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ティン・カップ

ケビン・コスナー主演 ロン・シェルトン監督作品。
しがないゴルフのレッスンプロ、ロイ・マカヴォイ。彼もかつては大学時代には、ティン・カップという異名で呼ばれるゴルフ界のスーパースターだった。
ロイの勤める練習場に女性精神科医、モリー・グリズウォルドがやってくる。あまりの美女に動揺するロイ。しかし、彼女がレッスンを受けに来た目的は、恋人で現ゴルフ界のスーパースターであり、ロイも盟友と思うディビッド・シムズとプレーをするためだった。
すっかり落ちぶれていたロイだったが、2人を見返し、モリーをモノにするため、ロイはUSオープンへの参加を決意した。

結末 ネタバレ注意

地区予選を7番アイアン1本で通過したロイ。だがロイの横柄な態度に、キャディのロミオやモリーはうんざりし、帰ってしまう。
USオープン出場が決まり、ロイはロミオと和解するも、スランプに陥ってしまう。オープン前日になっても、会場練習でミスを連発するロイ。めちゃくちゃなアドバイスを受け、やぶれかぶれになるが、それで吹っ切れ、調子を取り戻していく。
オープン初日、結果は散々なロイ。対照的に好調なディビッド。しかし、ディビッドのファンへの対応が悪く、モリーは幻滅し、ロイの応援に回る。
2日目、ロイは絶好調で、コースレコードを叩き出し、一躍ヒーロー扱いを受ける。
3日目、ロイは好調をキープしたままコースを回り終える。だが頭の中は、最終ホールの池のことでいっぱいだった。
かつてロイは、同じコースのグリーン手前の大池を、刻むという安全策を採らず、池越えを狙おうと何度もショットし、だがボールはことごとく池へと沈み呑まれ、成績を落とし、ゴルフ界の第一線を去ることとなった。そして今度またその池を叩きこむか刻むか、悩んでいた。
最終日、ロイはトップのディビッドとコースを回ることになり、優勝を争うことに。出鼻こそつまづいたが、ロイは巻き返していく。
そして最終ホール、因縁の池にたどり着いた。ロイは、安全策を取ることなく、また勝負のショットを仕掛ける。
1打目は見事に池を飛び越え、グリーンへ。だが斜面と風に戻され、ボールは池へと落とされた。
次々とショットを打ち続け、だがすべてが池の中へ。優勝の可能性が無くなっても、ロイは池越えにこだわり続けた。
そして最後の一球、ロミオやモリー、ギャラリーらすべての夢と期待を乗せたそのボールは、池を越え、ホールイン!ディビッドに優勝を譲ったロイだったが、モリーから、栄光の12打として語り継がれるだろうと誉められ、キスをした。
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管理人の批評

1996年、アメリカの作品です。
共演:レネ・ルッソ
ケビン・コスナーといえば、『ボディーガード』『フィールド・オブ・ドリームス』等で有名な俳優さんですが、最近はあまり名前を聞かなくなっています。どんなゴシップがあったのかまでは知りませんが、彼の主演作品には一つの共通項があります。それは、「男受けする」ということです。
『フィールド・オブ・ドリームス』のページで書きましたが、『フィールド〜』は、明石家さんまさんの最も好きな作品であり、男が最高と評価し、女が最低と評価する作品です。つまり男の気持ちを代弁する映画、男映画なのです。
『ボディーガード』や『メッセージ・イン・ア・ボトル』が必ずしもそうだとは言えませんが、『ティン・カップ』も間違いなく男映画と言えるでしょう。ゴルフは紳士のスポーツ、言い換えれば、男のスポーツという見方もできなくありません。そのゴルフで、ライバルの恋人の美女が、自分に惚れてくれる、そして栄光を捨てて、「試合に負けて勝負に勝つ」スタイルは、おそらく男性のみが共感できる物だと思います。
近年、男女同権と言いますか、男の価値が下がったかと言われますが、草食系男子も増え、「男らしさ」が失われつつあります。女性らしさの価値が経済的にも重要になってきたことが男性性衰退の原因の一つとも言えますが、もちろん、男性性が素晴らしいとは言えません。ですが、それを許容するだけの社会、世間じゃなくなってきたというのも事実です。それがケビン・コスナーを観なくなった理由かもしれません。アメリカはやはり日本よりも数倍先の時代を進んでいるといっても過言ではないでしょう。
この作品のいいところは、単調になりつつあるコースを回ってプレーする画的に必要なシーンを「ダブルボギー・ブルース」といった劇中音楽で盛り上げているところです。他にもゴルフの楽しさの表現方法が多彩で、あまりゴルフを知らなくても、楽しめるゴルフ映画になっているところです。
この作品をゴルフ好きの中高年のお父さんたちに捧げます。土日、行くところもなく見るものもない時にどうぞ。