奥入瀬渓流ショートハイキング
2019年9月
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十和田湖 (遊覧船子ノ口港) |
青森県南部には、お隣の秋田県にまたがる美しい湖十和田湖があります。この湖は、大昔の十和田火山の大噴火によって出来た陥没に、雨水が溜まってできた美しいカルデラ湖で、唯一の流出河川は太平洋に注ぐ奥入瀬川。そしてこの川の上流部分およそ14kmあまりの渓流はとても景色が美しく、奥入瀬渓流と呼ばれハイカーや観光客に人気の景勝地として親しまれています。今日は緑溢れるこの奥入瀬渓流の大自然を、バッチリ満喫しようと思います。
公共交通機関でのアクセスは、青森・新青森・八戸などの鉄道各駅からJR路線バスを利用するのが一般的。
だけど、今回私は青森・秋田のドライブ旅行の途中、東京からマイカーで下北半島を経由してここへやって来たので、十和田湖遊覧船子ノ口港脇にある無料の駐車場に一旦車を停めて、ここから行動を開始する事にしました。駐車台数50〜60台ほどのそれほど広くない駐車場でしかも無料なので、観光シーズン中はすぐ満車になってしまう様だけど、9月の平日の朝とあって殆ど利用車両がない状況。ラッキーでした。
ではでは、前置きはこの位にして本題へ入ることにしましょうか。 |
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JRバス子ノ口(ねのくち)駅 |
駐車場に車を置いたら、国道102号線を隔ててほぼ向かい側にあるJRバスの子ノ口駅へと向かいます。そして朝9時23分発のJR路線バスおいらせ20号、八戸駅西口行きに乗車。 |
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石ケ戸停留所付近 |
乗車およそ20分で、石ケ戸停留所に到着。そして停留所近くの、奥入瀬渓流石ケ戸休憩所が今日の渓流ハイキングのスタート地。休憩所では軽食や飲み物、お土産なども販売されていて、今日も観光客やハイカーで混雑しています。 |
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石ケ戸休憩所 |
因みにここにも無料駐車場があるのですが、それほど広くないスペースのうえ利用者も多くすぐ満車になってしまうのと、ここに来るまでのバスの車窓から奥入瀬渓流が眺められて、今日のハイキングのプレビューが出来るので、今回は子ノ口駐車場の利用となったのでありました。 |
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石ケ戸 |
休憩所脇から遊歩道へと下りて行くと、何やら巨大な岩が横たわっているのを発見。これが石ケ戸(いしげと)。アイヌ語で岩屋と言う意味なんだって。カツラの木に支えられた巨岩が石の小屋の様に見えるので、この名前が付きました。 |
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渓流ハイキングスタート |
それじゃぁ、いよいよ奥入瀬渓流を歩いて行く事にしましょう。遊歩道は、澄んだ谷川の流れのすぐ傍に寄り添って続いて行きます。 |
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奥入瀬渓流と屏風岩 |
奥入瀬渓流の全長は14km。十和田湖畔の子ノ口から、下流に下った焼山地区にある奥入瀬渓流館付近までの川の流れを指すのですが、特に景色の素晴らしい石ケ戸から子ノ口の間の、およそ9kmを今日は歩きます。 |
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馬門岩(まかどいわ) |
遊歩道からすぐ横に目をやると、なんと間近にはさっき路線バスで走って来た、国道102号線が走っているのが見えます。画像は国道にせり出した巨岩、馬門岩。 |
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国道102号線 |
渓流と遊歩道、そして国道は所々で交差しながら延びて行きます。ご覧の様に遊歩道と国道が合体して、国道を歩いて行く様な場所もあったりしますが、こんな風に国道102号線は、手つかずの大自然と上手に共存しているんです。 |
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阿修羅の流れ |
透き通った清流と苔むした岩、そして樹木の緑とのコントラストが、我を忘れるほどの美しさを醸し出す奥入瀬渓流。そしてハイキングスタートからおよそ40分ほどで、その美しさのボルテージは急上昇。 |
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美しさのボルテージ急上昇 |
それがこの阿修羅の流れです。奥入瀬渓流の中でも屈指の絶景ポイントとされるこの場所。ここも含めて、渓流をウォッチングするには川下から川上方向を眺めるのが美しい。だから今日は川下から遡るコースを選んで、常に美しい川の流れを眺めながら歩きます。 |
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千筋の滝(ちすじのたき) |
遊歩道を歩いていると、次から次へと沢山の滝が現れます。そしてこういった滝を見て歩くのも、今日の楽しみのひとつなんです。 |
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雲井の滝 |
