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ヤイユーカラパーク VOL50 2005.06.20
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2005 春のキャンプ/その1  5月3日〜5日/静内町・浦河町

    

"寒い"春でした。記録的な大雪の影響でもないのでしょうが(その故なのか?)風が冷たく、肌寒い日が続きます。桜前線も延着で、なんだか淋しいGolden Week。といったところで、「山菜とるぞ〜!」の熱気は例年通り。好天の下、車2台・10名が"有勢内生活館"に集まりました。去年の春以来誰も使っていないことが明らかな生活館の埃を掃き、拭き取ってさっぱりしたベースキャンプを後に、悦子さんの案内で山に入ります。

「1週間遅れてるんだワ〜」と悦子さんが言うとおり、沢のヤチブキはまだ丈が低く、それでも美しく咲き誇っていました。山菜採り初体験の娘4人は(スニーカーで!)悦子さんを追いかけ、足を濡らしながら、教えられた山菜を採っています。「ヘビだ〜!」……「これなあに?」「クマの糞……新しいなぁ、午前中のものだ」「エエッ!!」……賑やかな春の山でした。

1時間あまりで夕食には充分すぎるほどの山菜を採って、生活館へ。山下車も到着して、全12名がそろいました。広げた山菜を仕分けし、始末し、茹でます。山菜学習会。

静内温泉で乾いた喉を、ビールで潤しながら夕食。おひたし・酢みそ・ゴマ和え・油いため等などで賞味しました。「ウーン、春の味!」。


二日目。

朝食後、浦河へ。薄曇りながら、好天でした。45分のドライブで最初の沢へ。

ここもやはり1週間ほどは生育が遅れているかな〜。それでも、カタクリや二輪草、ヤチブキが美しく輝いています。プクサ(行者ニンニク)、コゴミ、油コゴミなど、思いおもいに収穫しました。帰り際、「ちょっと散歩に来た……」遠山サキさんとも会えました。

林道を走ってカムイ橋へ。風もなく絶好のバーベキュー日和で、早速"キッチン山下"開店です。「小麦粉忘れてきた!」で天ぷらはできませんでしたが、鹿肉・鶏首肉・鮭・山菜……。飽食の2時間でした。鹿のスペアリブが最高!でした。

山奥目指して走り始めましたが、途中で「土砂崩れのため通行止め」。崖に咲く花々を眺めながら下山です。ピースボートの四人娘(昼寝から覚めた子も含め)は、ここで別れて帰札。居眠りせずに無事帰れよ〜……。

宿舎で山菜の始末をし、温泉でゆっくりしたあと夕食。今日も食べました……。


三日目目。

前日「7時が干潮だから、潮が引いたら浜へ行くよ」と悦子さんの言だったので、7時半には朝食を済ませて待機していたのですが、潮がなかなか引きません。「こりゃ駄目か?」とあきらめかけた頃、悦子さんが「あさり浜へ行こう」と言うので出発。

東静内のあさり浜は、いわゆる"鬼の洗たく岩"と呼ばれる一枚岩が広がる海岸。「カパルウシ」というアイヌ語地名が、道内各地に残されています。静内町の潮干狩り場ですが、ここもあまり潮が引いてはいませんでした。ウニやあさりは姿も見えず、悦子さんに教わった海藻を集めました。

1時間余りも海岸で遊んでから、戻った生活館を清掃。悦子さんの畑を見(視察?鑑賞?)、真歌丘でシャクシャイン像と資料館を見てから札幌へ向かいました。静内二十間道路の桜は固くつぼんで、花の気配さえありません。「花より〜」の春でした。

陽射しを浴びながら山菜の仕分け

陽射しを浴びながら山菜の仕分け

キトピロ採り

キトピロ採り

海藻を探して……

海藻を探して……

カムイ橋での昼食

カムイ橋での昼食

日高 春のキャンプに参加して……

吉田 三千代(札幌)

「山の幸、海の幸をいただく幸せ」

春の日高キャンプに参加したのは3度目くらい?でも3日間びっしり滞在して楽しんだのは初めてでした。

大好物のキトビロがあれば、どんなに急斜面もへっちゃらです。「蛇だよ〜」と言われても、あ、そうという位に集中して取りました。小指の太さくらいのが採れたのは、初めてです。天ぷら、酢の物、おしたし、ぎょうざ、といろいろな料理でおいしくいただきました。

最後の朝の海でも、岩のりを専門に採りました。気がつけば、体が震えるくらいに寒かったです。乾燥保存して、お味噌汁にはなします。海の香りがするでしょう。

キャンプの楽しみは、人との出会いもあります。若いピースボートの人たち、それぞれに年や経験を重ねた方たちと、また出会うことができました。いっしょに食べ、飲み、語り、寝ることは何より人を近づけることだと思います。子どもが多かった以前と比べると、ちょっと寂しい気もします。でもがんばって続けてね。今度は孫を連れて参加しますよ。ありがとう。

股部 京子(札幌市)

五月晴れの5月3日、静内へ。

有勢内生活館へ着いた後、夕食のための山菜を採りに山へ向かう。ピンク色のカタクリ、白い可憐な二輪草、黄色の谷地ブキの花に迎えられ、行者ニンニクやコゴミ、三つ葉など採り始める。一時間程採ったでしょうか、それぞれの袋が山菜でいっぱいになり、「さー帰ろう」と車の方へ歩き始めると、黒い物が……。なんと、午前中に熊が置いていった"ウンチ"だというのです。もう、びっくり!! チビマル子じゃないけれど、顔面がザザーです。

生活館へ戻り、夕食の用意です。智子先生が、次から次へ手早く作っています。出来た順に味見をし、その後の料理講習会。ゴマ和え、テンプラ、ノリ巻き、etc。「ヘェー、このように作るのかー」「このような味つけにするといいんだぁー」なんて言いながら、山菜料理の出来上がりです。

