猛暑を避けて都庁を散歩する

2023年8月






 
大江戸線都庁前駅地下通路
 都営地下鉄大江戸線 都庁前駅地下通路

 地球温暖化のせいなのか、ここ最近の真夏の猛暑は人類の我慢の限界を遥かに超えているんではないかと思う今日この頃なのでありますが、そんなうだる暑さの中ではとてもじゃぁ無いが散歩なんかをする気にもなりません。とは言え暑いからと言って、家に四六時中籠っていては身体にも心にも良い訳はないんですが・・・

 そこで記録破りの猛暑の中でありながら、しかし快適に散歩するべく今日やって来たのは、ここ都営地下鉄大江戸線の都庁前駅。そうなんです。今日は東京都庁の庁舎内を色々と歩き廻って、最初から最後までインドアで、空調のバッチリ利いた環境での散歩を楽しもうと目論んでいるんです。





第一本庁舎の地下入口に到着
 第一本庁舎の地下入口に到着

 都庁前駅の改札を抜け、「東京都庁」への案内看板に従って地下道を進むと、あっと言う間に東京都庁第一本庁舎の地下通用口前に到着です。今日はカンカン照りの快晴ではないにせよ、どんより曇った湿気ムンムンの天候で、不快指数は極限に達しているんですが、もう最初の段階からこうして地下通路で、比較的快適にアクセスできてしまうんです。





東京都庁第一本庁舎
 東京都庁第一本庁舎

 東京都庁の現在の建物は平成2年の年末に竣工したもので、第一本庁舎、第二本庁舎、都議会議事堂の3棟の建物から構成されています。そしてその設計者は、東京カテドラル教会代々木第一・第二体育館などの他、数々の建築物を設計した日本が誇る世界的建築家、丹下健三(1913-2005)

 第一本庁舎の地下通用口前までやって来たのではありますが、今日先ずは都議会議事堂から散歩をスタートしようと思います。そういう訳で「東京都議会議事堂」への案内看板に従って、更にあとちょっと進みましょう。





都議会議事堂
 都議会議事堂

 程無く議事堂に到着。このエントランスホールの受付で、警備スタッフと共に入館手続きを行います。議事堂や庁舎内は、受付でこの様に簡単な手続きを済ませれば、事務室などの執務スペースを除いた多くの指定場所について、無料で見学自由。見学者用のリーフレットなども用意されていて、かなりオープンでウェルカムです。広報・PRの一環なんでしょう。そして内部の写真撮影についても三脚などは使用せず、執務や周囲への迷惑行為にならなければオーケーなんです。





都議会PRコーナー
 都議会PRコーナー

 議事堂は地上7階地下1階、高さが41mの建物で、ここはその2階にある都議会PRコーナー。この2階のフロアには他にも都議会図書館があって、議会に関する図書や議事録などを閲覧する事ができます。





議会の仕事が分かります
 議会の仕事が分かります

 都議会PRコーナーでは都議会の仕組みやその仕事、歴史などが展示やパンフレット、動画やパソコンなどで、子供から大人まで分かり易く理解出来る様になっているんです。





寄贈品が並んでいます
 寄贈品が並んでいます

 このガラスケースの中には、海外から都議会への贈答品や、都議会からの返礼品が展示されていました。

 こんな風に俄勉強で都政や都議会の予習が出来たところで、次の場所へと移ることに。





第15委員会室
 第15委員会室

 エレベーターで6階に上がって来ました。ここは15委員会室。左側の扉は議員専用口で会議席へ、右側の扉は傍聴者入口で一般傍聴席へと通じています。





傍聴席から眺める委員会室
 傍聴席から眺める委員会室

 ここでは主に予算の審議の他、諸々の会議が行われます。正面奥に並んでいる壁際の席は報道関係者の専用席。また一番手前に見える席が、全部で69席ある一般傍聴席。





本会議場
 本会議場

 7階の本会議場では年4回の定例会の他、臨時会が開かれます。そしてここでの本会議や、今見て来た委員会室での委員会は、先着順で誰でも傍聴する事が出来るんです。(本会議中の議場内見学は出来ません。)





