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続・男はつらいよ(2)

渥美清主演 マドンナ:佐藤オリエ 共演 山崎努 東野英治郎 ミヤコ蝶々 山田洋次監督作品。
母の夢を見た寅次郎は柴又へ戻り、妹のさくらと夫・博の間に満男が生まれていた事を知り、感動。
しかし引き止めを振り払って、また旅へ出る事にして出立。
途中、中学時代の恩師、坪内先生の坪内英語塾の看板を目にし、挨拶をと立ち寄ると、一人娘の夏子が美人に成長しており、御馳走になってしまう。
だが、胃痙攣になり、寅次郎は入院する事に。
先生に注意されても、何かと騒がしい寅次郎だが、夏子が見舞いに来ると急におとなしくなる。
寅次郎は病院を抜け出し、藤村医師に叱られた夏子と食事に行くが、2人とも金を持っておらず、無銭飲食となり、さくらに署に迎えに来てもらうものの、寅次郎は店主に暴力をふるっており、一泊するのだった。
そして寅次郎は、坪内先生に謝罪し、別れを告げて旅立った。
一ヵ月後、京都旅行をしていた坪内親子は、寅次郎と再会する。

結末 ネタバレ注意

坪内は正業に就かない寅次郎を叱るが、寅次郎は芸者上りの母・お菊が京都にいるという噂を知り、来てみたものの臆しており、2人は励ます事に。
寅次郎と夏子はお菊の勤めるグランドホテルを探し、そこの従業員を外で見つけ、案内してもらうが、そこはラブホテルで、2人は客室に通されてしまう。
従業員の壮年女性は、かつて東京にいた事があるといい、夏子はもしやと思い、呼びとめるが、彼女はおすみと言い、母のお菊はやり手の支配人の方だった。
イメージと違う品の無い母親を目の当たりにし、寅次郎とお菊はつい口ゲンカ。寅次郎はホテルを飛び出す。そしてその夜、寅次郎と坪内先生は、悲しみに暮れるのだった。
事情を知った柴又では、準備をして寅次郎を迎え上げるが、気を遣いギクシャク。たこ社長が不躾に聞き始め、皆も続き、寅次郎はみんなに事の顛末を話し、訪ねてきた夏子にデレデレとする。
夏子を訪ね、仲よさげにしていた源公を殴って遠ざけ、その晩また御馳走になって上機嫌。
一方、夏子は喫茶店で待ち合わせ、やってきたのは医師の藤村。夏子がコントラバスを弾く音楽会に藤村は出席する。寅次郎も誘われていたが、身分が違うからと固辞した。
坪内の具合が悪化し、夏子は父の頼みで寅次郎を呼び、寅次郎に天然ウナギを所望し、寅次郎は川で源公とウナギ釣りに励む。すると夏子から、父もまた、母と行き別れていたと知らされる。
あまりに連れず、魚屋へ行こうと考えていた寅次郎だったが、ウナギが連れて喜び勇んで家へと向かう。
だが坪内は椅子にもたれたまま、息を引き取った。
葬式が行われ、泣く寅次郎を御前様が叱り、気丈に振る舞う夏子を支えるよう諭され、取り仕切り、現れた藤村に不思議がりつつ通し、少しして、別室に夏子を呼びに行くと、2人は抱き合い、婚約していたと知り、ショックを受ける。
出棺の時、寅次郎はうっかり、藤村と夏子の車に乗ってしまい、落ち込んだ寅次郎は先に「とらや」に帰宅し、落ち込んでいると、家族が帰宅し、皆を驚かせる。そしてさくらに慰められるのだった。
寅次郎の弟分・のぼるが就職し、夏子達は結婚。2人は新婚旅行先で寅次郎を見かけるが、寅次郎は母のお菊と京都を街歩きしていた。
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管理人の批評

1969年、日本の作品です。
この作品のラストシーンを見て、私は「男はつらいよ」全作を見ようと決めました。
2作目の失恋もまた、寅さんの道化っぷりが感じられるというか、1作目の失恋とはまた似て非なる、そして何より、目撃してしまうだけに、そのショックは計り知れないでしょう。本当につらいです。
この作品では恋愛のほかに、実母との再会が描かれているわけですが、実はお菊役のミヤコ蝶々さんも奇しくも、育ててくれたのは実母ではなかったという経験、そしてご子息もまた、実の子供ではないという経験があるわけですが、実の子として可愛がられ、かわいがったそうです。
夢の中での母親の顔と同じ人が現れるというのは、客を楽しませる趣向の一つですね。してやられました。
しかし、この時にはもう満男はいたのかと思うと、驚きです。意外に早いですね。
音楽会への誘いを寅さんが断ってしまうのは、夏子が演奏すると知らなかったのもありますでしょうが、「身分違いだから行かない」という男の言い訳は、女性には通用しないという事ですね。今回の敗因はこれだと思われます。演奏者なら見て聞いてもらいたいし、たとえ客としてでも一緒にいたいはず。その辺がわからなかったか、敢えて自分を通したかは、受け手の想像の遊ぶところでしょう。