡と海原はその豆でそれぞれ煮豆を作り、それぞれ里美に食べさせる。そして山岡は、余った豆を売ろうとし、海原は豆売りに使った桶を引っ張り出す。
山岡は自転車で売りに出て、海原もこっそりと後を尾ける。そして2時間の期限を過ぎた豆をタダで配り、海原も一粒貰い、敗北を口にする。2人は並んで歩きながら語らい、次の対決のため、2人は使う器を共に焼き、里美はアメリカでの手術のため、海原の作品を質草に出かけた。
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管理人の批評

1996年、日本・松竹の作品です。
共演:羽田美智子 竜雷太 遠山景織子 樹木希林 田中邦衛
『美味しんぼ』と言えば、漫画やアニメの印象が強い作品ですが、ロングセラーであり、ドラマや映画も作られていて、TOKIOの松岡昌弘さんのドラマが記憶に新しいという方も多いでしょう。実際美味しんぼは、「ゴルゴ13」と並んで、床屋やラーメン屋などに置いてあり、手にしたという世代も多い作品です。
形式上はまだ続いているのですが、東日本大震災以降、福島の原発問題を取り上げ、それが問題になってしまったためか、現在は休載中ということになっています。個人的私観で言えば、語らなければいけない原発問題なのに、語ること自体が福島のイメージダウンに繋がってしまうというジレンマを抱えている点に、一抹のやるせなさを感じています。
それはさておき、この作品はぜひ見てほしい作品です。と言いますのも、漫画で読んだ人もアニメで見た人も、一話完結型なので読みやすいのですが、ページの端に書いてあったりするので設定がなんとなくわかっているという方にとって、原点たる部分をしっかり描いてくれているので、美味しんぼがどういうものなのかを理解するのに、ありがたい作品です。
この作品は三國連太郎氏と佐藤浩市氏の唯一の本格共演でして、かなり珍しい、貴重な作品となっています。ちなみに「大鹿村騒動記」でも、お二人は出演されていますが、同じシーンに出演することはありませんでした。
この親子共演作品ですが、実は三國さんから持ち込まれたものでした。ただ、それまで三國さん側からは別の作品をやりたいという話だったので、佐藤さんは拍子抜けしたそうですが、三國さんの年齢の事もあり、今は納得しているそうです。そしてもう一つ、劇中で佐藤さんが三國さんの胸ぐらをつかむシーン、三國さんの大きな体がややぐらついたときに、三國さんの年齢を感じ、見てはいけないものを見てしまったような感覚になったそうです。
ご本人たちも待ち望んだ親子共演ですが、佐藤浩市さんは、「ハードルを上げすぎちゃった」とやや後悔しているところもあります。それにより貴重な共演作がもう1本増減することもあったのではないかと思われ、息子さんの寛一郎さんに対しても、ハードルを上げすぎないように、気を付けているそうで、もしかしたら新たな親子共演作が見られるかもしれません。
出典:シネマトゥデイ 週刊ポスト