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2006 春のキャンプ/その1  5月4日〜6日/静内町・浦河町

雪解けは早かったのに温度が上がらず 、去年に続いて寒い春。桜前線もなかなか北上せず、おまけにコブシの花も見えないまま連休に入りました。「青菜はどうなんだろう?」……と案じつつ、日高へ向います。

事務局集合の女性陣と千歳空港でピックアップのカップルを乗せて、賑やかに走る事務局車が"有勢内生活館"に着いたときには、既に到着していた山下車のメンバー3人が、生活館の掃除を終えるところでした。「いや〜、どーもどーも……」。

札幌・苫小牧・江別からの車も到着し、昼食を食べてから悦子さんの案内で山に入りました。幾分生育は遅れているものの、やはり豊かな春の沢です。1時間半ほど、夕食用の山菜を採って生活館へ。広げた山菜を仕分けし、始末し、茹でます。

温泉組が静内温泉から戻ると、夕食の準備ができていました。車とバイクでやってきた北海道難病連グループと、「飯には間に合うように……」到着した渡辺さんも加わって、総勢25名の大夕食会になりました。ビールや日本酒もさることながら、いつもながらの豪勢な山菜料理。「ウーン、春だぁ!」。


二日目。

夜明け前から降りだした雨が、霧雨ながら続いています。予報どおりの空模様に、"晴れ女"を自称する二人が「やっぱり、"雨夫婦"には負けたか……」と嘆息。昨日までは「雨女や雨男、何するものぞ!」と、余裕を見せていたのですが……。

「この程度なら、なんてことはない!」と、朝食後浦河へ。小雨の中を走りました。

いつもの沢に入り山菜群を見ると、もはや多少の雨などは気にならない人びとでした。やはり1週間ほどは生育が遅れている感じでしたが、カタクリや二輪草、ヤチブキが広がっています。プクサ(行者ニンニク)、コゴミ、油コゴミなどを、楽しみながら収穫しました。

カムイ橋下の昼食。雨も小降りになり――それさえ気づかずに、"キッチン山下"に群がる人びともいましたが――いつもながら豪勢なバーベキューです。鹿肉・鶏首肉・鮭・山菜……。天ぷらもチャンチャン焼きも、美味かった!!

山奥を散策に出かける車もありましたが、少し早めに下山して有勢内生活館へ。山菜の始末をし、温泉でゆっくりしたあと夕食。いや、幾らでも食べられるものです……。

昨夜に続いて、トランプ遊び。"大人気ない"というより、大人のほうが夢中になって騒いでおりました。秀明くん、優美ちゃん、遊んでくれてありがとう!


三日目目。

雨は上がりましたが、潮が引かないので浜行きはなし。山菜も「十分!」ということなので、生活館を清掃、早めの解散になりました。真歌丘でシャクシャイン像と資料館を見てから札幌へ。途中、穂別の道路わきで"最後の山菜採り"などを楽しみ、日高の旅は終わりました。桜もコブシも最後まで見ることがなく、文字通り「花より〜」の春でした。

花の中を歩く

花の中を歩く

日高 春のキャンプに参加して……

吉田 三千代(札幌)

2年続けて、春の山菜とりキャンプに参加しました。

楽しかったこと――雨の中のバーベキュー、久しぶりのトランプで「豚のしっぽ」をして大負けした。

空しく戻る狩人の隊列

遊んでもらった……

自慢できること――シドキという山菜が取れるようになった。

申しわけないこと――今年も500円の手相見で飲み代をふんだくってしまった。

うれしかったこと――知らないと思っていた参加者に知り合いが多かった。改めて人の輪を感じた。

こわかったこと――家に戻ってパソコンを開き、何気なく髪に手をやったらダニが落ちてきた。

でも自然一杯だからこその事実ですね。幸せな3日間をありがとう。

来年は孫連れで参加を目標にします。

加藤 秀明(14才・札幌)

本格的な山菜採りは、今回が初めてで「知り合いもいないしなぁ」と、思いながら少し不安を持って山菜採りに参加しました。しかし、陽気で明るい大人たちがたくさんで、思ったよりすんなりと、なじむことが出来ました。

山菜の知識を学び、「少しは山で生きていけるかなぁ」なんて、思っていたりもしました。

バーベQも鹿肉や鳥の首の肉がとっても美味しくて、寒かったけど楽しかったです。

でも、やっぱり一番楽しかったのは、トランプや花札でした。「ばか」や「豚のしっぽ」で、大人たちに結構遊びでも力が入っていて、その姿を見るのが面白かったです。(笑)

