[今回のわからん]

「PCR検査」と「抗原検査」と「抗体検査」

違いが分からなくて何となくモヤモヤしている人、非常に多いと思うので、スパッとまとめてみました。


●仮に3つ全部同時に受けたら

いきなり最初からムズカシイ専門用語で説明されたとしてもよく分からないので、「PCR検査」「抗原検査」「抗体検査」の3つの検査を仮に全部同時に受けた場合の「総合判定」を下の表にまとめてみました。

ちなみに「陽性」とは「検査に引っかかった」状態、「陰性」とは「検査に引っかからなかった」状態です。
(陽性/陰性って医者からすると当たり前のことかもしれませんが、これって意外とどこにも書かれてませんよね?)


PCR検査抗原検査抗体検査総合判定
陽性陽性陽性現在は間違いなく陽性(症状あり)
ワクチン未接種の場合は、過去(2〜3ヶ月程度)にもたぶん感染してます
陽性陽性陰性現在は間違いなく感染(症状あり)
過去(2〜3ヶ月程度)の感染はなし?
過去のワクチン接種の効果はたぶん切れています
陽性陰性陽性現在はたぶん感染(無症状?)
ワクチン未接種の場合は、過去(2〜3ヶ月程度)にもたぶん感染してます
陽性陰性陰性現在はたぶん陽性(無症状?)
過去(2〜3ヶ月程度)の感染はなし?
過去のワクチン接種の効果はたぶん切れています
陰性陽性陽性自覚症状がある場合は、PCR検査の再検査を推奨します
ワクチン未接種の場合は、過去(2〜3ヶ月程度)にもたぶん感染してます
陰性陽性陰性自覚症状がある場合は、PCR検査の再検査を推奨します
過去(2〜3ヶ月程度)の感染はなし?
過去のワクチン接種の効果はたぶん切れています
陰性陰性陽性現在はたぶん感染していません
自覚症状がある場合は、数日後に再検査を推奨します
ワクチン未接種の場合は、過去(2〜3ヶ月程度)にはたぶん感染してます
陰性陰性陰性現在はたぶん感染していません
自覚症状がある場合は、数日後に再検査を推奨します
過去(2〜3ヶ月程度)の感染はなし?
過去のワクチン接種の効果はたぶん切れています

シンプルに「陽性 ➡️ コロナウイルスに感染している=要治療」、「陰性 ➡️ コロナウイルスに感染していない=大丈夫」であれば分かりやすいのですが、そうでないのがコロナ関連の検査のヤヤコシイところ。

上の表で「抗体検査」だけは過去(おおよそ2〜3ヶ月)の感染についての検査結果となっており、「PCR検査」「抗原検査」とは少し目的の異なる検査であることが分かるかと思います。
また、仮に3つの検査を同時に受けた場合でも、すべての検査で「陽性」で無い限り、総合判定のどこかに「?」「たぶん」「再検査の推奨」が付くのが、コロナ関連の検査について何となくよく分からない原因の一つと考えられます。

でももうこれで、どんな場合にどの検査を受ければ良いか、また、検査結果を受けた対応方法のイメージはだいたい分かりますよね。

それではそれぞれの検査について(専門用語を使わず)詳しく見ていきましょう。


、、、と思ったのですが、
もうすでに「PCR検査」「抗原検査」「抗体検査」のそれぞれの検査についてわかりやすく解説したサイトがたくさんあり、そのほとんどが医者目線か国・自治体目線、あるいはキット販売のための商売目線でしたので、ここでは少し違った切り口でそれぞれの検査の「違い」について明らかにしていきたいと思います。


●なぜ「PCR検査 ➡ 抗原検査 ➡ 抗体検査」の順番なのか

「PCR検査」「抗原検査」「抗体検査」の3つについて解説しているサイトのほぼ全てが「PCR検査 ➡ 抗原検査 ➡ 抗体検査」の順番で解説しています。
それはなぜでしょうか?


