雪解けが早く、桜の開花も早かった春。「山の青菜は伸びきっているのでは……?」と、一抹の不安を胸に静内へ向かいました。青空のもとを走りながら、車中から満開の桜とコブシを楽しみながら……。コブシがこんなに花盛りになるのは、何年かぶりのことです。新冠の旧御料牧場・二十間道路の桜は、すでに満開を過ぎていました。こんなことも初めてです。
山中コースを走ったので渋滞にも遭わず、無事“静内町漁業センター”到着。いつもの“有勢内生活館”は「雪解け水が流れ込んでトイレが使えないんで、漁業センターを使ってほしいと役場が言っている」と、悦子さんからの連絡。はじめて『森』の宿泊所となりました。有勢内生活館と違って頻繁に使われているせいで、きれいに掃除されている、こじんまりとした会館です。
浜は、ちょうど引き潮でした。三々五々到着したメンバーは、潮干狩りへと向かいます。悦子さんの指導で浜遊びをした人びとが、やがて“収穫”を手に戻ってきました。何と言っても、悦子さんのぶら下げているバケツの“ウニ”が圧巻です。夕食が楽しみになりました。
近くの山へ入ります。いつもながら悦子さんの“畑”にお世話になり、それぞれが山菜の詰まった袋を抱えて帰還しました。さっそく仕分け・始末・調理……台所を出たり入ったりしながら夕食の準備です。一山の“ウニ”は、山本父子が丁寧に身を取り分けて豪華な“生ウニ”となりました。
山菜とウニを飽食の夕食会……でした。侑君、ありがとう。
朝食後、浦河へ。天気予報通り、雨っぽい空模様です。
心配したほど山菜の伸びは進んでいませんでしたが、天気のせいで、花々が輝いて……という美しさはありません。それでも、いつもよりは伸びているシドキやアブラコゴミ、キトピロ(ギョウジャニンニク)の大収穫には心躍るものがありました。
カムイ橋へ移動しての昼食。小雨が降り出します。橋の下に広げた食卓(?)は、なかなか快適でした。今回仕事が立て込んで参加できなかったため、“キッチン山下”はありませんでしたが、いつもながらの食欲でバーベキューに臨みました。
午後は、山奥を散策……。強くなってきた雨の中を宿舎に戻りました。
静内温泉のあと、美味いビールと料理。なごやかに夜が更けていく……はずだったのですが、おそくなってから少し様子が変わってしまいました。どうも「世界の中心は自分」という幻想を拭いきれない人がひとり、訳のわからない我儘を執拗に押し通そうとしたのです。説得の甲斐なく、全員が“ぷっつん”状態に陥ったため、やむなくお引き取り願いました。「ヤイユーカラ=自ら行動する」というのは、「他を省みず我を押し通す」ということではありません。お酒のせいとは思われず、10年間のキャンプ歴で初めての残念な出来事でした。
雨は上がったものの、濡れた山に入るのも億劫で、外歩きには到りません。後片付けや掃除を済ませて、少し早めの解散になりました。いつもながら、悦子さんに感謝です。大人9人、子ども2人のこじんまりとしたキャンプでした。
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