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ヤイユーカラパーク VOL50 2005.06.20
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カナダからの手紙

昨年11月日本に一時帰国し、12月のカナダからの訪問ツアーでは大働きしてくれた三浦樹央君は、4月初旬にカナダへ戻りました。日本滞在中は全国を駆け回って、さまざまな体験をしたようです。

その樹央君から手紙とメッセージが届いたので、以下に紹介します。


樹央君からの手紙

Yay Yukar の森へ/2005年5月6日 三浦樹央より

日本ではお世話になりました。どうもありがとうございます。北海道から八重山諸島まで旅をして、歴史、田舎文化、農法、野菜種収集、保存食作り等学ぶ事ができました。そして、多くの素晴らしい人達にも出会いました。

今カナダにて、おおらかで自由な自分らしい生活に戻れてうれしいです。日本の何処かに住んでみようかとも思いましたが、10年生きてきたカナダの方が心地良いです。それと、Lilwat,St'at'imc 領土での大自然と、自給自足の食生活があるのも安心できます。ここが大好きです。ここに戻り逆カルチャーショックを受けていた2日目に集会があり、長老達と多くの村人たちから"Wellcome Home"と言われたのには感動しました。

Intrawest.inc と日本ケーブルとB.C.州政府によるスキーリゾート建設から先住民の伝統領土の大自然を守るためのSutikalh(シュティカ)キャンプへ久しぶりに帰り、大事な事を思い出しました。人はもっと自然と共に、自然に生きていかなければいけない。はっきり言えば、そうでもしないと我々はこの文明と共に滅び、地球の浄化(変化)にまきこまれるだろう。僕らの意識次第で今から明るい未来を創るのだから、ぼくはここの先住民と、世界人と、動植物とより良い友情を結び、精神世界(Spirits,カムイ)に感謝して生きていくのが道だと思います。

来る大山火事と大洪水に備え、保存食を蓄え、種を作り、高山地帯での種と野菜作りも大切だと思っています。これは2年前からHubertと始めたプロジェクトです。今年の夏にHubertは、2000M以上の高原に移り住むそうです。

Sutikalhでの開発側はまだあきらめていず、なにか作戦をねっているらしい。僕らはここの大自然を絶対に守らねばならないと思っています。

『キャンプ創立5周年記念祭』に、隣領土のSkweltkweltから多くの青年(Native Youth Movement)がサポートに来ていました。あちらでは若い人達が積極的に、Lilwatにはない、"Back To The Land(土地に帰る)"運動に力を入れています。共同畑と無料の漢方、先住民の薬局建設や北米各地の草の根グループと同盟を結んでいます。もちろん、あちらでのスキー場拡大反対運動もがんばっていると言っていました。

バンクーバーから来た二人のN,Y,Mは、6月17日〜24日にバンクーバーとシュティカで行なわれる"International Indigenous Youth Conference(国際青年先住民会議)"の報告のために訪れました。世界中から多くの民族が集まる予定です。会議の目的は、「国際化の中、先住民の権利を主張し、先住民の若者の結束を強くする」こと。戦争、内戦、環境破壊の真っ只中から来る人もいるでしょう。興味ある方は、ぜひ参加を!

参加希望者は、事務局:iiyc@resist.ca または僕:kiosan@beer.com へ連絡ください。


2004年12月の旅の感想を、ロザリンとジョジーナに書いてもらいました。また、アルビンにはインタビューをしました。翻訳を送ります。

ロザリンからの手紙

計良さんへ/2005年5月4日 Rosalin Sam

もっと早く「日本での素晴らしい旅をありがとう」と連絡を取らなかったことをお詫びします。

E-mailを送ったのですが、戻って来てしまいました。あなたに出す手紙を助けてくれるKioに感謝します。

私たちがここSta't'imc領土でもつ苦闘を、あなた達も持っていると、よく話をします。ニュースで、今年の冬はウイッスラーのスキー客が多くなかったと言っていました。私たちのスピーチツ活動が影響したのかと期待しましたが、山を見ると今年は雪が少なかったのです。