第一本庁舎が望めます
 第一本庁舎が望めます

 議事堂内の通路を進んで行くと、大きなガラス窓越しに第一本庁舎の建物が見えています。ところで、これから第二本庁舎へ向かおうと思うのですが、議事堂と第一・第二本庁舎の3棟の建物は、空中歩廊と呼ばれる連絡通路によって其々繋がっているので、建物間の移動にはとっても便利。





In Silence Walking
 In Silence Walking

 第二本庁舎へと向かう空中歩廊を歩いていたら、通路の真ん中に大きなアート作品を見つけました。これは日系アメリカ人の彫刻家、イサム・ノグチ(1904-1988)の「In Silence Walking」という黒御影石で創作された作品。





星のアンフォラ壺
 星のアンフォラ壺

 庁舎内外ではこの他にも、沢山のアート作品を見つける事が出来るんです。画像の作品は、ドイツ生まれで後にフランス国籍を取得した彫刻家ジャン・アルプ(1886-1966)の彫刻で、「星のアンフォラ壺」という作品。第一本庁舎の3階に展示されていました。





議事堂前に展示された作品
 議事堂前にも沢山の作品が

 取材時現在、内外の作家による38点ものパブリックアートが展示されていて、都庁内を自由に見て廻る事が出来るので、これ等の彫刻やレリーフを探して廻るために都庁を訪れるだけでも、とっても楽しい。





案内看板に従って進む
 案内看板に従って進む

 庁舎内では、初めて来た見学者や外国人でも分かる様に、随所に日本語・英語・中国語・韓国語で記された経路案内の看板が掲出されているので、目的の場所まで迷わずに行く事が出来るんです。





第二本庁舎へ
 第二本庁舎へ

 議事堂から空中歩廊を利用して、第二本庁舎へと向かいます。この画像は、一つ前の画像の辺りを表側から見たところ。空中歩廊と建物が繋がっているのが良く分かります。

 ところで、新しさの中にも荘厳な雰囲気がある都庁庁舎の建築デザイン。その建物の外壁は、世界各国で産出された石で覆われているというとっても珍しいものなんですが、しかしながら空中歩廊は石で覆ってしまうとその重量に耐えられないので、石に似せた材料を吹き付けているんだって。





第二本庁舎 2階から1階を見る
 第二本庁舎 2階から1階を見る

 第二本庁舎にやって来ました。この建物は地上34階地下3階建てで、高さは163m。1階と2階はご覧の様に吹抜けになっています。





三々五々の四面体
 三々五々の四面体

 2階にはこの様な喫茶コーナーがあるんですが、その手前に何か大きな金属の物体が見えています。これは既述の都庁内パブリックアートの一つで、彫刻家の堀内正和(1911-2001)による、「三々五々の四面体」というステンレス素材の作品。作品自体は1階のロビーに設置されているのですが、吹抜けの構造を上手く利用して、作品の上部のみ2階の床から顔を覗かせているんです。だからアートを鑑賞しながら、コーヒータイムを楽しめるってワケ。





新宿運転免許更新センター
 新宿運転免許更新センター

 こちらは同じく2階にある、警視庁の運転免許更新センター。自分も時々お世話になっている場所であります。





コンビニもあります
 コンビニもあります

 コンビニもありました。都庁のコンビニは広くてキレイでオシャレで品数も豊富。店内では都庁職員や一般入館者が多数利用していて、繁盛しています。





第一本庁舎
 第一本庁舎

 第二本庁舎から、第一本庁舎へと移って来ました。この建物は、地上48階地下3階建てで高さは243mと、都庁の中では一番高い建物です。高層階部分は二つに分かれていて、掲載画像右側のスペースには北展望室が、左側には南展望室が設けられています。

 実はこの建物、平成2年の竣工時には日本一の高さを誇っていたんですが、平成5年に高さ296mの横浜ランドマークタワーが完成したため、3年足らずで日本チャンピオンの座を明け渡してしまったのでした。





