大森 徹(札幌市)
3月19日(土)〜21日(月)の3日間は、僕にとっては別世界へのタイムスリップでありました。
普段の生活では会うことのない人達(楽しい人、変な人?)との出会い。みんなの会話を聞いているだけで楽しかった。
生まれて初めての狩り。冬山をスノーシューで歩くのはこんなに気持ちが良いものだとは思ってもいなかった。
おまけに山下ハンターが見事に鹿を仕留め、解体も体験出来た。初めは鹿の温かさに引いてしまったが、これが猟なんだ、生きている命を獲るということなんだと実感した。
今まで何気なく食べている食べ物すべてがそうである事に、ハッとしました。普段何も気にせず、食事の前に「いただきます」と言う言葉は、命をいただきますと感謝する言葉だったんだと確信しました。これからは、いろいろな人や物に感謝しながら生活していきたいと思いました。
今回のキャンプは、心(考え方)にピリッとスパイスを加えてもらえて、参加して良かったと思います。
また心にスパイス、胃袋にはおいしい食べ物を入れに参加したいと思いますので、よろしくお願い致します。
木村 遊(鎌倉市)
動物を殺し、その肉を食べる。そのとき自分はどんな反応をするだろうか。TVで手術のシーンなどを見たときのように、気持ち悪くなりはしまいか。キャンプに参加する前はこのような不安がありました。さて参加してみて……。
慣れないカンジキを履くのに苦労し、しょっぱなから周りの方にお世話になりながらも、何とか「待ち」ポイントに向かって歩いていたその時、突然「ドーン」というどでかい銃声。ハンター山下さんのすぐ後ろを歩いていたにもかかわらず、カンジキが外れないように、遅れないように歩くのが精一杯だった私は、鹿が撃たれるシーンを見逃してしまいました。とっさに山を見上げた私の目に映ったのは、仲間の2頭だけでした。
「外した」と山下さん。でもそれが見事に当たっていたのでした。急斜面を登ると、撃たれた鹿が横たわっていました。
意外なことに、その死体を見たときも、解体作業が進んでいく中でも、私はあまりショックを受けませんでした。日頃「死」というものと遠くはなれたところで生活しているために、生き物の「命」を感じる感覚が鈍くなってしまっているのではないかと思いました。
解体は、とても興味深かったです。鹿の肉体の中にため込まれている血液=水分の多さには驚きました。
その夜の鹿肉料理、どれもとてもおいしかったです。目の前に並ぶ肉、肉、肉。あれもこれもと黙々と食べていたらすぐにお腹いっぱいになりました。
このキャンプで、めったに出来ない貴重な経験と、"おいしい体験"をさせていただきました。計良さんご夫妻、キャンプ参加者の皆さんには大変お世話になりました。本当にありがとうございました。
下川 顕(東京都)
私が今回初めてシカ狩りに参加したのは、村上君が去年持ってきてくれたシカ肉がきっかけでした。
シカ肉のあまりの旨さ、村上君が「狩ったシカをその場で解体して、とれたての肝臓はすごく旨いよ」という一言が、ずっと頭に残っていました。そして今年、東京のアイヌ料理屋で、シカ狩りに参加しないかという誘いにのってやって来ました。
普段、肉といえばスーパーでパックされたものぐらいしか目にしていない私にとって、解体された、さっきまで生きていた肉を見るのは驚きであるとともに、普段何気なく食べている肉が一つの生命であるということに気づかされる体験であった。
シカが獲れたことに感謝するための儀式であるカムイノミに参加して、我々の食生活が多数の生命をいただくことで成り立っているという、人間の生活の原点にたちかえる貴重な経験であった。
なお、今回は諸々の事情によりシカの解体に間に合わなかったので、来年こそはシカの解体に参加したいと思う。
武安 真規子(札幌市)
とにかく大きく立派な雄鹿を捕獲し、見事な手さばきで解体する山下さんを始めとする男性陣を見て、狩猟はまさに男の仕事!と、ほれぼれして見てしまいました。役割分担の原点を見た思いがします。
カムイノミでは、衣裳をまとい御酒を注ぐ大役を仰せつかり、厳かな気分を味わうこともできました。
おみやげに頂いた鹿肉は、毎日あの手この手と工夫を凝らして、弁当の中に収まっています。
大切な命をいただいていることを噛みしめながら、貴重な経験が出来たことに感謝いたしております。皆様、本当にどうもありがとうございました。
平田 篤史(横浜市)
タンパ カ シリ ピリカ シリ シネ ユク ネ ア コロカ キラウ ピリカ ユク ア コイキ クス
