----- こんな本に出会いました ----- <書名など> 「探偵ガリレオ」 東野圭吾著,文春文庫 2002年1月第1刷発行,330ページ,543円+税 本との出会いを記しただけ。感想文になっていない読書メモ |
よく耳にする書名なので買った。 書名からしてわざとらしい。 |
---|
次々と起きる事件を,警察以外の人間が説くという例のタイプ(名探偵ポワロとか名探偵コナンとか)である。警視庁捜査一課の草薙刑事が友人の物理学者に謎解きをしてもらう。物理学者は帝都大学理工学部物理学科の助教授(今なら准教授か)湯川学。この名前もわざとらしいが,登場人物の名前には作者も苦労するのであろう。 ガリレオ→天才→湯川,なんとなく連想できる。 最初の話は,レーザーを使った犯罪。強力な炭酸ガスレーザーを使う前にヘリウムネオンレーザで位置決めをすることからトリックを見破っている。レーザー加工についてしっかり取材をしたみたいである。著者は阪大工学部電気工学科の卒業生だから,こういう話は得意であろう。 技術的なトリックの解明に比べて,犯罪の理由が,何でも良いみたいに感じたのは私の偏見かもしれない。ミステリーで殺人理由を聞いて納得できることはあまりないのが普通だ。関心はトリックのはずだ。 第2章は,高電圧放電による衝撃波による成形を利用してデスマスクを作る 第3章は超音波加工機で心臓を麻痺させる 第4章はナトリウムと水で起きる激しい爆発で殺人 第5章は空気密度の差による光の屈曲と,強力なネオジウム磁石が酸素を引きつける話も。 これらのトリックを,湯川助教授が次々と解いて行く。ところで湯川助教授の専門は物理のうちの何なのだろうかという興味が湧く。 物理学者にも,自分の専門しか知らないエキスパートと,物理、化学,数学,工学なんでも分かっちゃう人がいる。湯川助教授は後者らしい。いろいろな事件を解くことに関しては天才であろう。 どんな論文を書いているのだろうかという興味が湧く。天才の論文だから理解不可能か。 どうも私の関心はミステリーとは別の方向に向いてしまう。 本書はシリーズになっている。次も買うかどうか迷う所である。 容疑者Xのほうがずっと面白かった,なんて比較するのは間違っているかもしれない。 |