----- こんな本に出会いました ----- 本との出会いを記しただけ。感想文になっていない読書メモ <書名など> 「立ち上がれ中小零細企業」 時代は俺たちのものだ 小林延行著 ディスカバー携書,2009.7 第1刷発行 246ページ, 1,000円+税 |
DIC研究所の山田 一社長からお借りした。 高性能、高密度コイルの製作で有名な(株)セルコの小林社長の著書である。 著者は工業用コイルを作っているかと思えば、健康に効果があるセルパップなる特殊コイルを作って売り出すなど、高度な製品開発と積極的な企業経営をしている。 |
昨年12月、NHKのイブニング信州に小林社長が出るというメールをご本人からいただいたので、この番組を見た。会社紹介かと思ったら、オヤジのロックバンドが中小企業の応援歌を歌っているという番組であった。 黒装束の60代の男3人がロックで「中小企業QCD」という一風変わった歌を歌っている。 その歌詞がなんともおかしい。 仕事が欲しけりゃQCD 倒産嫌ならQCD 生きていたけりゃQCD ・・・コストを優先 ・・・納期を厳守 ・・・全部しわよせ中小零細・・・ だけど俺らにゃ技がある、誰にも負けないテクがある めざすは世界ナンバーワン・・・・・ これをロックのリズムで歌っている。作詞とロックバンドのリーダーは本書の著者である小林社長。 本書は、この歌詞の解題をしながら、中小企業の現状と心意気を述べるというユニークな本になっている。 せっかくの自主開発技術を大企業にただで持っていかれた(いうなれば盗まれた)経験、海外事業の失敗と成功。いずれも生々しい体験談である。 大企業の下請をしていた時代は待っていれば仕事が舞い込むという良さがあった。親企業から独立すると仕事は自分で取ってこなくてはならない。 そのための工夫、さらに各種の企業援助機関の利用などを具体的に紹介している。 もちろん、独創的な製品を作ることが前提になる。 マネーゲームの時代は終わりになり、これからは実体経済の時代になるべきであり、その時、日本は物づくりの力を存分に発揮できる実力があることを力説している。 失敗も成功もたくさんあるわけであるが、やはり企業は経営の方針と、職場の雰囲気、社員のスキルが大切であることがうかがえる。 中小企業こそ、これからの時代にふさわしい製造業の在り方であるという話は、これからの日本にとって明るさが感じられる。 最後に、100年に1度と言われる不況をビッグチャンスにしようと呼びかけているのは「さすが、小林社長」の感がある。 |