読了年月日 | 著者「書 名」 出版社 発行年月 価格(税別) ちょっとだけメモ | 感想 |
2020.1.30 | 内田洋子「イタリアからイタリアへ」 朝日新聞出版 2016.2 1,600円 著者の名前だけ知っていて、題名につられて読んだ。こういう職業の人がいるんだ。 ニュース写真を集めて報道機関へ売るという。いうなればニュース写真の問屋さんか? それはすごく大事な仕事であると感じる。そうでなければ、新聞も雑誌も世界のニュー スは集まらない。それを、渾沌としか思えないイタリアで働くすごさを感じた。ここで は著者の仕事よりは回りに集まる魅力的な人達の物語であり、そこに著者の魅力が感じら れる。買い物をしたら釣り銭がないから飴が来たというあきれた話しがあった。著者の 年齢から考えると私の40歳代であろう。その頃私は、ウクライナのキエフで釣り銭が ないからとマッチを4箱ももらったことがある。そのマッチをどうしたか覚えがない。 | ☆☆☆ |
2020.1.24 | 北杜夫・俵万智「竹取物語・伊勢物語」少年少女古典文学館2 講談社 1991.1 1,700円 著者2人による現代語訳。早熟な小学生高学年なら読める文になっている。竹取物語に 沢山出てくる和歌が今になると面白い。かぐや姫は月の世界ではちょっと「困ったチャン」 だったらしいことも分かる。伊勢物語は俵万智が和歌も現代文にしてくれている。いつ読ん でも、まったくー 在原業平め と思う。最後の辞世の歌は、それ見たことかという思いと ちょっとわざとらしい、の思いが混じるのは私のひがみかも知れない。 この本は近くの団地集会所の図書から頂いた。 | ☆☆☆ |
2020.1.18 | 関裕二「信濃が語る古代氏族と天皇----善光寺と諏訪大社の謎」 祥伝社 2015.5 840円 遺跡・古記録・神話・推定など総動員で、都合の良い部分を繋いで話しを展開。そうですか、 それで善光寺と諏訪大社の関連は?と思ったらおしまい。関連はないみたい。関連づける本 ではないらしい。この本は歴史書ではなく歴史にヒントを得た楽しい本なんだと感じた。 まあ、新しい説はとんでもない仮説から生まれることもあるから、それを狙ったか。 どうしてこんな本を買ったかと言うとタイトルに騙された。自分も騙されやすい老人なんだ。 | ☆☆ |
2020.1.12 | 塩野七生「十字軍物語 2」 新潮社 2011.3 2500円 第一次十字軍がイェルサルムを解放して、十字軍がヨーロッパへ帰ってからイェルサレムは どうなったか。そう言えばそうだ。回りは敵だらけであるから。 現地の事情を見ていくことが話の中心。後半はイスラムのサラディンとイェルサレムの ボードワン4世との中世的騎士道とも言えるやりとり、なかなかである。 と思えば、ボードワン4世の後継は美男だけが取り柄のルジニャンがなるという不思議さ。 サラディンによってイェルサレムは約90年ぶりにイスラムの領土になる。 こうなれば、第三次十字軍か、というところで本巻は終わる。 | ☆☆☆☆ |
2020.1.5 | シェイクスピア 福田恆存訳「リヤ王」 新潮文庫 1967.11 400円 本棚の古い本を処分していて、何の気もなく読み返した。 財産と地位があり、親父は親ばか、娘ばかりでなく息子を持つ父親も同類で進む。そして戦争 と死。自分もその立場ならあやしいものだということをこの歳になって感じる。幸いなことに 地位も財産もない。正月に帰省していた娘がこの本を見つけて「長女としては複雑なもの があった」と言っていた。ただし、我が家には次女も三女もいない。 で、この本は処分できずに、黄色くなった背表紙を本棚でさらし続けている。 | ☆☆☆ |
2020.1.3 | サイモン・シン 青木薫訳「フェルマーの最終定理」 新潮文庫 2007.6 781円 興味はあったが、2,30ページ読んで断念することになるような気がしながら読み始めた 結果として495ページを終わりまで読んでしまった。証明の内容ではなく、そこに至る人間 模様である。日本人研究者も重要な役割をはたしていて、少しわくわくしながら読んだ。 こういう問題を解く数学者ってやっぱり変わった人間なのかなあ、なんて思いつつ、 11月に読み始め、読み終えるまで時間が掛かった。 | ☆☆☆☆ |