----- こんな本に出会いました ----- 本との出会いを記しただけ。感想文になっていない読書メモ <書名など> 「シベリア鉄道殺人事件」 西村京太郎著 カッパノベルス,291ページ、2008.2 初版第1刷発行 820円 |
ブックオフの書棚で目に入った。 「へー、十津川警部は外国まで行くんだ」などとくだらぬことが浮かんだ。 横には同じ作者による「パリ発殺人列車」というのがあった。殺しは国内、国外お構いなしだ この作者はこれまでどれくらいの人を殺したんだろう。本書も殺されるのは一人ではない。といったへ理屈を考える前に買った。105円。 いつかシベリア鉄道に乗ってみたいと考えている。端から端までなどと言わずに夕陽のバイカル湖が見える区間だけ、1泊2日くらいが良い。1週間も列車の中はいやだ。 私は鉄道ファンではない。蒸気機関車が来るからと乗りに行ったり、写真を撮りに行くという趣味はない。 ただ、知り合いの家にお邪魔した時、そういう写真が飾ってあると「お、行きましたね」などと言い、次いで聞かされる自慢話に付き合うのは嫌ではない。 |
時代は古く、というより古臭く、ソ連が崩壊してロシアになって直後。 それまで核兵器開発にあたっていた科学者が失業し、中東のオイルマネーで潤う国が彼らを雇い入れようとし、それを妨げる勢力との奪い合い。 ことは、歌舞伎町で起きた殺人事件を追っているうちに重要な容疑者が浮かぶ。ところが容疑者は商社の社員でロシアへ出張してしまう。 それっ! というわけで十津川警部もその後を追ってシベリア入り。いつの間にか、殺人容疑者逮捕なのか、核開発技術者の出国の話だか分からなくなり、犯人逮捕は片隅に追いやられてしまうという面白さである。 日本人は商社と刑事が、核開発技術者の出国を導く側と、阻止する側に絡んでいるのも日本らしい。 ロシアの人がこれを読んだらどう感じるか分からないが、日本人の私には訳もなく楽しめた。 あ、それから十津川警部は英語が話せるんだ、ということが分かった。 |