東京観光情報センター
 東京観光情報センター

 1階には東京観光情報センターがあって、国内外から訪れる旅行者に向けて、東京都の観光情報を発信しています。





全国観光PRコーナー
 全国観光PRコーナー

 そして東京だけでなく、日本全国各地の観光情報を提供しているのが、こちらの全国観光PRコーナー





パンフレットは持ち帰り自由
 パンフレットは持ち帰り自由

 ここには、全国各地の様々な観光パンフレットが数多く揃っていて、持ち帰り自由。相談コーナーではコンシェルジュが詳しい観光情報を教えてくれるし、各自治体の楽しいPRイベントなども催されます。





都民情報ルーム
 都民情報ルーム

 3階にある都民情報ルームは、東京都の刊行物を販売・貸し出ししたり、閲覧できたりする書店兼図書館の様なスペース。





広いスペースに沢山の資料が
 広いスペースに沢山の資料が

 結構広いスペース内には、各自治体の区史・市史や官報などを始め、沢山の紙の資料・書物の他、デジタル資料や映像資料も揃っています。





南展望室
 南展望室

 さてさて、本日の都庁散歩の中でも「一番人気」の場所へやって来ました。1階の専用エレベーターに乗り込みおよそ55秒、45階・202mの位置にある南展望室に到着です。エレベーターの速度は、時速にして13km余りという事になります。展望室への入室料金はなんと無料。

 展望室では、今日はたくさんの外国人が空中見物にやって来ているようです。あの忌まわしい流行り病の時期を経て、やっと海外からの観光客が戻って来てくれたんですね。





展望室から超高層ビル群を望む
 南展望室から超高層ビル群を望む

 既述のように展望室は南北の2カ所にあるんですが、取材時現在北側の展望室はコロナワクチンの接種センターとして使用されている為、一般入館者の入室は出来ない様になっています。





南展望室から多摩地域方向を望む
 南展望室から多摩地域方向を望む

 展望室専用エレベーターへの乗車には、混雑時は30分以上待つこともあるみたいだけど、なんでもない平日の今日は、全く待たずに乗車する事が出来ました。因みに毎年元日は、初日の出が見られるように早朝からの入室が可能なんですが、大混雑をするので抽選になるらしい。





都SEEN
 都SEEN

 南展望室の中央のスペースには、都SEEN(トゥーシーン)というスーベニアショップ&カフェがありました。特に今日は、インバウンド観光客で盛況です。





カフェもあります
 カフェもあります

 カフェでは珈琲やスイーツ、軽食も食べられるし、なんとクラフトビールなんかも飲めたりしちゃいます。

  そろそろお腹も減って来たので、この辺で何か旨い物でも食べる事に。この南展望室のカフェも良かったんだけど、都庁内には他にも色々と食事処があるんです。





都民広場地下1階へ
都民広場地下1階へ

 ・・・って事で下界に舞い降りて、都議会議事堂の辺りまで一旦戻って来ました。

 ところで、都議会議事堂の前庭は都民広場と呼ばれていて、様々なイベントも催される様なスペースになっているんですが、この都民広場の地下フロアにあるのが、パスポートの申請を受付ける旅券課





旅券課の前を通り過ぎて
 旅券課の前を通り過ぎて

 そしてこの旅券課の前を通り過ぎた先に、専門食堂が集まるレストラン街があるんです。

 都庁ではこの他、第一・第二本庁舎内にそれぞれ、旨くて安くて種類豊富な職員食堂があって、職員以外の一般入館者の喫食もオーケー。自分も運転免許更新の時なんかに何度か利用した事はあるんだけど、今日は専門食堂のレストラン街で食事をする事に。





都民広場地下1階 専門食堂
 都民広場地下1階 専門食堂

 このレストラン街では日本蕎麦やラーメン、中華料理やとんかつなど、5店舗の専門食堂が営業しています。





帰りも地下通路で
 帰りも地下通路で

 帰りは来た時と同様、地下通路で直結した都営地下鉄大江戸線の都庁前駅まで、真夏の蒸し暑さを逃れて空調の整った空間を、最後まで快適に歩いて行きます。









★交通 都営地下鉄大江戸線 都庁前駅下車



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