團伊玖磨記念『筑後川』IN八女2015

― 茶のくに 八女に響く「『矢部川』『だご汁の歌 團伊玖磨故郷の調べ ―

今年の演奏会場は新装なった八女市民会館・おりなす八女ハーモニーホールで5月17日(日)に行われました。
  この日は團先生の祥月命日で、2001年の5月17日に中国・蘇州で急逝された、正にその日に今年の演奏会は開かれました。感慨深いものがあります。ステージの中央には、亡くなられる51日前のお元気なにこやかなお顔の大きな写真が吊るされていました.。先生がお亡くなりになって今年は15年目になります。いつの日にか團先生とゆかりの深い「八女」で『筑後川』コンサートをやりたいいうのが私共の夢でした。 
 そのわけを次の頁でご覧になり、またこの頁に戻ってきてください。
               八女と團伊玖磨の頁へ
                                               
 ご覧いただいたように、團先生と八女は深い関係にありました。そしてコンビを組んだ栗原一登氏の没後20年となる今年、栗原氏のうまれ故郷八女での開催でした。

 演奏会の始まりは・・・
 防火服や救助服、レスキュー隊などの制服で身を固めた八女消防本部の70名が八女学院高校合唱部21名と舞台に整列。團先生作曲の『八女消防の歌』、『八女学院校歌』そして『だご汁の歌』から始まった。
 先ず『八女学院校歌』がピアノ伴奏で演奏され、次に消防音楽隊による『八女消防の歌』(吹奏楽)、そして音楽隊のの伴奏で『だご汁の歌』。一人の作曲家の作品が、特定の地域に3曲も残っているという例は珍しいことではないでしょうか。

 今回の演奏会のもう一つの話題は、北原白秋作詞・山田耕筰作曲の つちや足袋工場小唄『雲の翼』 と 日本足袋工場の歌『我が朝日』 という曲が演奏されたことです。2社の社歌が外部で演奏されるのは今回が初めてということで、楽しみに聴きに来られた方もいらっしゃいました。 つちや足袋は現(株)ムーンスター、日本足袋は現(株)アサヒコーポレーションです。ゴム産業の町として当時一世を風靡していた頃(昭和初期)、白秋・耕筰に社歌を依頼したものですがあまり知られていません。因みに昨年ユネスコ世界産業遺産に登録された群馬県の『富岡製糸所の歌』(社歌 作曲・弘田龍太郎)、そして柳河商工会行進歌も北原白秋の作詩(作曲・山田耕筰)です。
 今回は、白秋の作品を継承している柳川市の「白秋をうたうコーラス蘭の会」が、つちや足袋工場小唄『雲の翼』と日本足袋工場の歌『我が朝日』そして『柳河商工会行進歌』を演奏してくださいました。

 このたび大牟田の三池炭鉱の施設や三菱長崎造船所や八幡製鉄所が、明治日本の産業革命遺産がユネスコの世界産業遺産に登録されました。
 昨年の『筑後川』IN大牟田2014では、大牟田の石炭産業を近代化した團琢磨の足跡を取り上げた企画展を催し、『炭坑節』を混声合唱曲に編曲(三沢治美)して地元の合唱団に歌ってもらいました。
 現在柳川の白秋記念館では、北原白秋・山田耕筰の三菱長崎造船所や八幡製鉄所の社歌を紹介する企画展が開催されています。(8月31日まで)
 
 また与田準一(みやま市・旧山門郡瀬高町出身 北原白秋の門下で児童文学者・ 詩人。昭和期の日本の児童文学界において指導的役割を担った。)の童謡をみやま市の合唱団コールレガート、高田オレンジ、山川からたちの皆さんが披露してくださいました。聞き覚えのある童謡でしたが、この曲が筑後地方、みやま市出身の詩人与田準一の作詞とは知りませんでした。

 『筑後川』大合唱。今回も全国から500名超の方が参加してくださり午後の部、夕方の部に分かれて大いに盛り上がりました。

      プログラムへ