旧東海道 品川宿を歩く
2019年11月
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品川駅高輪口(西口) |
東京の品川駅は、JRでは東海道線を始めとして山手線、京浜東北線、横須賀線、私鉄では京浜急行電鉄などが乗り入れる大きな駅。今日の散歩は、ここ品川駅の西口前からスタートです。 |
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国道15号線 川崎方向を望む |
駅前を走る通りは国道15号線、通称第一京浜。画像左側に写る品川駅の西口に出たら、目の前の国道を左方向へと進みます。 |
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左手には京浜急行が走る |
京浜急行線の高架を左手に見て、そのまま国道沿いに真っ直ぐ川崎方向へと歩いて行きましょう。 |
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横断歩道を渡り左折 |
駅前から歩くこと400m余り、行く手は三方向に分かれます。ちょっとややこしいけど、一番右側が国道15号線川崎方向、真中は都道317号線五反田方向。そして今日は目の前の横断歩道を渡ったら左折、一番左側の道へ入って陸橋を越えることにします。 |
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八ツ山橋を渡る |
この陸橋の名称は八ツ山橋。陸橋下ではJR線が交差し、左手に目をやると陸橋に沿ってすぐそばを、京浜急行が走ります。 |
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横断歩道を渡り、Y字路を左へ。 |
陸橋を越えたら、道沿いに右へカーブしてそのまま進むと、画像の様に行く手はY字路で左右に分かれます。右の道は国道15号線に再び合流、左の道はそのまま旧東海道へ。ここは横断歩道を渡って、Y字路左側の旧東海道へと入って行きます。 |
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東海道品川宿まち歩きマップ |
これより旧東海道品川宿。東海道五十三次の、最初の宿場町であります。入口に建っている案内マップを眺めて、バッチリ予習をして行きましょう。 |
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踏切を越えて |
右手に北品川駅のホームを眺めながら、京浜急行の踏切を越えると、その先には商店街が見えています。 |
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北品川本通り商店会 |
ここからは旧街道沿いに、6つの商店街がおよそ3km余り先まで断続的に続きます。まず最初の商店街が、この北品川本通り商店会。旧街道歩きのスタートです。 |
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品海公園(ひんかいこうえん) |
街道沿いに整備されたこの小さな公園は、品川区立品海公園。そしてこの公園の前面に設けられた花壇に注目です。 |
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旧街道の石垣石 |
この花壇に使われている石は、幕末から明治の頃に千葉の鋸山から切り出されて加工された房州石。元々は当時の品川宿の石垣として使用されていたものなんだって。 |
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街道を暫し離れて寄り道です |
品海公園のすぐ先、旧街道から右方向へと分かれる道の奥、突き当りに寺院が見えています。ここでちょっと寄り道。 |
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法禅寺 |
このお寺は法禅寺。14世紀末の創建と伝えられる、浄土宗の古刹であります。そして境内には、1833年(天保4年)の天候不順に始まりその後数年間全国各地に甚大な被害をもたらした、天保の大飢饉の供養塔があるんです。 |
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流民叢塚碑(るみんそうづかひ) |
飢饉の後の数年で、日本の人口は100万人を超える減少をみたと言われる程、多数の死者を出したこの災害。案内板によると、ここ法禅寺にも500人余りの遺体が埋葬されたのだとか。画像の上部に見える供養塔は明治4年に造立されたもので、昭和9年に下部のコンクリート製納骨堂が造られました。 |
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聖蹟公園 |
旧街道へ戻って200mほど進んだ左側にある公園は、品川区立聖蹟公園。かつての品川宿本陣の跡地に造られた公園です。
ところで、なぜ聖蹟公園なんだろう? |
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御聖蹟の碑 |
本陣とは大名などの武家や、公家の宿泊・休憩施設。そして明治元年には、ここ品川宿の本陣が明治天皇の行幸の際の御在所にもなったことから、その事を記した石碑が、公園内に設置されています。だから聖蹟なんです。 |
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品川橋 |
前方に橋が見えて来ました。これは品川橋。橋の下を流れるのは目黒川です。そしてこの橋、江戸の昔は境橋という名前で呼ばれていました。 |
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目黒川 |
元々品川の宿場は北品川宿と南品川宿とに分かれていたのだそうで、この橋を境に今まで歩いて来たのが北品川宿、ここから先が南品川宿になるんです。だから境目のこの橋が境橋ってわけ。 |
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古い交番がありました |
と言う事で、目黒川を渡って南品川宿に入って来ました。そして、ふと前を見るとブルーシートが掛かったこんな古めかしい建物を発見。どうも昔の交番跡らしく、現在まで取り壊されずに残っているみたい。中は物置の様になってました。 |
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街道松の広場 |
ところで、この旧街道沿いには、所々に立派な街道松が植えられているんです。なんでも、他の東海道の宿場町から、友好のシンボルとして寄贈されたものなんだって。因みに、街道松の広場という名の公園入口に植樹されたこの松は、静岡県袋井宿の住民の方から贈られたもの。 |
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品川寺(ほんせんじ) |
街道筋のこのお寺は9世紀初め、平安時代初期の創建になる真言宗の古刹、品川寺。入り口にはお地蔵様の大きな仏像が鎮座しているんですが、これは1708年に造立されたもので、江戸六地蔵の一つに数えられています。 |
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銅造地蔵菩薩像座像 |
