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男はつらいよ

渥美清 主演 倍賞千恵子 共演 山田洋次 監督作品。
マドンナ 光本幸子
東京都葛飾区柴又生まれの車寅次郎は、流れ者の香具師。そんな寅さんが祭りの日、帝釈天に帰ってきた。
育ての親である叔父(父の弟)・竜造と叔母・つねに恭しく挨拶を済ませると、唯一の肉親で腹違いの妹・さくらと再会。すると翌日にさくらの見合いがあると知り、当日、寅さんは二日酔いの叔父に代わって出席。酒に呑まれた寅さんは、下品に喋り、自分が妾腹である事までわざわざ言って、相手方を白けさせ、翌日、さくらは紹介者である勤め先の上司から断りを告げられた。
舎弟ののぼるの手伝いをし終え、「とらや」に連れ帰った寅さんは見合いの破断を知り、叔父や叔母、さくらに叱られ、さくらに手を挙げ大ゲンカ。すぐに仲は直るが、翌朝、寅さんは置手紙を残して旅立ってしまうのだった。

結末 ネタバレ注意

置き去りにされた舎弟ののぼるが竜造の団子屋「とらや」で働く事になり、とらやに帝釈天の住職・御前様の娘・冬子から手紙が届く。中を開けると、冬子が御前様との京都旅行で偶然寅さんと出会い、行動を共にしたという。
次第と安否がわかったところで、後ろの印刷所で働く博が団子を買いにきた。
冬子が柴又に帰って来て、寅さんも付いてくる。帰ってきた寅さんはさくらに悪い虫が付かないようにと、印刷所の工員たちをけん制。すると博が寅さんに詰め寄り、気持ちを汲んだ寅さんは一緒に飲みに行く。
寅さんは会社にさくらを訪ねていくが、ちゃんと気持ちを確かめもせず、ひろしに不可だと報告。その夜、博はさくらに気持ちを伝え、印刷所を辞めて出ていった。事態に気付いたさくらは駅のホームへ博を追いかけた。
とらやでは寅さんが叔父叔母や印刷所のたこ社長に怒られ、そこにさくらが帰宅。さくらは博との結婚の意向を伝えた。
2人の結婚式の日、疎遠で縁を切った博の両親がまさか現れる。博の父は大学教授をしており、博を勘当していた。憤る博と寅さんだったが、披露宴が始まり、博の父はあいさつで、反省と詫びを伝え、寅さんのみならず、全員が感動した。
さくらが嫁いだ事で、少し寂しくなっていた寅さんは、冬子に誘われて出かけ、気分が良くなる。また別の日、今度は寅さんの方から冬子を誘うが、冬子に客が。御前様に尋ねた寅さんは、その客人が冬子の婿と知り、意気消沈し、失恋した。
噂が広まり、茶の間で気落ちしていると、叔父たちが入ってきてその失恋話をされ、気まずくしていると、隠れていた押入れを開けることになり、皆に存在を気付かれ、みんな気まずくなる。
寅さんはまた旅に出る事にし、付いてこようとするのぼるを怒鳴りつけて故郷の八戸へと追い返し、一人泣くのだった。
やがて、博とさくらに男の子が生まれ、嫁いだ冬子の下には寅さんから手紙が。寅さんは旅をしていたが、その傍らにはのぼるがいた。
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管理人の批評

昭和44年、1969年、日本の作品です。
言わずと知れた日本の名作。シリーズ48作の記念すべき第1作目です。
メイキングや裏話などはいろいろなところで出回っているので、新参者の私が語るのは野暮でございますので、控えさせていただきますが、ちなみに、御前様役の笠智衆さんは実家がお寺で、その実家を継ぐのが嫌で、大学を中退して俳優になられたそうで、住職以外ならなんでも良かったそうです。それがまさか、住職役が当たり役になってしまうとは…(というのは大橋巨泉著「366日命の言葉」ベスト新書より)。
私は生まれておらず、1作目から知ったわけでもなく、いろんな事を知った上で第1作目を見たわけですが、まさか1作目で結婚していたとは思っていませんでした。少し恋愛期間があって、それでようやく結婚したのでは?と思うのは、若い人間の発想でしょうかね?
ともかく、妹の節目に立ち会う事が出来た、仕切りたがりで強引なのに、どこか引っ込み思案の厄介者の寅さん。ケンカっ早いのにいざケンカすると弱い寅さん。そういう強いようでいて弱い、そのギャップが魅力かな、ゆえにシリーズは日本人に受けて長く続いたのかな?
そして周りも寅さんの事を厄介に思いながら、心配しているさくらや竜造。その裏表が見えるからこそ、素晴らしい映画として受け入れられたのでは、と思います。
実は私個人としては、「男はつらいよ」にグッと来て、ハマったのは2作目からです。ともかくこの「男はつらいよ」はシリーズで観続けてこそ、その魅力がわかる作品です。ですからこの1作での評価というのはするべきではない。長い長い人間の人生、たった2時間弱で収まりきる訳は無いですから。
ちなみにこの「男はつらいよ」。一説ではテレビドラマ版があり、そこで人気が出た寅さんが最終回で毒ヘビに咬まれて死んでしまったため、視聴者からの抗議で復活したそうですが、ぜひそのテレビドラマ版を観てみたいものです。