Sutikalhで5周年記念祭が行なわれ、大成功で、ふだんキャンプに来ない人たちも多く集まりました。今年の新しい案内書を送ります。

Hubie & ponch は元気です。皆さんによろしくとのことです。冬は寒かったのですが、雪はあまり降りませんでした。次の2〜3週間にキャンプの屋根が新しくなり、再び整理と改善がされます。山をあるがままに保存するために、忙しい夏を期待しています。予想以上に忙しくなるかもしれません。

いま、州(議会)選挙が行なわれています。噂では、選挙の後何かが始まるらしいです。もし自由党(Liberal)がまた入れば、インディアンの国々ともちろんSutikalhにも開発の手が進むでしょう。昨夜のニュースで州首相のゴードン・キャンベルが、先住民との交渉が上手くいっていると言っていましたが、彼は私たちのキャンプが存在することをB.C.州の人たちに伝えていません。彼が交渉している人達は裏切り者たち、長老の一人が言うには、子供たちの未来と引換えに手を出す「交易市場にたまる人達」です。

私は、招待されれば出来るかぎりスピーチをしに出かけます。そうしなければ真実は人びとに伝わりません。役所(バンドオフィス)の仕事をしようと思いましたが、メンバーに選ばれませんでした。それでも今は、私らしく自由に話せるので良かったと思います。

話すことはたくさんあります。Kioと一緒に、今度はもっと長い手紙を書こうと思います。

もう一度、あなたと皆さんに出会えた素晴らしい旅をありがとうございます。私はアイリーン、スカヒーシュ、アルビン、ジョジーナたちと同じく、多くのことを学びました。アイリーンも皆も、スピーチで旅の話をしています。

I say this with all my relations,Kukstumulhkalptakem.

<Rosalin Sam/lil'watool of St'at'imc Territory >(ロザリン・サム/シュタティリム領土のリルワット人)

 

ある朝、コーヒーを飲みながらアルビンと一緒に書いた手紙

Hello. 日本ではどうもありがとう。手紙がまだで、すみません。

この旅で、日本人とアイヌに前向きな効果を与え、私たち先住民との出会いで精神性の再確認が出来たのではと思います。

私はこの領土内では、今あるウイッスラー・スキーリゾートで充分だと思います。私たちは(ウイッスラーから)全くお金をいただいていないし、民族として得るものは少ない。私はオリンピックの反対運動をしていましたが、今ウイッスラーの先住民文化センター建設工事場で仕事をしています。しかし、先住民役所が州政府や企業と手を組んだ仕事には賛成できません。オリンピックのための投票でリルワット族のほとんどがNOと出し、(先住民)役所の10人がYES、1人がNOという結果で、リルワット族はオリンピック参加に決まりました。役人にはお金が入りましたが、民族の人たちには何も収入はありません。そのお陰でウイッスラーから先の12kmの領土を隣りのSquamish族とウイッスラー開発側に預け、失いました。彼らには我々の土地を売る権利はありません。私は彼らを私たちの民族だと見なすことができるらしいのです。草の根運動は7世代先を考えなければならないのですが、なぜ役人は土地を売ってしまうのか?

「Sutikalh5周年記念祭」、多くの人が生命と土地について心から話をしていました。Hubieは、いつでも何人でも泊まれるのでいらっしゃいと言っています。Sutikalhの屋根と台所を直すのに、台湾の仏教徒たちの手助けを受けました。世界中の人からサポートをいただいています。グァテマラのマヤ民族の火の儀式も、よく行なっています。

日本では、アイヌ文化を守る活動を見ました。アイヌも立ち上がり、この土地は我々のだと言う運動を続けましょう。怖がらず、本当の自分のために立ち上がりましょう。

最後に、これから来る未来への準備をしましょう。物を置いて、山で生きる心と身体の準備をしましょう。こちらへ来て、漁や狩りをともに経験しましょう。そして、精神儀礼も大切にしましょう。

これからも、よろしく。言語と文化の復活に努力するアイヌに感謝。


※ ジョジーナの手紙と写真を、また後から送ります(樹央)。