----- こんな本に出会いました -----
         本との出会いを記しただけ。感想文になっていない読書メモ

 <書名など>
 シリーズ「あらしのよるに」(1)-(6)
      木村裕一作、 あべ弘士絵
      講談社,第1巻は1994.11 第1刷発行
      各48ページ(本文にページがふってない) 各巻1,000円+税
 



 子供用の絵本である。
 しばらく前にアニメになり、オオカミの声を中村獅童がやったことだけ知っていた。
 息子が持っていたので借りた。
 息子は「お母さんに読み聞かせたことがあるが最後まで読んでやれなかった」
 「お母さんは、せつない話ね、と言ったきりだった」と言っていた。


 ヤギとオオカミが嵐の夜、避難していた小さな小屋で、暗闇で相手が誰と分からず友達になることから話が、というより悲劇が始まる

 これで、二人は(二頭は?)幸せに暮らしました、なんてなったらぶち壊しだ。
 それにしても。こういう登場人物?の組み合わせでは、うまくおさまるわけがない。
 ロミオとジュリエットのほうがずっと気が楽というものだ。

 6巻にわたって彼らの葛藤、周囲との軋轢が繰り返される。
 話の終末が気になって仕方がない。
 最後はめでたしとなるわけにはいかず、かといって絶望で終わるわけにいかず、「うーん」という結末であった。

 余談。
 各巻の帯に、宮本亜門さんも絶賛とか、柴門ふみさんも絶賛とか、内館牧子さんも絶賛とかある。それはそれでいいんだけれど、こういうお話に名前を使わせてほしいと言われたら断りにくいだろうな、などとおかしなことを感じてしまった。

 それにしてもこういう根源的な矛盾を抱えた、言わば救いのない話の、なんとか結論に持っていく過程は苦手である。
 お前の人生、苦労が足りないよ、と言われそうである。

 これを読んだ子供たちは何を感じるのだろう。
 大人には大変なことであっても子供はすんなり受け入れるのかもしれない。

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