今度は、鹿狩りに行きたいなぁと思っています。(お父さんとお母さんはわかりませんが……)

元橋 功(横浜)

「日高 春のキャンプに参加して」

横浜から参加した私にとって山菜採りはほとんど初めての経験でした。昨年、秩父の山奥で山菜採りをしましたが、山の稜線上で苦労しながら斜面を歩いてようやくワラビが少し採れる程度だったので、今回の山菜採りもその程度かなと思っていました。

採ってるの? 撮ってるの

採ってるの? 撮ってるの

しかし、そんな気持ちは北海道についてすぐになくなっていました。なぜなら、初日に空港から計良さんの車に乗せてもらい有勢内生活館へ向かう途中、寄り道した道端にある普通の雑木林の中で智子さんや三千代さんから山菜の種類を教えてもらいながら採っただけでも、少し探せば様々な種類の山菜があることがわかり、北海道の自然の豊かさを実感させられました。

午後からの本格的な山菜採りでは、残念(当然?)な雨の中でしたが、更にたくさんの山菜を採ることができましたが、それ以上に、ひっそりとした森の中で水芭蕉の群生や小さな花を見ながら歩いているだけでとても疲れも忘れ、幸せな気分にさせてもらいました。そして夜は、いいお湯の温泉やとれたて山菜のフルコースやちゃんちゃん焼き、そしてみんなで飲む美味しいお酒で楽しみ初日を過ごすことができました。

二日目も残念(当然?)ながら雨でしたが、おみやげに持ち帰るキトピロを採るため、渡辺先生の指導のもと雨でぬかるんだ斜面に立ち向かい、気がつけば持って帰る方法に困る程の量を採っていました。

そして、昼食のバーベキューは、妻から夏のキャンプのみやげ話で聞いていた待望の特製の"キッチン山下"による鹿肉とホッキ貝を堪能できました。雨の中でも美味しいものがあると気にならないものです。食後は、ふきのとうをこれまた袋いっぱい採り、収穫にとても満足な一日となりました。

今回初めて北海道でのヤイユーカラ行事に参加させて頂き、大変よい思い出とおみやげを持ち帰ることができました。本当に有り難うございました。

元橋 美穂(横浜)

「初参加! 山菜キャンプ」

久しぶりの北海道に、久しぶりのキャンプ! しかも、今回は山菜取りに初参加!

ゴールデンウィーク前はなんだかんだと忙しく実感がわかなかったけれど、千歳で久しぶりの再会をして、車に乗り込んだとたんに「おなかはすいてない?」「空港で買ったから食べなさい」「カマンベールアイスクリームを食べにいくよ」と次々に繰り広げられる食べ物の話。それを聞いて「そうだった! キャンプってこうだった!」と懐かしさとともに、すごく嬉しくなりました。

春の山菜取りはニュースでは読んでいたものの参加は初めてで、この時期の北海道が寒いのか暑いのかもわからずに来てみたけれど、思った以上に穏やかな過ごしやすい陽気。そして、お目当ての山菜はたっぷり芽吹いて、想像以上驚くほどの収穫を得ることができました。やっぱり、何でも実際にやってみないとわからないものですね。もっと取れた時期があったと聞いて、またびっくり。

夜は山菜を使った料理がたくさん並びました。どれも今までに食べたことがないものばかりで美味しかった! それぞれに微妙な苦味や甘味があって、味わい深く、山に普通にこんなに美味しいものがあるのは本当に幸せなことだと思いました。だって、"ふきのとう"が普通に道路わきにあるなんて! しかもありすぎて珍しくないからそんなに食べないなんて聞いた時には本当にびっくりしました。いつも小さな"ふきのとう"をすごく喜んで食べている私からすると、ありすぎること自体が羨ましいことです。クレソンが自生していることも、野生の三つ葉があることも、それ以外にも驚くことがたくさんありました。いつでもとりにいける環境があることは、本当にすごいことだなぁと改めて思いました。そして、そんな機会に参加できたことを幸せに思いました。

春の恵みをたくさんいただいて、お天気にも恵まれて(←これは少し嘘。……誰のせいかなぁ? ん? 私か?)久しぶりにお会いする方、初めてお会いする方、皆さんと一緒に過ごさせていただいてとても楽しいキャンプを過ごすことができました。ありがとうございました。キャンプ中から「来年は……」なんて言っていたけれど、本当に来年も参加できたらいいなと思います。