江戸六地蔵は江戸に出入りする六つの街道の出入口にそれぞれ安置されていて、深川(水戸街道)や巣鴨(中山道)などにもありますが、この品川寺の地蔵菩薩像が一番古く、六地蔵の第一番に数えられています。 |
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品川区指定天然記念物の大イチョウ |
品川寺境内のこの大イチョウは高さ25m、幹の周囲5.35mの巨木で、樹齢およそ600年になるのだそう。 |
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海雲寺本堂(千躰荒神堂) |
品川寺と同じく街道筋にあるこの海雲寺は曹洞宗のお寺で、13世紀の中頃、鎌倉時代中期に開かれました。 |
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本堂には沢山の扁額が |
本堂内には信徒から奉納された沢山の扁額がずらりと並び、その中には、浪曲家の廣澤虎造夫妻が昭和10年に奉納した文字額もあったりします。 |
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浜川橋 |
旧街道をブラブラと、1時間半くらい歩いて来たでしょうか。立会川に架かる浜川橋が見えて来ました。昭和9年の竣工になる意外に古いこの橋、最初に架けられたのは更に時代を遡り、江戸に幕府が創設された頃の17世紀の初頭なんです。 |
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立会川 |
嘗てこの橋の先には、鈴ヶ森刑場(処刑場)がありました。そして江戸から鈴ヶ森へ向かう罪人が、この橋の袂で待っていた親族と互いに涙を流して分かれた事から、泪橋とも呼ばれていました。実は同じ由来の泪橋が江戸にはもう一つ、千住にも在ったのですが、橋が現存しているのはこちらだけ。 |
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前方で国道と合流。右手は刑場跡。 |
旧街道を歩くことおよそ4km。これまで並行して走っていた旧街道と国道15号線の二つが、前方で合流しているのが見えて来ました。 |
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鈴ヶ森刑場跡(東京都指定旧跡) |
そしてこの合流地点に大経寺という日蓮宗の寺院があって、その境内に既述の鈴ヶ森刑場跡があるんです。 |
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鈴ヶ森の御仕置場 |
鈴ヶ森刑場は、当時は御仕置場(おしょうきば)と呼ばれていました。江戸時代初期の1651年に開設され、明治新政府が出来るまで使われた処刑場で、江戸の御仕置場はここ鈴ヶ森の他もう一つ、千住小塚原にも設けられていました。 |
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旧街道と国道が合流 |
さてさて、品川宿から歩いてきた街道歩きもここまで。旧東海道と国道が合流するこの場所を、大きく右へUターンして、次なる目的地へと向かいましょう。 |
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グルっとUターン |
画像右側が今まで歩いてきた旧街道。そして鈴ヶ森刑場跡を中心にして、ぐるっと右へ(画像では左方向に)Uターンして行きます。 |
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左手の横断歩道を渡る |
鈴ヶ森刑場跡を右手に置いて150m程歩いて行くと、左手に横断歩道が現れます。 |
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国道15号線を横断 |
この横断歩道を渡って国道15号線を越えたら、そのまま直進。 |
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JRのガードをくぐる |
およそ500mほど歩いて行くと、正面にガードが見えて来ました。ガードの上を走るのはJR東海道本線。 |
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大森貝塚復元模型 |
この辺りは縄文時代の貝塚が見付かった場所で、その地名を取って大森貝塚と名付けられました。それに因んでこのガード下には、貝塚の断面を再現した復元模型が設置されています。この模型の貝殻は、昭和59年の発掘調査で実際に出土した貝殻らしい。 |
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突き当りの道を左折 |
ガードを抜けて100mほど直進すると池上通りに突き当たるので、これを左折します。 |
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大森貝塚遺跡庭園 |
間もなく、品川区立の大森貝塚遺跡庭園に到着。既述の大森貝塚があった場所がここなんです。明治10年に米国人動物学者のモース博士によって、この場所で貝塚が発掘されたのでした。 |
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エドワード・S・モース博士 (1838-1925) |
当時、貝の研究の為に来日していたモース博士は、たまたま乗り合わせた汽車の車窓から見えた崖に、貝殻の層を発見。それがこの大森貝塚だったんです。画像は、園内に建てられた彼の銅像。 |
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発掘された貝層 |
大森貝塚から発掘された実際の貝層も、この様に公園内に残されています。 |
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残念! |
この公園の縄文の広場と呼ばれる中央広場では、30分ごとに人工の霧を発生させて、幻想的な雰囲気を作り出している筈なんですが・・・ |
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縄文の広場は改修中 |
残念ながらご覧の通り、取材時には縄文の広場は改修中で、幻想体験は出来ずじまいでした。 |
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平成15年2月撮影 |
仕方がないので、このサイトの取材の為におよそ17年前に撮影した、縄文の広場の画像を載せておきましょう。まぁ、こんな感じで霧が発生するっていう事であります。 |
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池上通りをそのまま進む |
大森貝塚遺跡庭園をあとにして、目の前を走る池上通りを左手方向へと進んで行きましょう。 |
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大森駅ビルRaRa |
およそ400mほどで、大森駅ビルのRaRaが見えて来ました。JR京浜東北線の大森駅前に到着です。 |
★交通 |
JR線または京浜急行電鉄 品川駅下車 |
★歩行距離 |
約 6.0 km |
周辺地図
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