----- こんな本に出会いました -----
         本との出会いを記しただけ。感想文になっていない読書メモ

 <書名など>
 「新ロシア紀行」
      聴濤 弘著
      新日本出版社,2004.3 発行
      196ページ,1,900円+税
 



 恩師の山田一博士よりお借りした。なお、恩師はこの本を買った覚えがないのに書庫にあったという。
 本とはそういう物でもある。
 著者の苗字は読めなかった。「キクナミ」と読む。


   ソ連がなくなってロシアになって、少しは良くなったか。何が? かの国が、または世界が。

 2003年1月に15年ぶりに訪れた著者は短期間ではあるが、精力的に各地をまわり多くの人に会って話を聞いている。

 惨憺たる現状にちょっとがっかりというか、予想どおりというか。
 良い話というのは、ロシアの人たちの人懐っこさくらいか。

 実力が報われる社会になどというと、どういう結果になるかがよくわかる。

 現在のロシアではどのような歴史教育をしているかは、なるほどと思った。
 つまり、ソ連時代をどう教えるかである。
 まあ、日本の戦後みたいな感じと言えばいいのだろうか。違う点は内部から変わったか外部圧力で変わったかであろう。
 ソ連時代への評価は厳しい。でも北方領土などになると突然利害が前面に出る。それは当然でもある。

 「日本共産党は、ソ連は社会主義ではなかったと規定している」、という文が何回かあった。
 それはそうだけど、あそうか著者は同党の元中央委員で参議院議員でもあったのだ。著者略歴を読んで知った。

 この本を読んで、素直にロシアなんかに行きたくないと感じるか、ちょっと見たいと思うかは人それぞれであろう。
 私は、旅行者としてなら行っても良いが、住みたくはない。

 現状はともかく、日本がこの国よりいい方向に向かっているかについては楽観できないような気がする。
 ロシアがどうの、著者の見方がどうのというより、日本の将来について他山の石とすべき本のように感じた。
 
戻る