----- こんな本に出会いました -----
         本との出会いを記しただけ。感想文になっていない読書メモ

 <書名など>

     「詩の中の風景」  

      石垣りん著 
         婦人の友社,  1992.10  発行
         131ページ、1,456円+税、



 本棚の整理をしていたら出てきた。
 昔、妻が買ったものであろう。20年近く前の本である

 妻は自分で気に入った本は、私にも是非読むようにと言う癖があった。そう言われても、私はたいてい読まなかったのだけれど。
 この本を薦められた覚えはない。


 詩は、佐藤春夫、三好達治、茨木のり子、など。著者の詩は最後に一編。
 50余の短い詩について、著者の感想とおぼしきことが書いてある。

 感想というよりは、その詩を読んで浮かんできた思いを連ねてある。解題でも解説でもない。
 それが詩と一緒になって楽しめた。

 詩にもいろいろある。

 まず、私が詩であると感じるような詩から。

   「ある時」 山村暮鳥

     わたしはうやうやしく
     いつものやうに感謝をささげて
     すうぷの椀をとりあげました
     みると
     その中におちて
     蠅が一匹しんでゐるではありませんか
     おお神様
     じやうだんではありません
       ・・・・・・

 山岳遭難事故の報告かと思えるような文体と内容の詩があった。

   「クレバスに消えた女性隊員」 秋谷豊

    京都山岳会登山隊の白水ミツ子隊員が、第一キャンプからベースキャンプへ
    下山中、ボゴダ氷河のヒドン・クレバスに転落、死亡したのは、一九八一年
    六月十日のことであった。
    ・・・・・・・・・
    白水さんは二十九歳、独身だった。

 読み終えて涙がでる。凄い詩である。

 いつもながらに、詩はわからないが、年末にゆったりした気持ちで読んだ。

 
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