● 2.佐竹末兼常陸の国より曲川へ
物部守屋等によって破壊しつくされてあった跡地に貞永元年 (1232)常陸の国佐竹末兼が、専修念仏の道場として建立したのが向原山三尊院聖徳皇寺である。佐竹末兼は、27歳で親鸞聖人のお弟子の一人になり、「兼誓」という法名を賜った。貞永元年(1232)に親鸞聖人が常陸の国より京都に帰られる時、兼誓は名残を悲しみ、その後、兼誓は京都へ帰られた聖人を訪ねた。
「私このたび、大和国兄末方の領地へまかり越し、弥陀の本願弘通つかまりたく御願ひ申し上げければ、聖人御よろこびあさばされまし」と古記録にしるされている。兼誓の兄佐竹末方は常陸の国の領主で熊野詣を盛んに行った人で、御伝鈔や御絵伝で有名な平太郎の主人であった。
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