----- こんな本に出会いました -----
         本との出会いを記しただけ。感想文になっていない読書メモ

 <書名など>

     「理系クン」

      高世えり子 著 
      文芸春秋社
      2008.8 発行  159ページ 1000円+税



 コミックなんか読書ではない、という言葉には反論なし。
 単に面白かった。
 高世えり子のコミックは初めて


   文系の女性が理系の彼に恋をしたという、ちぐはぐコンビのお話ともエッセーともつかぬノンフィクション・コミック?

 帯に理系クンとはという定義が書いてある。
 「情報工学、生物、数学、医療などの分野で研究や仕事をしている男子のこと」。
 「研究や仕事」と書いてあるのもちょっと面白い。そうだよなあ、「研究」してる奴なんて「仕事」してるとは思われていないんだ。

 工学では、情報工学だけが書いてあるのが愉快。
 私から見ると技術系にあっても、情報工学はかなり変わっている。
 自然現象とは何の関係のない理念であるから。
 現に彼は「分散処理記述言語のランタイム」というソフトウェアを話している。

 それをそのまんま持って現れたような彼に出会えば、誰でもびっくりするかな?
 彼が彼女に説明する研究内容は、けっこう一世を風靡したセリフになってる。おお、彼女も勉強したのかと思ったら、そのセリフは彼が書いたという。
 彼もユーモアがある。そりゃそうだ。こういう漫画家と気が合うんだから。

 漫画家を目指す女性からは珍しかったのだと思うが、こんな男性は文系にもけっこういるように感じている。要は素直に育って世間知らずなだけ。
 その分、いい奴である、と思う。
 デートで、「彼女が喜ぶようなレストランに誘い、気の利いた会話ができるなんて奴は悪い男だ」と私はずっと信じています。  つまり、「私も、いい奴」です。

 彼が専門分野のことを目を輝かせて話す情景も良く分かる。
 文系女子の皆さま、分からなくていいからフンフンと聞いてやってください。
 この時は彼が輝いている時です。

   ストーリーでは彼女が自分と違ったセンスの男性に出会った時「彼が理系だからだ」と感じたことから始まった。
 だから、面白い。
 最後に、2人の喧嘩の方法が書いてあったが、これは私には理解できない面白さ。

 彼女が文系ならばこそ可能な解決法のように感じる。そんなことに関係なく二人の性格かな?

 この二人が続編で結婚してどうなるか。続編も買うことになりそうです

 何より、筆者の彼に対する視線が暖かい。

 「世間知らずで融通の利かない男よ、自信を持とう」なんて、自分の年齢を忘れて知らず知らずのうちに勇気づけられました。  

 
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