メル・ギブソン主演 ナンシー・メイヤーズ監督作品。
元妻ジジや一人娘に『女心の理解が無い』と言われる中年男ニック・マーシャル。
それもそのはず。彼の母はシングルマザーだが、ベガスのショーダンサー。母の踊り子仲間達に甘やかされ、ニックにとっての男性像は母のやり手の彼氏達だった。
自宅のベッドを10時に目覚め、コーヒーショップでカウンターでバイトする女優志望の若いローラに会いに行って、午後から広告代理店に出社したニックは、狙っていたクリエイティブ・ディレクターのイスを、女性視点を取り入れたいと他社から引き抜いたダーシー・マクガイア女史に奪われてショック。
ジジの再婚を祝うも邪険にされ、車に戻ったニックはダーシーと初対面。会議でダーシーは女性向けCMの効果を訴え、ニック達に女性用品を配り、明日までに案を考えて来いと命令する。
その夜、自宅で宿題に呆れつつも、テレビに飽きて、踊るものの曲が今ひとつで、娘のCDを掛け、実際に女性用品を使用してみると、使いづらさにあたふたし、間の悪い事に娘アレックスが、彼氏のキャメロンを連れて帰宅し、見られる。
多少会話をしたものの、キャメロンが帰った後にアレックスに態度を叱られ、彼氏の名前を思い出した瞬間、ニックは滑って転び、浴槽に片足を突っ込んで、ドライヤーで感電してしまう。
翌朝、家政婦に起こされたニック。家政婦や警備員の声が聞こえるものの、返事をしても会話を続けてもらえない。そして出社したニックは、自分の頭の中に、女性の考えている事が伝わり、驚くのだった。
悩まされつつ会議に出たニックは、自分で考えた答えでは嘲笑されると感じ、女性ディレクターの悩みをそのまま案にするものの、デリカシーが無い。
ニックはダーシーのオフィスを訪ね、取り入ろうとするが、重役が仕事を持って来て、答えを出そうと考えるダーシーの頭を読み、先に口出し、案を横取り。重役に褒められたニックは、ダーシーを追い出そうと考える。
ローラを落とし、彼女のしてほしいセックスをして、疲れるニック。一方、ダーシーは想いが通じ合うニックに好感を持つ。
アレックスのプロムの服選びを手伝うニックは、父親としてのアドバイスをしようとするが、今更受け入れてもらえない。そして電話でダーシーに誘われたニックは呑みに行き、恋愛姿勢に悩む彼女とキスをする事に。
部屋へ誘われそうになるのをなんとか押し止め、帰宅したニックは、あれ以来ないがしろにしていたローラに荒れられ、彼女の為に、「ゲイに目覚めた」と言って、別れる。
ナイキの女性たちへのプレゼンを、ダーシーにすべて任されたニックは、罪悪感を感じつつも成功させる。
ニックが謝罪の手紙を書いていると、祝杯を持ったダーシーが訪れ、買ったばかりの新居へと招待され、ムーディーに過ごす。
ニックは重役のダンに、ダーシーの功績であると伝えるが、ダンは既にダーシーをクビにしており、ダーシーも受け入れていた。
ニックは彼女を引き止めるため動くが、雑用スタッフのコピーライター志望のエリンが、自殺願望をほのめかしながら、無断欠勤していると知り、雷雨の中、エリンの家へと向かう。
途中、電線に落雷し、火花に囲まれるニック。
エリンを訪ね、元に戻ったと気付き、ナイキチームにスカウトすると約束し、今度はダーシーの家へ。居留守に気付かず、留守電を残す。
すると、ジジから電話で、アレックスが泣きながらプロム会場のトイレに閉じこもっているという。
会場の女子トイレで話しかけるニック。アレックスはセックス目当てだったキャメロンの誘いを断り、逆ギレされ、捨てられ泣いていた。ニックはアレックスを元気づけ、一緒に帰宅。眠った娘を見て、再びダーシーの家へ。
ダーシーに会い、クビ撤回と自分の罪を告白するニック。ダーシーは上司として、ニックにクビを宣告し、ニックは帰ろうとするが、ダーシーは引き留め、キスをした。
2000年、アメリカの作品です。
原作:ヘレン・ハント(代表作「恋愛小説家」)
『マッドマックス』シリーズ、『リーサル・ウェポン』シリーズのメル・ギブソンのラブコメディーです。
アクションが出来ないとヒーローとして認められないアメリカ映画界において、この仕事を出来るまでに、彼がどれだけの苦労を重ねた事でしょうか?
アクション脱却をしたい俳優は多いですが、どうしてもニーズが強く、なかなかロバート・デ・ニーロのようには行きません。むしろヒューマン物は大勢の共感を得ることが難しいため、お笑い的要素が強くなり、コメディアン系の俳優さんたちがやる事が多くなってしまいます。
この作品の女心がどれだけ正しいかは、私にはわかりませんが、少なくとも男心に関してはほとんど大きく合っていると言わざるを得ません。
この作品は前半は楽な気持ちで、後半は男女の気持ちをチェックしながらご覧ください。