ヤイユーカラ宣言 タイトル

『ヤイユーカラの森』は、ヤイユーカラ・アイヌ民族学会創立の精神「ヤイユーカラ(自ら・行動する)」を基本に、この北海道の大地でアイヌと和人とが、ともに敬いあい助けあって、真に心豊かな生活を築きあげるための知恵と力を養う場として創設されます。

『ヤイユーカラの森』には、アイヌの現在と将来に関心を持ち、<自ら行動する>ヤイユーカラ精神を持つ人ならだれでも訪れ、滞在することができます。その入口で、「あなたはアイヌか和人か」と問われることはありません。

『ヤイユーカラの森』では、アイヌの伝統文化に触れることができるばかりでなく、さまざまなアイヌ民族に関する情報、世界の先住民族に関する情報を得ることができます。

しかし、『ヤイユーカラの森』は博物館でも、情報センターでもありません。そこでは、暮らしのなか、自然のなかでアイヌの伝統文化が生きています。同時に伝統文化をふまえた新しいアイヌ民族文化も生み出されます。それはアイヌも和人も、だれもが共有、享受できる文化であり、暮らしや社会のありかたを見直し、変えてゆく文化です。


『ヤイユーカラの森』を訪れる人は、それぞれに自らの関心と感性の求めるものを学び、考え、楽しみ、やすらぐことができます。そして、そのなかで自分自身を発見し、友情や共感、地球市民としての将来の展望や使命感を得ることができるでしょう。

『ヤイユーカラの森』は、その趣旨に賛同し、参加し学ぼう、楽しもうと考える人々によって支えられ、維持されます。『ヤイユーカラの森』の会会員として『ヤイユーカラの森』を利用するだけでなく、その維持、発展のために、それぞれが持つ専門知識や技術などを提供する形で参加することができます。


アイヌの口承文学ユーカラは語り手と聞き手がいてこそ成り立ちます。聞き手は語りを聞き、胸をおどらせながらレプ(炉ぶちを叩いて拍子をとる)し、ヘッチェ(かけ声であいの手を入れる)します。ユーカラとは語り手と聞き手の感動のキャッチボールによって創りあげられる芸術作品なのです。

「ヤイユーカラ(自ら行動する)」は、私たちからあなたへの呼びかけであると同時に、私たち自身、そしてあなた自身による自らへの問いかけでもあります。

ともに「ヤイユーカラ」しましょう。

≪1992年1月1日≫