鳥居 文子(江別)

春になると、わけもなく嬉しくなる。次々と新芽が若葉になり、白一色からのこの変化、この感動は、北国に住む者ならではの特権かも知れない。

ヤイユーカラはそれをさらに深めて、直に見るばかりか味合わせてくれるのだから病みつきとなる。病みついてもう何年になるであろう。何しろ50代を終えるころ、北海道を終の住み家に移り住んだ。それ以来ということである……。いまや私も70代中半、ヤイユーカラについていくにはいささかきつい、残念ながら終止符としようと決めていたのだが、誘惑に負けて参加してしまった。

「キッチン山下」のスッタッフ?

「キッチン山下」のスタッフ?

谷地の奥まで、一面あかりがついたかと思うほどヤチブキ花で埋まっている。その水々しい葉かげに身をひそめているあぶらこごみ。陽のあたる急斜面にはプクサが……。

はや私も年齢を忘れ、急斜面をよじ登っていた。

夜は、摘んできたものを種わけして勉強する者、調理する者、生活館は大宴会の準備にも顔なじみはもとより、初顔合わせのかたがたとよき交流の場となる。

とにかく、参加できて良かった。みんなの好物であるラタシケプは私も大好物。とも子さんの作るラタシケプにひかれての参加というべきかも知れない。

鳥居 明子(札幌)

念願かなって、静内春のキャンプに初参加しました。1日目はお天気に恵まれた森の中を、2日目はシトシト、ザアザア雨の降る森を歩き回り、たくさんの山の恵みをいただきました。

森への入り口は、どこにでもあるような道端。車を止め、一歩、本当に一歩茂みの中に入ったら、もうそこは息を呑むような別世界。その昔、絵本やアニメで観たような、花が咲き乱れ、妖精たちが遊んでいる、きらきらしたあの森の風景が広がっていました。本物の森! これだけでも来たかいがあったというものです。

ふと我に返ると、みんなしゃがんで採ってる採ってる。よく見ると、花たちは、二輪草、カタクリ、ヤチブキ……その陰ににょろにょろ伸びているコゴミや油コゴミ、そして緑鮮やかなキトピロ、アズキ菜、モミジ傘……夢中になりました。最初は人の指さす方向を見てもどの葉っぱを取ればいいのか戸惑っていた私も、これだけ豊富にあれば、どんどん見分けられるようになりました。今も手の届かない遠い崖にサヨサヨとゆれていた瑞々しい緑のキトピロを頭の中に描くことができますよ。

さてキャンプのもう一つの楽しみは人々との出会い。参加者の平均年齢はひと昔前と比較するなら確実にハイレベルに達しているはずですが、そこにいるのは永遠の少年少女たち……とも思えるステキ〜な皆さん! なんと無邪気に……笑い、話し、夢中になれる。そう、妖精のようでした!! 豊かな山菜料理を食し、私の中に涼しい風が吹いたようなさわやかなキャンプでした。ありがとうございました。

加藤 和代(札幌)

あんなにも多人数なのは、初めてでした。

熊よけに「おーい!」「おーい!」のかけ声や笛の音、とても賑やかで楽しい第1日目です。

鹿や熊の足跡に、あぁ、同じ場所で食べ物を自然から頂いているんだなぁと、共生・共存を感じずにはいられませんでした。それでも、プクサを見つけると、目も足も手も、どんどんおかまいなしに進む自分もいて、食への欲むき出し! 袋いっぱいに採って、大満足でした。

女手多い夕食も、調理室で「あーでもない(ある)、こーでもない(ある)」と井戸端会議の様で、生き生きとした会話がはずんでいました。びっくりする程の智子さんの手際の良さに圧倒され、更に更に、目も覚めるような美味しさに感動し1日を終えました。「あー本当に来て良かったぁ!」


第2日目は雨でした。少し山奥に行き、小さな崖を降り、湿った空気の中にたたずむゼンマイ達!が、びっくりする程たくさんあって、おもしろい程とれました。これは帰ってから、いわし正油マヨネーズで食べるんだと、目の前に出き上がりが浮かんできました(だって、とても美味しかったのですもん)。

一番感動したのは、やちぶきの花の群生でした。

何とも言えず美しい! 雨だから美しい! この美しさを見せてくれるために雨が降ったのかもしれないと、雨に感謝してしまったのでした。これを見てからは、山菜は探すというより、足元にあったのでいいわという感じで、景色の中でボーッと過ごすことにしました。(何たってうちは働き手が残り3人いるのだから、1人くらいボーッとしていてもいいでしょ。帰ったらほとんどの後片付け私だし……etc.……)

美味い……!

