ひとくちメモ

北本市長杯ソフトボール大会・男子1部の1回戦・北中イーグルス対サンマンション北本戦は、3回終了時点で、サンマンション北本が、負傷者発生により、編成人員を欠いたため、試合を放棄し、没収試合(得点7対0で、北中イーグルスの勝ち)となりました。

ここでは、ケーススタディとして、この処置にかかわるルールを確認しておくことにしましょう。

まず、オフィシャルルールの5−3項6.「没収試合(フォーフィテッドゲーム)」には、次のように定められています。(05年度ルールブックでは、46ページ〜)

(6)試合から除外されたり、退場させられたり、あるいはその他の理由によりプレイヤーが試合を継続するのに必要な人員を欠いたとき。

 5−3項6.の各号に該当した場合、「没収試合は、大会競技委員長・審判長および当該審判員が協議して、球審が宣告する。(得点は7−0となる)」(5−3項6.(注)による。)となっています。

 この場合、7−0になる、ということは、その時点での試合経過にかかわらず、試合を没収された側が0点になるということです。


 
それでは、試合が没収になった時点までの記録はどのようになるのか、確認しておきましょう。

 ルール12−18項
「没収試合と引き分け試合」では、次のように定められています。(05年度ルールブックでは、113ページ〜)

 試合が終了したとき、それが正式の回数に達している限り、結果として引き分け試合または没収試合となったとしても、投手の勝ち負けの記録を除き、個人およびチームの記録はすべて有効とする。

とあります。ルール5−3項(45ページ)では、正式の試合は7回であり、5回以降の回数試合が終了しているとき(後攻チームが勝っている場合で5回表が終了した場合も含む)は、正式な試合として成立したことになります。

つまり、
@後攻チームが負けている試合で5回表・裏が終了した場合
A後攻チームが勝っている試合で5回表が終了した場合
B後攻チームが勝っていなくても、5回裏攻撃中に勝ち越した場合

のような場合で、それ以降に没収試合が成立した場合には、投手の勝ち負け以外の個人・チームの記録はすべて有効となるのです。(ただし、イニングスコアの合計得点はあくまで7−0です。)

 投手の勝ち負け以外は、と書きましたが、12−18項では(注1)として、

 正式試合となったのちに没収試合となり、勝ちを得たチームの得点が相手チームより多いときは、投手の勝ち負けの記録を決定する。

と規定されています。つまり、没収試合時の実際の得点による勝ち負け=没収試合によって決まった勝ち負け(つまり7−0)が一致するときは、投手の勝敗を決定するのです。


さて、今回の試合の場合です。
冒頭に書きましたように、この試合が没収試合になったのは、3回終了の時点ででした。
としますと、ルール12−18項(注2)の規定が生きてきます。

正式試合となるまでに没収試合となったときは、すべての記録は公式記録としない。

この規定がありますので、今回のケースでは、記録として残されるのは、7−0という得点のみ、ということになるわけです。(たとえ、本塁打が出ても、その本塁打は記録にならない、ということです。)

(ただし、現在の北本市の大会では、時間制限(70分(決勝戦のみ90分))および得点差コールドゲーム(3回15点・5回7点)が併用されています。つまり、5回が成立する前に終了する試合がたくさんあるわけであり、そのような試合の公式記録はすべて成立するのに、このようなケースだけ、オフィシャルルール本則を適用して5回が成立しないと、記録が認められないのは、やや不合理な感がないわけではありません。)


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