初めて首都圏での作品展。日程と会場が決まった春、ギャラリーを訪れて下見と打合わせをし、アーサーの来日で上京した折にも再訪して、オーナー(岡崎さん)と打合わせた(?)、といっても例によってほとんどプランやイメージを持てぬまま、本番となりました。「広くて使い勝手のよさそうなスペースだから、何とかなるだろう」と……。
2週間あまり船に乗って帰宅したのが12月10日、翌日額屋さんに持ち込んだ作品の額装と発送を頼み、他の作品や展示用品を梱包、発送したのが12日。13日は刺繍講習会、翌14日に東京へと、慌しい準備(?)期間でした。
無事到着していた荷物を開き、夕方から展示作業。立川からKさん、ピースボートのIさんも駆けつけてくれ、札幌からの岩淵先生、Sさんと一緒に飾り込みです。作品を広げ、並べ、飾り、外し、入れ替えて……いつもながら、汗かきながらの作業を3時間。約70点を飾り終えて作業は終了しました。
会場の「アートスペース羅針盤」は、銀座1丁目に隣接した京橋3丁目、ギャラリー密集地帯の真中です。とはいっても、そのほとんどは美術ギャラリーで、“アイヌ工芸"の展示というのは珍しいということで、会期中にたくさんのアーチストや美術愛好家が訪れました。美術雑誌や新聞の紹介記事を見てやって来る人も多くいました。芳名帳に記帳してもらっただけで260名、約800名の人びとに見てもらうことができました。
首都圏在住の元生徒や、里帰りを兼ねて帰郷した生徒、札幌から“作品展ツアー"でやってきた生徒たち……毎日、会場はにぎやかです。『森』会員や新旧の友人たちも、やって来ました。“東京ならでは……"の毎日に、田舎者の私たちはいささか疲れ気味、です。
それでも“閉店"後は毎晩、美味い店を探して―あるいは、行き当たりばったりで―小宴会の日々、東京の人間の多さを改めて実感したことです。「空いている店がない!」……これにも疲れました。
色々ありましたが、最終日。17時からの撤収・梱包は、集まってくれた在京メンバーによって1時間あまりで片付き、発送まで終えることができました。居酒屋で“お疲れ会"、さすがに美味しいお酒でした(これまでが不味かったわけではないのですが……)。すべての皆さん、有難うございました!
「もうしばらくは、東京の作品展はいいなぁ!」と、智子さん。10日間の東京暮らしは、たしかに疲れました。けれども、アイヌ刺繍を楽しみ、喜んでくれた多くの人びとを思い、この疲れを忘れた頃に再び……と思います。素敵な作品を増やしていきましょう。
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