----- こんな本に出会いました -----
         本との出会いを記しただけ。感想文になっていない読書メモ

 <書名など>
     平松類「老人の取扱説明書」

     SB新書 2017年発行 800円+税

 そういえば、少し前、もしくはかなり前に「私の取説」なんていうアイドルのDVDが出ていた気がする。
 それとは違って、発達障害のある人の特性などを周囲に説明したり、職場や学校でできる具体的な対策について相談するために「わたしのトリセツ」を書くという本気のHPがあるのを見たことがあります。

 2年前から後期高齢者になった自分をどう取扱えば良いのか分からないので読んでみた。


 断片的に書くと
1,老人はネガティブな発言ばかりする、とあります。
 私はネガティブなことはいっぱい考えていますが、口には出しません。自分も周りもつまらないでしょうから。でも、知らず知らずのうちにあれこれしゃべっているかも知れません。
 老人ホームに入っていた母を見舞ったとき
 母「朝から待っているけどこないね」
 私「何を待っているの?」
 母「お迎え!」
 こういう会話を自然にしていましたから、多少のネガティブ発言をそうと思わない傾向にあります。
 ちょっと危険かな。

 周囲の人や自分がどう対処すれば良いか書かれています。
 私はすでに当事者ですが、「周りに迷惑をかけない範囲で趣味を楽しむ」とありました。
 これが苦手な私はどうしたら良いのでしょう。趣味がないという、老人にあるまじき特性です。
 昔から、趣味を持てず、その日その日を余裕なく過ごしてきた報いかも知れません。
 結果として、私の子供、孫に正しい行動をとってもらうしかありません。
 やはり、ネガティブな感想です。

2.「無口で無愛想」というのがありました。
 私の場合は、歳を取る前からそうでしたから、いっそう烈しくなりそうです。自覚症状ありです。
 こうならない対処法の一つが「話し相手をさがす」。無理かなあ。
 なってしまったら「1から10まで数える」。
 これならできそう。1日に何回くらいすれば良いのか不明。
 ちょっとやってみたら、すぐに飽きてしまった。

3.その他にもいっぱい。
 それぞれが、楽しくかつ深刻。著者は深刻と捉えておらず、特性と見ている。

 著者は眼科医(患者は老人が多い)。経験と医学的な立場から書いている。読んでいて結構面白いが、老人である自分にとってはいささか複雑。

 若い人からは、困った性格や行動に見えても、それは意地悪や認知症ではなく老人の一般的な特性であると書いてある。
 それに対して、周囲も、本人もどうすれば良いか、そうならないためにはどうすれば良いかという視点で書かれている。いうなれば、特性をよく理解して、いらいらしたり暗い気持ちにならないように、取扱に注意すればいいんです、ということであろう。

 とは言っても、老人を扱うのは、本人も家族も大変。
 電気製品だって、取扱説明書なんてほとんど読まないし、読んでもすぐ忘れる。取扱説明書の置き場所を忘れる。
 自分のこれからの人生も大変かな、子供たちはもっともっと大変だろうという気がする。
 
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