----- こんな本に出会いました ----- 本との出会いを記しただけ。感想文になっていない読書メモ <書名など> 「クレオパトラ」 上下 宮尾登美子著、 朝日新聞社,1996.10 第1刷発行 上353ページ 下357ページ、上下共 1,600円+税 |
6月に入院したときお見舞いでいただいた図書カードで買った。 ユリウス・カエサルから見たクレオパトラは「ローマ人の物語」で読んだ。 クレオパトラが主人公の話を読みたかった。 ラテン語読みでユリウス・カエサルは本書では英語読みでジュリアス・シーザーである。 |
かなり常識的な史実の上に話が構築されているらしい。プトレマイオス王家の歴史やら、当時の風習やらも新鮮味はないかもしれないが楽しく?読める。 それにしても、王位争いで家族が死ぬ(殺される)というのは歴史上珍しくないとはいえ大変な事件である。それをクレオパトラは、姉2人、妹、弟と繰り返す。ここではクレオパトラはそれに流される王女、女王として書かれているが実際はどうであったのだろうか。 エジプトにローマが介入し、シーザー、アントニーとの有名な話になっていくが、クレオパトラは当時のエジプト付近で使われていた7,8ヶ国語は不自由なく話せ、会話の内容も豊富で大変なインテリであったようだ。それなりに努力したはずである。 それにしても、シーザーのような男と会ったあとで、がさつなアントニーではクレオパトラもがっくりであったろう。 3人目に出会ったローマのトップはオクタビアヌスであるが、最初から女としてのクレオパトラに関心がないことはクレオパトラ自身も直感で分かる。ローマを帝政にする時期にはこのような冷徹な男が向いていたのだろう。 毒物の研究にも熱心であったというエジプト王家は、プトレマイオス王朝の最後に象徴的に使われるというのも何とも皮肉な歴史上の物語ではある。クレオパトラ39歳。 遺言ではアントニーと並んで埋葬して欲しいとあった。それをオクタビアヌスが叶えている。 かつて新聞に連載されたときには関心もなく読まなかったが、今頃になって読んだ。 同様に激しい時代を生きた同著者の「篤姫」よりも私にとっては面白かった。 |