数えきれない料理がテーブルの上に……。美味しい美味しいと食べ始め、お酒の力もあり、賑やかに長時間のお食事タイムでした。

二日目の4日も快晴です。浦河まで足を伸ばし、午前中は昨日に続き山菜採り。採っても採っても取りきれない行者ニンニク、教えていただいたアブラコゴミ、今日も収穫は最高です。

いよいよ、河原でのバーベキュー・タイム。肉は、鹿肉なのです。生肉にショウガを乗せて、少し焼いてニンニクを乗せて……食べ方いろいろ。ここでも、美味しい美味しいの連発です。生まれて初めて食べた鹿肉。来年は、鹿狩りツアーにぜひ行かなくては……。

この夜もまた、昨日とは違う山菜料理がテーブルに!! お昼のバーベキューもしっかり食べたのに、夜もまたお腹いっぱい、食べてしまいました。

このように、初めて参加した二泊三日の春のキャンプは、最高のゴールデン・ウィークでした。でも、体重が?kgふえたかな!?

西野 幸枝(札幌市)

先日はお世話になりました。最高なお天気の中での山菜採り、BBQ、とても楽しかったです。

とくに、山菜採りは初めてでしたのでとっても新鮮でした。そして、とも子さんの手料理がおいしかったです。あまりにおいしくて食べ過ぎで苦しかったです(笑)。

事前に開いていたアイヌ民族の文化についてのお話と合わせて、アイヌの人たちの生活の知恵がいかに豊富で重要なものであったかとゆうことをこの体験を通して少しでも感じることができ、私にとって貴重な経験となりました。

また、アイヌだけでなく世界中の先住民族が、過去、歴史から追いやられてしまった悲しい現実、それを今を生きる私たちがどう受け止め、考えていかなければいけないのか、そしてその歴史を知る事の大切さに気づかされました。

私たちが今こうして存在する事が出来るのは、過去たくさんの人々の努力の上に築かれたものである事を忘れずに生きていきたいと思います。このような機会を与えて頂いたことを、そして素晴らしい方々にお会いでき、学び得る事ができたことに感謝したいと思います。本当に有り難うございました。

若松 右子(札幌市)

初めてヤイユーカラ企画に参加させてもらいました、まずはホントに楽しかったです。山菜採りはもちろん初めて。さらに、取り立てを自分たちで料理してたべるのも、これまたとても贅沢な体験ができました。

山菜採りから食にたいする思いが変わりました。私たちはいろんな自然に食べさせてもらってるのだと。全部とらないでまた来年成長し取れるようにする知恵など、今までは勝手に生えて成長してるんだとばかり思っていましたが……。自然と共存していくことの大事さを学んだ2日間でした。こんなに素晴らしいことはないですね。

来年も参加したいです。

柴野 裕美(札幌市)

本格的な山菜採りは初めてだったので、最初は見つけるのも一苦労でしたが、みんなで探して採って料理して一緒に食べる……食物の一番美味しい食べ方を体験できたのではないかと思います。何より天気が良かったので楽しく山菜採りができました。

近藤 絵里香(札幌市)

友達や初めてお会いする人、山に詳しい人について行って初めての山に入ることは、ドキドキ、ワクワクして、とても楽しかった。

見たことの無い山菜を取ってみんなで食べる。取るのも食べるのも、大勢が楽しい。

川でのバーベキューで、豪快に肉を焼く。なぜか男の人の方が上手。おいしくて楽しい、最高の贅沢!!

越田 清和(札幌市)

「山菜採りに行って、手相を観てもらう」

5月3日、憲法記念日の集会に参加して「はて、私は護憲だったのだろうか」と思いながら、静内行きの高速バスに乗り込んだ。静内駅について山下さんに電話したら、ちょうど、駅の近くを走っているところだったようで、すぐに車で現われる。山下さんは、お昼前に札幌を出発したのに渋滞に巻き込まれたようで、「何で2時過ぎのバスに乗った越田さんの方が、早く着くんだ」とブツブツ言っている。

次の日は、ちょっと寒かったが、いい天気。いつものように、キトピロとコゴミ、ヤチブキを採る。でも、去年と同じ所で採ったためか、キトピロが少ない。しかも小ぶり。でもヤチブキの花がきれいだったから、まあいいか。

その夜、どうしてそうなったのか覚えていないが、参加者一同、見料500円を払い吉田三千代さんに手相を観てもらう。これがなかなか説得力があったので、「手相で何がわかる」とただ独り冷ややかな態度をとっていた計良光範さんも、手を差し出す。どんな手相だったかは、ご本人にお聞きください。まわりにいた我々は、あまりにあたっているので、大笑いでした。

武安 真規子(札幌市)

かたくりの群生を見てみたいと参加した日高のキャンプ!! 目的達成どころか想像以上に楽しいキャンプでした。

急な斜面では、平静を装いながらも、内心こんなはずでは……とボヤキ、なんとか転げ落ちずにLサイズのキトビロを輪ゴムで束ねながらの採取。余裕であります!?

河原でのバーベキューはもう夢心地……途中で目にした岩壁を伝う雪解け水、その中に咲く可憐なサクラ草、 アサリ浜ではゆったりとした時間のなかでフノリ採り、そして究極は悦子さんに薦められて食べた南米チリ産のアローカナと言う鶏の薄緑色の卵!! 大きな元気 を頂きました。


そして1週間後には、何故か3人だけの稚咲内"スペシャル?キャンプ"にも参加! 年に一度はハマボウフウと、肉厚のホッキのフライを食べない と! 

刺繍教室がきっかけで、こんなに素晴らしい経験が出来たことをとても幸せに思っています。