美味い……!

橋の下のランチ。キッチン山下は、また、絶品でした。

鹿のモモから下の1本まんまがとても感動的で、ステーキも抜群です(これに魅せられ、息子は鹿狩りに行くと、何の迷いもなく言い出した次第です)。ご馳走様でした。


第3日目。今年は寒いため山菜の成長も遅く、またまた、我が子らのシャクシャイン伝説への無知なる心への御配慮で、資料館に連れて行って頂きました。アイヌ資料館は初めてではなかったのですが、計良さんの説明を聞くと歴史がよみがえるようでした(実は歴史に立ち会ったことがあるのではないでしょうか?)。


子ども> 帰宅後、子どもらは早速社会の教科書を開き、サクシャインの銅像を確認、確かにプラスチックだったと、誰も知らない真実を知って嬉しそうでした。

夫 > 日頃から、身体にムチ打って働いてくれているので、山菜の体の毒素を浮かす作用を手玉にとって、毒素排出効果のあるアロマオイルをお風呂にたらし、そしてちょっとマッサージをしました。何と、今まで出したこともない高熱と発汗にびっくり。7日の日はお休みだったので、1日寝るとスッキリして、何事もなかった様に仕事へ向いました。恐るべし山菜!!

 私 > 豚肉とジャガイモを買い、すぐに作ったカムオハウ。「ニリンソウは本当によく合うね」と、覚えたばかりなのに得意な気持ちになりました。

智子さんの著書「アイヌの四季」は、長い長い北の地での生活の歴史が、人によって伝えられてきた温かい心を感じながら読ませて頂きました。そして、買って良かった! これからも、いっぱいお料理作ります! またお会いした時に、手ほどきよろしくお願いします。

加藤 優実(11才・札幌)

知らない山菜を覚えられて、よかったです。

夜にやったトランプも、楽しかったです。

加藤 和秀(札幌)

普段自然を壊し人との関わりの多い仕事をしていますが、今回はやさしい人との関わりと楽しい自然のふれあいができ、よけいなことを忘れて過ごせました。体はとても疲れましたが、心はとてもいやされました。ありがとうございました。

PS.帰宅した翌日、39度近い熱が出て、1日中寝ていました。

越田 清和(札幌)

今年の山菜採りでは、大失敗。2日目の昼、雨の中、昼食の用意をしている時に、指を切ってしまったのだ。かなり深く切ったので痛かった。なかなか血が止まらなかった。

私は「タバコは、この世からなくなってほしい」と考えているのだが、この時はタバコにお世話になった。計良さんが、傷口にタバコの葉をすりこんでくれたのだ。これが血止めになって、ようやく落ち着いてご飯を食べることができた。なるほどタバコ葉も役に立つではないか。

さて山菜ですが、今年もギョウジャニンニクとコゴミ、シャクなどをたくさん採りました。初日もけっこう採れたのですが、明日があるから「まあ、いいか」と早めに切りあげて、ボーッと昼寝をしていたら、2日目は、冷たい雨が降ってしまった。山菜採りに明日はない。

武安 真規子(札幌市)

今年も楽しみにしていた春のキャンプに、両方共参加させて頂きました。

日高は、2日目珍しく雨模様でしたが、これもまた良し!

サンバイザーに当たる雨音を聴きながら、「もみじ傘」採りに夢中になりました。またひとつ、新しい味を覚えました。

お昼は河原でバーベキュー。寒さに震えながらのビールも格別。キトピロの天ぷらや鮭のチャンチャン焼きの登場で、寒さを吹き飛ばすことができました。

夜には久し振りにトランプをして、大盛り上がり。「豚のしっぽ」というゲームでは、我を忘れてお腹の底から笑い転げてしまいました。


稚咲内のキャンプでは念願が叶って、朝、搾りたての牛乳を頂くことができました。

さっそくお鍋で沸かし湯呑みにそそいで……どれどれ……「あま〜い!」「美味し〜い!」 子どもの頃に味わった牛乳がよみがえった瞬間でした。

手配して下さった美笑子さん、本当にありがとうございました。

珍しく、記念撮影

珍しく、記念撮影