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釣りバカ日誌15 ハマちゃんに明日はない!?(17)

西田敏行 主演 三國連太郎 共演 朝原雄三 監督作品
とある早朝、浜崎はこっそりと起床。鈴木とのメバル釣りにそっと出かけようとしていたが、みち子に見つかり、必ず父親参観に顔を出すからと約束させられる。
見事な釣果をあげた浜崎は、スズキの運転手によく似たタクシー運転手に鯉太郎の小学校を探してもらう。
生物の授業が行われている教室で、生徒からの質問に困ってしまった先生に代わり、浜崎は教鞭を取り、喝さいを浴びるが、そこは鯉太郎のクラスではなかった。
夜、浜崎は押し入れに入れられ、そこから謝罪するが、みち子は怒り、釣りか合体のどちらかを1カ月禁止という罰を下し、浜崎は押し入れに引き下がる。
翌朝、外で運転手の前原が犬にかまれている頃、出掛けの鈴木は妻に物忘れの心配をされ、食事のメニューを思い出そうとする。
重役会議では、人材育成を踏まえた外部コンサルタントとの話し合いになるが、鈴木は納得できない。趣味が合う社員のえこひいきという図星を突かれ、退席する。
鈴木はリストラを否定し、秘書の草森は喜ぶ。 一方、営業三課で社員たちに新期のカレンダーが配られ、浜崎は佐々木課長後任の舟木新課長をだまし、長期リフレッシュ休暇を入手。 早速会社を飛び出し、見回りに来た佐々木次長をすり抜け、佐々木は舟木を慰めた。
秋田行きの新幹線に乗り込んだ浜崎は、大騒ぎで座席に座り、みち子からの着信を受け、座席でそのまま大声で話し、隣に座り合わせた外部コンサルタントの早川薫に注意される。
その後、しばらくしてもデッキから戻らない浜崎が気になった早川は、浜崎を探しにデッキへ行くと、浜崎はデッキで気を遣って戻れずにうずくまっていた。
2人は仲良くなり、改札で別れ、薫は友達と再会。一方、浜崎は船着き場で英語の魚の本を読む青年、福本テツオと出会い、真鯛を釣り上げると、 テツオはタモで取り上げ、かつて調査のために放流した稚魚が成長したものだと説明し、だがうっかりリリース。
そして今度はテツオの竿にかかり、テツオの携帯が鳴り、代わりに浜崎が出るが、テツオがバラしたため、すぐ電話を取った。電話の相手は薫たちだった。

結末 ネタバレ注意

浜崎はテツオと居酒屋へ。テツオの仕事を話す。
一方、薫は祖母をねぎらう。薫の母は他界し、父は再婚し、別の家庭を持っていた。
翌日、釣り船に乗った浜崎は昨日の酒で二日酔いでダウン。だが迎え酒で復活。
一方、休日なのに仕事場に来ていたテツオを薫が訪ね、テツオは仕事場を案内する。薫は仕事の自信を失くし、テツオに喝を入れられる。
すると釣りから戻った浜崎と偶然再会。テツオの家で夕食を交えながら、薫は浜崎が鈴木建設と知って驚く。そして鈴木社長の姿勢を評価した。
すると来客が現れ、結納という言葉を口にする。薫はテツオが結婚すると知り、ショックを受けた。
会社に戻った浜崎が課長達と釣りの話をしていると、佐々木次長にプランニングシートを書き直すよう命じられる。
夜、浜崎の家に訪ねてきた鈴木は、薫からの評価を聞き、態度を改める。
一方、薫は鈴木建設の事で、上司にリストラの必要は無いと訴えるが、上司は目に見える結果だと却下し、強行。
会議が行われ、鈴木は薫に意見を求め、薫は本心を明かし、会議は中止。上司に帰されるが、鈴木が引き止め、薫をかばうように、コンサルタントの継続を申し出る。 薫は感謝するが、本心では辞職を考えていた。
夜、鈴木は小津映画を観る妻を横目に就寝。
帰郷した薫はテツオが結婚をやめたこと、それが自分のせいであると知り、小津映画さながらの逆プロポーズ。電話を受けて急いで帰るテツオは薫とすれ違ってしまう。
鈴木に手紙が届き、浜崎が仲人に。鈴木は7月22日を結納日に決めるが、その日は平日。もう休暇のない浜崎を休みにするのは公私混同になると、ケンカ別れ。 だが水族館落成式の同行者に浜崎を指名し、部下たちは大慌て。そこになまはげの格好で来た浜崎は、それを聞いて、渋々のふりをして承諾した。
当日、落成式が終わると浜崎が行方不明。なまはげの格好で釣りをしていたが、結納に似つかわしく鯛を釣り上げた。
タクシーで到着すると、下戸のテツオが呑んでダウン。しょうがないので式をやめ、宴席へと移った。
翌日、浜崎とテツオは昼食そっちのけでヤマメ釣り。奥さん同士笑い、鈴木はテツオの母と観光地を歩き、腕をつかまれ、焦った。
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管理人の批評

2004年、日本、松竹の作品です。
共演:江角マキコ 筧利夫 吉行和子 小木茂光 浅利香津代 中村梅雀 増岡徹 磯野貴理子
参照:『麦秋』小津安二郎 1951年
釣りバカシリーズ通算17作目の作品です。いつもと変わらず、若い男女の歯がゆい恋を横目に釣りに興じています。
今作から、営業三課に舟木課長が加わりました。映像を見てわかるとおり、谷啓さんも大御所と呼ばれてもおかしくない見た目ですし、 さすがに課長の年齢として釣り合わなくなってきたというのもありましょう。
三國さんが海に出て釣りをされるシーンも少なくなっていきますし、キャストの高齢化もロケ映画には課題となっていくのでしょう。
作中にもあるとおり、この時期、フジテレビ系で『トリビアの泉』という番組が流行りました。
生きていく上で不必要な知識「トリビア」を次々と紹介するだけの番組ですが、これが深夜で火が付き、のちにゴールデンに昇華され、大ヒットしました。
その番組で使われていたのが、劇中に登場する「へぇ〜ボタン」です。番組内では1回ボタンを押すと「1へぇ〜」という評価になり、 5人の審査員の評価が80へぇ〜を越えると、紹介者に賞品が贈られるというシステムでした。
この「へぇ〜ボタン」はおもちゃ化され、ガチャガチャでも手に入るほど流通しました。
筧利夫さんは劇団出身の俳優さんで、「踊る大捜査線」などの強烈なキャラクターが当たり役となり、ドラマでブレイクしました。
「ぺペロンラジオ」というネットラジオを個人的にもやっており、その中で掛ける曲も権利問題が発生しないように自作するというバイタリティーに溢れた方です。
そして今作のヒロイン、江角マキコさんですが、フジテレビ系ドラマ「ショムニ」の主人公・坪井千夏役で大ヒットし、その役そのまま、 自分の正義を主張し、押し通すというキャラクターでバラエティーでも大活躍されました。
ただ近年はそれがネックとなってか、2017年、惜しまれつつも引退の道に進まれてしまいました。女性の人生は転機の連続なのだなと実感します。
書いていると、フジテレビの影響を強く受けた作品のような気がします。もちろんそこを意識してはないでしょうが。このころはまだ、フジテレビに活気がありました。 スターのフジテレビっぽい、出演者のキャラクターを大事にした作品のような気がします。フジテレビが協賛しているわけではありませんが。
なんだか観ているこっちがエールを送りたくなるような、不思議な作品です。