本との出会いを記した読書ノート。「こんな本に出会いました。」

書名など
こうの史代:夕凪の街桜の国,双葉社,2004.10第1刷,104ページ,840円   

2007年8月6日,原爆の日に平安堂長野店で衝動買い
 作者の名前ははこれまで知らなかった。
 少女コミックらしきものを買うなんてキャンディキャンディ以来だ。

 この本に興味を持ったのは,この物語が映画化され,ハープ奏者内田奈織が映画のテーマを演奏していることからである。内田奈織の名前をどうして知っていたかは自分でも不明。名前が珍しかったせいかもしれない。

 戦後の貧しかった時期,私は新しい下駄で通学した日,水たまりがあると下駄を脱いで,手に持って歩いたことがある。足は洗えば良いが下駄はそうはいかない。
 主人公の一人,平野皆美が,人通りがないところまできたら,大切な靴を脱いで裸足で歩いていた。こういう女性は自分の経験では見たことがない。でも,あの時代なら,いても不思議はない気がする。

 広島で原爆にあった家族の物語。悲惨な物語であるのだが,表面的にはなんとなくほんわかと進行し,最後はほのぼのと終わってほっとする。
 歳のせいか,このごろ過酷な終わり方の本や映画は苦手になってきている。それに,やたらと涙が出る。

 この話は映画化され,全国ロードショーという広告があった。長野は,と見ると10月からとか。長野は全国ではないらしい。
 Wikipediaの項目に「夕凪の街桜の国」があった。

後日談:10月末になって長野で上映された。長野ロキシー。
平日の昼間見に行ったら,私を含めて3名しかいなかった。
映画館て地域のボランティア活動なんだと感じた。
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