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男はつらいよ 奮闘篇(7)

渥美清主演 山田洋次監督作品。
寅次郎は田舎町の駅で集団就職で上京する若者たちとそれを見送る集団に出くわす。とらやへの言伝を頼んだ寅次郎。だが、もともとその過ぎた電車に自分も乗るつもりだった。
とらやに寅次郎の母・お菊(ミヤコ蝶々)が寅次郎からの手紙を貰ったので遊びに訪れるが、寅次郎は不在で、寅次郎が結婚もしていないと知って驚く。
お菊が滞在先のホテルに戻ると、入れ違いで、噂をしている中に寅次郎が帰ってくる。寅次郎は会う事を断り、工場へ。
仕事中、さくらが泣いていると聞いた博は急いでとらやへと行くと、その原因はみんなから「会え」と勧められる寅次郎が大きな屁で答えたからだった。
おいちゃんと大ゲンカになり、翌日、渋々寅次郎はさくらに連れて行かれ帝国ホテルへ。
再会し、涙ぐむお菊の子別れした時の話中、寅次郎は慣れない洋室の珍しさに設備で遊んでばかり。お菊は寅次郎の失恋話を叱ると、寅次郎は怒って、「良い嫁を見つける」と宣言し、飛び出す。お菊は優しいさくらに感謝した。
とらやを出て、履物屋の隣で雪駄を売って怒られる寅次郎は、仕事を終え、入ったラーメン屋で会計の釣り銭を待っている女性(榊原るみ)に駅を教える。他の店から戻ってきた店主(柳家小さん)に釣り銭を貰い出て行くが、店主は先の女性がどこか間が抜けているので危ないと呟き、店を出た寅次郎は交番で泣く先程の女性を見つける。
巡査(犬塚弘)と一緒に優しく訊ねると、女性は花子と名乗り、青森から出て、バーで働かされていたという。2人は金を出し合い、青森へ帰してあげようと金を出し合い、切符を買い、東京から上野まで教えるが心配になり、念の為、とらやの住所と、困ったらそこを訪ねるよう伝えて別れた。
花見の季節になり、とらやに花子が現れ、皆が困っていると、そこに変装した寅次郎が帰ってくる。寅次郎は再会を喜び、花子の世話を焼く事にする。

結末 ネタバレ注意

仕事を世話しようと、たこ社長の朝日印刷に預けようと試すが、社長の肩を揉む花子を見てセクハラを感じて取り止め、帝釈天や他の所でも悪い虫が付くのではと心配になり、手元に置く事に。
花子は恩師・福士先生の事を考える。一方、花子に好きと言われた寅次郎は花子との結婚を意識しだす。そして寅次郎が花子とデパートへデートへ。
それから、役場からの報せを受け、とらやに福士先生(田中邦衛)がやってくる。よもぎ摘みから戻った花子と再会し、迎えに来たと告げた。
帰宅した寅次郎は、花子が帰ってしまった事を受け入れられず、飛び出す。
そして後日、とらやに寅次郎から遺書めいた速達が届く。さくらは消印を見て、不安で急いで青森へ。
小学校を訪ねたさくらは、福士先生と小学校で元気に働く花子を見かけ、福士先生から、寅次郎は花子の様子を見た翌日には帰ってしまったという。
バスに乗って帰るさくらは、途中で乗ってきた客が寅次郎で、再会に安堵した。
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管理人の批評

1971年、日本松竹の作品です。
共演:榊原るみ 田中邦衛 柳家小さん 犬塚弘 光本幸子 ミヤコ蝶々 倍賞千恵子 前田吟
この時ミヤコ蝶々さんと渥美清さんの実年齢はたったの7歳差。それなのに親子感を感じさせるこの演技。芝居の厚みが違います。
これ以降、寅次郎の母親・お菊は出てきません。あまり母親が出てくるのもどうかと思われたのでしょう。
そして、先生役の田中邦衛さんの名演技。この時、『若大将』シリーズは一旦終わり、他の映画にも様々な役で出ているにもかかわらず、それらのイメージを感じさせない、そして寅次郎と花子の恋を邪魔する者という悪のイメージを全く出す事なく、福士先生役をまっとうしているこのシーンはぜひ見て欲しいです。
犬塚弘さんは第48作にもタクシードライバーで出演し、ラストの重要な役を任されています。ぜひご確認ください。
この作品では花子が社会的にどういう立場なのかという事が、今ひとつ曖昧に描かれていますが、そういった事を何か一つでも言葉にしてしまうと、差があるかのようになってしまいそうです。それを気にせず包み込むのが寅さんの優しさであり、魅力なのだと思います。
さくらが青森へ行く際、自分が下車する駅を、乗り合わせた他の乗客に尋ねるシーンがありますが、そこが思いのほかリアルです。そこに方言だけでなく、日本語の難しさがあり、音声も少し違う感じがするのがそうさせています。