----- こんな本に出会いました ----- <書名など> 「がんのひみつ」 中川恵一著,朝日出版社発行 2007年12月初版発行,167ページ,680円+税 本との出会いを記しただけ。感想文になっていない読書メモ |
ひみつでもなんでもないのだけれど,最近のがん事情はどうなっているかが知りたかった。 たいして事情は変わっていないことは分かった。 |
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冒頭「知られていていいのに,ほとんどの日本人が知らないがんの常識を解説している」とある。専門的な話ではないから,一般論であり,著者も言うように患者にはもの足りない。それはそれで差し支えない 車や家電を買う時色々調べて買うように,がん医療についても商品知識が持ちたいというのは当然かもしれない。ただし,自分が受けたい治療があるかどうかは別。 結論から見れば,初期がんは治る,転移したら治らない,という実情のなかで,何を知り,選択すれば良いというのだろうか。最後は緩和ケアに頼るとすれば,この辺の事情ももっと知りたい。医療用麻薬に対する抵抗感などは無くなっているように感じるがそうではないらしい。麻薬中毒の心配はないが,「痛みがとれたとき,新たな問題が生じないか」という心配がある。経験上は「ある」。 患者が治療を選択すると言っても,難しい。パソコンを買うなら,どれを選んでも楽しい。値段の問題が残るだけである。 がんの治療は,どれを選んでも苦しいし,結果は目に見えている。「自分で選んだ治療だから,失敗してもあんたが悪いんだよ」と言われそうである。 で,がん治療の行く末に希望があるかといえば,いい話は見えない。「医療現場は疲れ切っている」とか,「医療が崩壊し,医療費だけが高騰する最悪のシナリオ」というのが本書の結論であった。これは,がんに限らず医療全般に言えることで,病気になったら素直に諦めましょう,ということかもしれない。 この辺は,普段お世話になっている医師の態度とは違うかな。もうちょっと親切にしてもらっているような気がする。医師の熱意と医療政策は別なのであろう。 私の感想はただ一つ。「医療現場の皆様,よろしくお願いいたします。頼りにしています。」 |