3日前までの申込みが1名と、今年はみんな忙しそう。「こりゃあ、駄目だなぁ〜」ということで「中止にしよう」と決定しました。「そのうちに閑をみて、ボウフウだけでも採りにいこうか?」と、智子さんとは話していました。
ところが前日夜の刺繍講習会に「先生、明日行きますからよろしく〜!」と、満面の笑みとともにやってきた人がいるではありませんか……。「んーん、じゃあ行くか!」と、あっさり催行決定です。やはり“喰いたい一心”には敵いませんなぁ。というわけで、薄曇りの札幌を出発した3名でした(中止決定後にすでに予定を入れていたWさん、ゴメンなさい!)。
なんせ3人ののんびり旅ですから、出発もゆっくりなら道中も「道の駅」に寄りながら“美味いものあさり”旅です。「ホッキは田中さんにお願いしてあるけれど、何か魚が欲しいわねぇ〜」という智子さんの執念は、手塩町の魚屋で大きな川ガレイをゲット、やっと成就しました。「お刺身が食べれる!」と真規子さん、いやぁ良かった……。
天塩川河口でハマボウフウを少し採って……。例年に比べると疎らなボウフウに、「やっぱり、少し時期が早いんだ」と私、「いや、人がたくさん入っているからだ」と智子さん。「わざわざ札幌から採りに来てるくせに、よく言うよー」と、思う私ですが、口には出しません。ひたすら夕餉の天ぷら用にボウフウ摘む私でした。
そのまま生活館の前を通り過ぎて"ポイント2"へ。プクサ、アズキナ、シャクやヤチブキなどを採ってから、稚咲内生活館へ入ります。ここも、1週間ほどは生育が遅いようでした。
二人の調理人による夕食については、書くまでもないでしょう。特記は川ガレイの刺身の美味さでした。それと、ボウフウの天ぷら……4時間強のドライブに価する味わいです。増毛の銘酒「国稀」に酔いしれて、睡ってしまいました。
「雨が降るから、早く浜へ行こう!」の声に起こされたのが6時。外は霧雨っぽいのですが、とてものことにまだ酔いは醒めていません。「雨は、降らん!」と、がんばって8時まで寝袋の中です。
それでも何とか起きだして、朝食。「時化でホッキ船が出せないから……」と来てくれた田中さんとおしゃべりをしている内に、やっと酒っ気も抜け、空も晴れてきました。「ごらん!」と、浜へ出かけます。こういうのを"賢らしい"というのでしょうか……。
時化が続いたのと強風のせいで、砂浜の様子がいつもと違っています。ボウフウの頭(葉)がなかなか見つかりません。みんな砂の下になっているのでしょう。その代わり掘り取ったものは白根が長く、"三杯酢"で食べたら最高!という優れものが収穫されました。3人がそこそこ満足して、浜を離れることができたのです。
帰路、昨日の魚屋でお土産用(?)に川ガレイを買い込み、昼食に何を食べるか悩んだ挙句にあまり美味くないラーメンがあたり、画龍点睛を欠き(オーバーか?)ながらも無事帰着しました。知らない土地で美味しいラーメンに当るのは、とても難しいことなのです。
曇天のなか、利尻岳は微かにしか見られませんでしたが、いい旅でした。
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