----- こんな本に出会いました -----
         本との出会いを記しただけ。感想文になっていない読書メモ

 <書名など>

     「イエス巡礼」

      遠藤周作 著 
      文春文庫
      1996.12 発行  201ページ 680円+税



 特に理由があって本書を読んだわけではないが。少しだけ理由がある。
 本書の書き出しの「マリア」という名は、当時もありきたりの名前であったが、ヘブライ語の「にがい」という言葉から派生したものだとあった。
 それを女の子につけるのはどうかと思う


   なぜ「マリア」は「マリア」と命名されたかは分からなかったが、それに続いて「イエス」の前半生もよく分からない。
 良く分からないと書いてある。

 理屈を言えば、イエスの出生地も誕生日もはっきりしないわけであるから、それをおかしいと思うかそれで良いと思うかは人それぞれであろう。

 「受胎告知」に始まって「イエスの復活」に至るまで、代表的な絵画をそれぞれ1枚ずつ示して、その情景を考え、イエスの生涯をたどっている。

 「最後の晩餐」について見ると、ダ・ビンチの例の絵ではなく、ティントレットの絵が採用されていた。えらく賑やかな感じの晩餐である。その意味もユダの裏切りに至るまで、「私はこういう風に解釈しています」といった記述になっている。

 「イエス」がいつから「キリスト」と呼ばれるようになったかも「分からない」が、  弟子たちの復活体験によるものであり、その体験は抽象的、観念的ものではないという趣旨が書いてあった。

 こういうことに同感できるかどうかが信仰心を持てるか否かにかかわってくるのであろう。    

 
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