----- こんな本に出会いました ----- 本との出会いを記しただけ。感想文になっていない読書メモ <書名など> 東野圭吾「名探偵の掟」 講談社文庫 1999年発行 590円+税 |
覚えのない本が本棚にあったので読んでみた。 息子が読んで、自分の本棚はCDで一杯になっているから、私の本棚に押し込んでおいたらしい。 とにかく殺人事件と謎解きを書かないと気が済まないであろう著者であるから、その度にトリックには苦労しているはずである。 それで裏話を書いてみるつもりになったらしい。 自分のトリック、他の著者のトリック。 まじめで書いたつもりでも、読者が苦笑してしまうものがあるはず。 |
そこで、よくあるパターンをひきだし、シラケながらの展開にした。 登場人物は、いつものように間の抜けた警官大河原番三と、名探偵?天下一大五郎。 幾つかのミステリーのパターンをコケにしながら、謎解きを。 関係者を一堂に集めて謎解きをするというおなじみの情景も。そういえば実際の事件ではありえないか。 先ず、密室殺人。 次々と展開されるのは、TVでもおなじみのトリック、「湯けむり温泉殺人」など・・・。 幾つトリックを書いてもそれだけでは終われないから、最後には大河原警部を犯人に仕立て、挙げ句の果ては、天下一探偵自身を殺すはめに(死んだことまでは書いてないが)。 最後の話は、始まったとたんに「そして誰もいなくなった」のパクリと分かるようになっている。 「まったく−、読んで損した、でも面白かった」という思いで読み終えた。 東野作品を片っ端から読んでいる息子に「東野圭吾も書くことがなくなったんだろうか」と言ったところ、 「それは別にして東野圭吾にしてはできの良い方だと思うよ」との返事。 やれやれ、親子揃ってくだらない本が好きなんだ。 その昔、マークトウェインの「不思議な少年」を読んだ。息子と娘がそれを読んで、自分でも買った。 狭い家のそれぞれの本棚におかしな文庫本が3冊になった。 そんなに面白いのかと言いつつ読んだ妻は「どういうこと?」とプリプリ怒っていた。 このパターンは我が家では珍しくない光景でした。 |