----- こんな本に出会いました -----
         本との出会いを記しただけ。感想文になっていない読書メモ

 <書名など>
 「容疑者Xの献身」 
    東野圭吾著,文藝春秋社
    2005年8月発行,352ページ,1,600円+税  


年末に,文芸春秋社2007年ベストセラーの新聞広告があった。当然であるが読んだ本が1冊もなかった。
1冊だけ持っていた息子から借りて読んだ。それが本書である。
特に読みたかったわけではない。ただし,有名な作家であり,興味はあった。
 
最初に犯人が分かっていて,どう謎解きをしていくかという方式。

その2人を犯人に設定するのは可哀想なんじゃないか。
殺された奴は悪者じゃないか。
犯人よ,つかまるな。

そこはいろいろとあって,アパートの隣人石神が細工する役で登場する。
そんな細工じゃだめだ。
最後に石神が,自分が犯人だという遺書を残して,いなくなれば良いじゃないか。
私の願望は単純すぎる。
ミステリーらしいどんでん返しが用意されていた。

ところで,天才的頭脳を持つ高校数学教師石神の関心はリーマン予想か。
いまだにリーマン予想を解きたいと思っている数学者なんているのか知りたいところ。古くて新しい問題だからそれも良いか。
物理学者の湯川は(なんで湯川なんだ)どこか,電気系エンジニアの臭いがする。作者が電気工学科の卒業だからか。
大学も独立行政法人になって,こういう教授は生きにくくなったことと思う。
まあ,大学の態勢に合わせているような教授では,ミステリーの謎解きはできない。

くだらぬツッコミを入れなが読み進むに連れ,事件は解決に。
犯人逮捕の場面を書かなかったのがせめてもの救いか。
善良な人が犯罪を犯さないわけではない,という見本みたいなもの。
こういう話はこの頃苦手。歳のせいにちがいない。
とは言いながら,一気に読んだ。やめられなかった。

先に雑誌に連載され,単行本になった時,タイトルが変えられた。
内容に合わせたのだろうが,変更しないでも良かったかな。
我ながら余計なお世話だと思う。

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