----- こんな本に出会いました ----- <書名など> 天璋院篤姫(上)(下) 宮尾登美子著,講談社文庫 (上)(下)とも 2007年3月発行,419ページ,667円+税 本との出会いを記しただけ。感想文になっていない読書メモ |
その昔,NHKの大河ドラマが始まった頃はよく見たが,いつの間にか見なくなった。 その後再び見るようになったのは「新撰組」からである。三谷幸喜が脚本を書いていることに興味があった。それ以後,ずっと見ている。 大河ドラマの原作を読むということはあまりしない。が,昨年は古くなって黄ばんだ風林火山を本棚の奧から見つけ出して読んだ。 今年になって「天璋院篤姫を読みました」というメールをいただいたのを機会に,素直に読む気になった(ような気がする)。 宮尾登美子の本は,クレオパトラ以来かな? |
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江戸から遠く離れているとはいえ,加賀100万石に次ぐ77万石の薩摩藩ともなるとお姫様もたいへんである。 何が大変というと,例えば,トイレ・・・・。 それはともかく,篤姫の父忠剛を始め,兄弟,それに将軍家定,家茂など,いずれも頼りのならない人物として書かれているのが面白い。実際そうであったのであろう。 そうでなければ,島津成彬のように,策術を弄する人物に仕立て上げられている。 そして,篤姫の実母お幸を筆頭に,女性は優しく,しっかり者である。女性作家の面目躍如というところか。 そんな時代に,篤姫のように賢明で気丈で知的好奇心の強い女性が現れれば,目立ったことであろう。 もろもろあって,和宮が京都からやって来て,大奥で軋轢を起こす段になるとそれは大変である。 皇女和宮は,有吉佐和子の小説でおなじみであるが,以前から江戸城の人たちはどう感じていたのか気になっていた。それぞれに言い分があることがよく分かるそれが見事に書かれていて面白い。 それにしても,女の戦いは男にはついていけないことばかり。 江戸時代も末期になると,虚弱な将軍が続く。その上,重臣も頼りにならないとなれば,大奥にいてさえ,さぞや心配が多かったことであろう。 第一,何か問題が生じた時大奥まで相談に来るなど,幕府の当事者能力がなくなっていることがよく分かったに違いない。 江戸城を明け渡す直前に,天璋院(篤姫)は西郷隆盛と初めて会うのであるが,ドラマでは薩摩にいる時代に会ったことになっている。 これから,年末まで,原作とドラマを対比させながら楽しもうと思っている。 |