メンテナンス&モディファイ

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タイヤ空気圧セッティング

タイヤの空気圧について考える。

よくサーキットで空気圧をどれぐらいにすればよいか聞かれるが、一概には言えない。
車種(駆動方式)・車重・銘柄、サスセッティングなどにより異なるからだ。
車重が1トンぐらいなら2.0〜2.3kg/cm2ぐらいが目安になるか?

現在装着しているタイヤは、一般にSタイヤとかRタイヤとか呼ばれているセミレーシングタイヤなので、それについて記述する。

車 両:アルファロメオ2000GTV
駆 動:FR方式
車 重:860kg
銘 柄:DUNLOPフォーミュラR−01J(SPG)
サイズ:195/60-14(4本同一サイズ)

この組み合わせでベストな空気圧は2.3kg/cm2としている。

これはいろんな条件下で走り、自分にとって最適と判断している数値である。
変化させる場合の基準値にもなる。


最適値の模索 通常、走りはじめはタイヤ温度が低いため、温もってくると空気圧が上昇していく。
一般道の路面と異なりサーキットの路面は、摩擦係数(ミュー)が高いので、顕著にタイヤ温度が変化する。
しかしあるところで飽和して安定する。
走行会やフリー走行の時、走り出して「いい感じ」と思ったときにピットに入り、その時の空気圧を記録する。
こういったことを何度か繰り返していると自分にとっての最適値が見えてくる。
最適値のセットアップ これが最適値だというのが決まれば、今度はこれに合わせる。
空気圧の調整は、入れる作業より抜く作業の方が格段に楽なので、
最適値に設定しておき、走行後、上昇分を抜いて調整するのが一般的である。

しかし通常レースの場合、フリー走行・予選・決勝という流れだが、草レースの場合、フリー走行なしで予選・決勝というパターンも多い。
いきなりの予選に合わせて最適な空気圧にするためには、空気圧上昇分を予測して少なめでスタートするのである。
最もこれは適当に勘で選んでいるのではなく、日頃からこのためにデータを採取する必要がある。

私のセッティング術
(データ採取)

air-thermometer.jpg
基本的にサーキットで空気を抜くことはあっても入れることは無い。(ようにしているつもり)
レース場では走り終わるたびに最適値にセットする。温間設定と言うやつだ。
フリー走行、予選と繰り返しているうちにタイヤ温度上昇時の温間空気圧の精度が増してくる。
予選−決勝間が時間的に開いても決勝中のほとんどで最適値に保たれる。
途中で空気を入れて調整すると、冷たい空気が混じるのでタイヤ温度上昇時の精度に欠くので出来るだけ避けるようにしている。

また、作業だけでなく、走行前の空気圧と走行後の空気圧も記録しておく。
そして当日の気温・湿度も記録しておく。(私のレーシングツールの中に入っている)

レース終了後も同様にして、帰宅後空気圧を測定し、記録する。
(これが結構大事で、次回走行時の朝一のセッティングに役立つ)

こうすることにより、このぐらいの気温(時期)ならば、何kg/cm2にセットしてスタートすると、走行後に最適値になるかが判るようになってくる。

私の予選アタックがスローアタックなのは、このエアセッティング方法によるものが多い。
空気圧の少ない状態でスタートして、タイヤを充分に暖めて最適値になってからアタックを開始するのだ。
もちろん、時と場合(直前にフリー走行があるなど)により早めの仕掛けをする場合もあるが。
私のセッティング術
(実践編)
スタート時の設定圧に不安がある場合や前回走行時とあまりにも気候が異なる場合、
フリー走行がある場合は必ず実行し、いきなりの予選でも実行することがある。
それは途中ピットインによる空気圧調整。
少し高めでスタートして、あらかじめピットクルーに途中で調整のために入ってくることを連絡しておく。
「エアゲージを渡して、入ってきたら2.3kg/cm2に調整して」と言っておくと
途中ピットインでもクルーは慌てることはなく、また最短時間で復帰できる。
チッソガス

air-tyre.jpg
「そんな煩わしい事せずに、チッソガスを入れとけや」と言う意見もあるが、
これはあくまでも貧乏サラリーマンのライフワークなのでご了承願いたい。
過去に一度チッソガスを充填したことがある。
世間での謳い文句は、窒素分子が大きいため抜けにくいと言うことだが、
ここでは当然、温度変化による膨張率が低いため空気圧変化を減少させることが狙いである。

作業は近所のコックピット(BS系)で行ったのだが、充填方法は入れては放出、入れては放出を何度か繰り返すというものであった。
それで走行した時は、確かにタイヤ温度変化に対する空気圧変化は少なかったと記憶するが、変化がなかったわけではない。
充填方法に問題があり、完全に窒素が充満されていないからであろう。
2バルブ式にして片方から吸いながら充填するなどの方法が良いのだろう。

全く温度変化に対する空気圧変化がないのならば、一度充填しておけば調整する必要は無いのだが、そういう訳にはいかない。
春秋と夏では気温や路面温度がかなり異なるので、夏場には抜いて、秋には入れる作業が必要になる。
元来貧乏性の私にとって、お金を払って充填したチッソを抜いたり、通常の空気を入れる行為がもったいなく思えて、今では通常の空気を入れている。(情けね〜)

乾燥している空気を入れるとよいと聞いた。コンプレッサの吐出口にスプレーなどの時に用いる水分を取るやつを使えばよいのか?
エアゲージ
air-gauge.jpg
余りいい加減なものではなく、そこそこ良いものお勧めする。
本来ならある程度使用すると校正が必要だが、そこまでしているサンデーレーサーが多いとは思わない。
となると、セットアップの指針は絶対圧力値ではなく相対圧力値となる。
(絶対圧力値に越したことは無いことは言うまでも無い)
極端に言えば「このエアゲージで何kg/cm2に設定する」といった具合である。
(偶に他人のやつと比較すればよい)
いい加減なものはすぐに壊れたり、狂ったりするので、そこそこのものが良い。

昔は工業用1.5級(長野計器製)Φ100の圧力ゲージを利用して自作したものを校正して使用していた(画像右)が、アナログ指示のため、人に頼んだとき設定値にばらつきが出たりするので、今ではデジタル表示のもの(画像左)を使用している。
但し、表示が小数第1位までなので、読み取り値はそのものずばりだが、調整時は少しずつ抜きながら
2.1kg/cm2に近い2.0kg/cm2などと調整している。(意味あるの?)
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