●「使える」か「使えねぇ」か

はっきりいって「PCR検査 ➡ 抗原検査 ➡ 抗体検査」の順番で「使える ➡ 使えない」検査となります。
「使えない」というより「役に立たない」といった方がわかりやすいかも。
「使えねぇ奴だな」の「使えねぇ」のニュアンスです。

もうすでに先ほどの表で、「抗体検査」が「過去(おおよそ2〜3ヶ月)の感染」について調べる検査であることがお分かりかと思いますが、『過去の感染について調べたからといって、だから何?』という意味で、あなたが研究者や統計学者ならともかく、大部分の人にとっては役に立たない検査であるといえます。
この3つの検査の中では一番「使えねぇ」検査であるといえます。

では残りの2つ、「PCR検査」の「抗原検査」の違いは何でしょうか。

ここで大部分のサイトが「遺伝子が〜」とか「血液中の〜」「タンパク質が〜」とか、検査そのもののメカニズムについて詳しく解説しており、専門外の人間がそんな記事を読むとゲンナリしてしまいます。
検査のメカニズムとかって、その分野の専門家にとっては既に知っている当たり前の内容でしょうし、その他の大部分の人にとっては、興味も無いし何の役にも立たない情報ですよね。

一般の人が「PCR検査」の「抗原検査」の違いについて覚えておくべき内容はこれだけです。


これだけ覚えて帰ってください 〜「PCR検査」の「抗原検査」の違い〜

○PCR検査

 ・精度は高い(ただし100%ではなく90%程度)
   無症状でも検出可能
 ・時間がかかる(その場で検査結果が出ない)
 ・病院もPCR検査キットも検査の精度は同じ(どちらも検査機関に送って分析)
   キットによる判定では行政サービスやコロナ保険適用等が認められない場合あり
   (要注意)
 ・自分で判定するタイプのPCR検査キットは意味なし(精度×、行政サービス適用×)

○抗原検査
 ・精度は低い(参考程度にしかならない)
   無症状では検出困難
 ・時間がかからない(基本、その場で検査結果が出る)
 ・医者は症状、状況等も含め総合的に判断 ➡️ 抗原検査結果でコロナ感染と診断可能
 ・検査キットの判定のみでは行政サービスやコロナ保険適用等が基本的に認められない
   (要注意)

上記の内容から、何を重視するか(精度か、結果判明までの時間か)によって、それぞれの検査が「使える」か「使えねぇ」かが判断できるかと思います。


●シチュエーション別使い分け

実際に「PCR検査」「抗原検査」「抗体検査」のシチュエーション別の使い分けについてまとめてみました。

【感染したかどうかか知りたい】
○自覚症状があるとき
 ・各自治体(保健所)等の指示に従う
 ・PCR検査キットで確認
  (陽性判定でも行政サービスやコロナ保険適用等が認められない場合があるので要注意)
 ・急ぎの場合は抗原検査キットで確認
  (抗原検査キットの判定だけでは行政サービスやコロナ保険適用等が基本認められないので要注意)

○自覚症状がないとき
 ・身の回りに感染者がいなければ(あなたが国会議員や芸能人でも無い限り)何もする必要なし
 ・身の回りに感染者がいればPCR検査キットで確認
  (陽性判定でも行政サービスやコロナ保険適用等が認められない場合があるので要注意)
 ・濃厚接触者に指定された場合は、合わせて何らかの指示があるはず


【身の回りに感染者が出た】
○濃厚接触者に指定されたとき
 ・指定時に合わせて何らかの指示があるはずなので、その指示に従う

○学校や職場から求められたとき
 ・通常「PCR検査」「抗原検査」どちらを受けるのか指示されるはず
  明確な指示がなければ「何がしたいのか」「どちらの検査を受ければ良いのか」を確認


【感染時、他人に伝染したくない】
 ・この場合「検査」は関係ありません。個人でできる対策を!


【コロナ保険を適用したい】
 ・「PCR検査キット」「抗原検査キット」の判定結果でOKか保険会社に確認
   キットでOK➡️キットで判定、キットNG➡️病院受診


【コロナ陰性証明を求められた】
 ・「PCR検査キット」「抗原検査キット」での結果でOKかを求めた人に確認
   キットでOK➡️キットで判定、キットNG➡️病院受診


【ワクチンが効いているか確認したい】
 ・「抗体検査キット」で確認
   ただしキットにより精度は千差万別のようです
   参考程度にどうぞ


[今回のまとめ]
  • 「PCR検査 ➡️ 抗原検査 ➡️ 抗体検査」の順に「使える ➡️ 使えねぇ」
  • シチュエーション別に使い分けてください
  • 飲み屋以外の飲食店まで早く閉まるのは何とかしてほしい

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