今年 も 天候 がよく 一匹の 鹿 であるけれど 角の 立派な 鹿 私達 獲る事できて
タンパ カ ユカッテ カムイ シランパ カムイ カムイ ウタラ ソンノ イヤイライケレー。
今年 も 鹿まく 神様 大地の 神様 他の神々の皆様 本当に ありがとうございました。
西原 重雄(札幌市)
私はこれまで大学でアイヌ文化エコツアーについて研究してきて、「アイヌ文化はもはや狩猟採集文化ではない」というのが一般的なアイヌ観であることは知っていました。しかし、ヤイユーカラの森は「狩猟採集」をしっかり伝承しているということで、今回初めて参加させていただきました。
私は勢子の一人として鹿を追いたてるはずでしたが、スタートの指示が来る前に「バーン」という音が響きました。後でわかるのですが、もうこの時点で狩りは終わっていたのでした。
獲れていたのは立派な雄鹿。死んですぐの野生動物を見るのは初めてで、触れてみると、当然まだ暖かい。ほんの十数分前には生きていたんだと実感しました。「狩りとは命をいただくこと」なんて、本で読んで当たり前だと思っていましたが、このとき湧いてきた気持ちは、そんな単純なものではありませんでした。複雑というわけではありませんが、今まで味わったことのない感情です。
そのあと、解体、料理と、楽しいイベントが終わり、お腹の中には獲った鹿肉一杯につめこまれました。でもその間、鹿の顔が思い浮かんできます。でも、不思議と「かわいそう」という気はしません。思っていたのは「感謝」でした。最後のカムイノミのとき、つかまってくれた鹿に対して、素直に「ありがとう」と、心の中で言っていました。
やっぱり鹿狩キャンプに参加してよかったと思いました。ヤイユーカラの森の皆さんに感謝、それから、無事に狩りが成功したことを山の神に感謝します。ヤイライケレ。
これからも鹿狩キャンプに参加して、近いうちに自分も狩りができるように勉強したいと思っています。
村上 健司(東京都)
今回で9年、連続9回目の参加となりました。今年は大型のオス一頭を獲ることができ、いつもよりも重い肉、大きな心臓、そして立派な角に感動しました。
河を渡って、やや崖の上から小さめの肉のかたまりを運んだのみなのに、疲れ切ってしまいました。モモ一本を運んだ方々は、さぞかし大変だったことでしょう。そして今年もまた解体を見ることで、命を頂くということの意味を再確認することができました。
日本の状況が何から何まで日に日に悪化していく中、経済的な満足以外の満足を持てる人のみが元気に生き抜いていくに違いありません。ここに来るたびに、そういった前途有望な人々に会うことができ、刺激を受けて帰っていきます。
最後に、プレッシャーの中見事一頭を仕留めてくれたハンターの山下さん、いろいろセッティングをしていただいた計良さんご夫妻には、ただただ感謝、感謝するのみです。毎年どうもありがとうございます。来年は10回目なので、さらに気合を入れて参加したいと思います。スノーシューを購入し、体力・脚力増強しておきます。
山岸 浩明(札幌市)
今回初めて鹿狩りを体験しました。その中でもっとも印象に残ったのは、仕留めたばかりの鹿を解体したことです。
解体している時、あたたかいというのが、当たり前のことなのにすごい違和感を感じました。
スーパーに陳列されているパックに入った肉を食べる時も、これからは、ありがたみを感じながら食べたいと思います。
山下 輝昭(札幌市)
今年も又シカ狩りキャンプだ。が、又桜井が来ないぞ、なんてヤツだと思いながら、大森さん山岸さんと阿寒へ。
天気がよい。これは、私一人でもなんとかなるか。まずは下見に……。シカがあまりいないぞ。オスが三頭見えただけだ。足跡もないしと、上の方を見ると一杯いるではないか。でも、この重たい雪ではちょっとキツイなぁー。
次の日、ミーティングが終わり、いざ山へ。各自別れて、私は女性たちと川の方へ。いた! オスだが、私はためらいもせずに大きいやつに1発。外したと思い、もう1発。でも走られた……。
残念と思い、みんなが下って来るのを待ち、それから撃ったところへ行ってみると、ヨカッター!倒れていました。これで私は、プレッシャーから解放されました。
今年のみなさん、若くて、元気で、素晴らしい。また来年も、ガンバッテください。桜井もな。
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