既述のように今回は、このサイトに記事を載せるため、ここへやって来たわけではありませんでした。 |
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白布の滝(しろぬののたき) |
元々はカミさんと二人、青森・秋田のドライブ旅行で、当初からスケジュールの一つに入れていたのが、この奥入瀬渓流歩きでした。だけど実際に渓流を歩き始めて、美しさのあまりスマートフォンカメラのシャッターをパチパチと押している内に、これはサイトで発信するっきゃないと思い始めたのでした。 |
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しばし休憩タイム |
遊歩道の途中には、ベンチとテーブルの置かれたこんな場所も。綺麗な景色を眺めながら、お弁当を広げてひと休みする事も出来たりするんです。 |
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トイレがありました |
石ケ戸休憩所を出発しておよそ2時間ほど歩いた辺りには、手洗いがあります。今日のコース中で手洗いは、スタート地とゴール地以外ではここ1か所だけだから、ここいらで用を足しておこうかナ。 |
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上り坂も緩やかで短い |
今日は川下の石ケ戸から、川上の十和田湖畔に向かって歩いている訳なんだけど、と言う事は全工程が上りって事なんです。だけど実際は、緩い勾配のため殆ど平坦な道を歩いている感覚なので疲れません。たまにこんな感じの、緩やかで短い上り坂があるくらい。 |
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渓流に沿って走る国道 |
国道102号線と、遊歩道と渓流がピッタリ寄り添うこんな場所も。渓流沿いを走る国道には、見どころスポットごとに小さな無料駐車場が、所どころ設けられていたりします。 |
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白糸の滝 |
だからドライブしながら観光する事も出来るし、レンタル自転車の施設もあるので、サイクリングしながら見て廻ることも出来るんです。 |
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不老の滝 |
更にJRバスも、幾つかの見どころスポットに停留所があるので、フリー切符を利用する等して、奥入瀬渓流観光を楽しむのもアリです。 |
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九段の滝 |
十和田八幡平国立公園に含まれるこの奥入瀬渓流は、国指定の天然記念物でもあります。
それにしてもこの渓流の水は、目を見張るほど透き通っているけど、何故なんだろう? |
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寒沢の流れ |
その秘密は源流の十和田湖にありました。十和田湖には湖に流入する大きな川がないので、運び込まれる栄養分が少ない為プランクトンや水草も発生しにくく、湖水が濁り難いらしい。だから湖から唯一流れ出るこの川の水は澄んでいるんです。 |
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銚子大滝 |
この銚子大滝は奥入瀬川本流にかかる唯一の滝。高さ7m、幅20mのこの滝は、奥入瀬渓流の流れそのものでもあるんです。だからこの切り立った岸壁を魚は遡ることが出来ず、別名「魚止めの滝」とも呼ばれています。そんな訳でその昔は、十和田湖には魚がまったく生息していなかったのだとか。 |
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子ノ口水門 |
子ノ口水門が現れました。季節や時間、水の量に応じて、この水門で川の流れをコントロールしています。目的は主に観光放流で、奥入瀬渓流の景観を維持するためなんだそう。 |
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十和田湖が見えて来た |
水門を過ぎると、俄かに川幅が広がりました。前方には十和田湖も見え隠れします。ゴールはあと少し。 |
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子ノ口橋 |
前方にコンクリート橋の子ノ口橋が見えてくると、楽しかった渓流歩きもここ迄。橋の階段を上ってゆくと、周囲の景色が開けました。 |
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十和田湖と奥入瀬川 |
子ノ口橋の上から十和田湖を望みます。手前が奥入瀬川の最上流。これが奥入瀬渓流の始まりです。 |
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子ノ口駅に到着 |
石ケ戸から渓流を歩き始めておよそ3時間半。ゴール地点の、JRバス子ノ口駅に再び戻って来ました。 |
★交通 |
JR東日本 青森、新青森、八戸各駅より
JR路線バスを利用。
石ケ戸停留所、または子ノ口駅下車。 |
★歩行距離 |
約 9.0 km |
周辺地図
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