「科学の三楽」の発想

工作が好きで、停年をひかえてラジコン飛行機を始めた。バルサのキットを買ってきて組み立てる。エンジン機を電動に改造して飛ばす。一番楽しいのは自分で工夫することとその結果を確かめること。もともと企業の研究育ちで、停年前の15年強は研究の現場から離れたが、元本職は鉄を作る高炉の研究者だった(今の本職は科学教室の講師と自称している)。予測をして実験をし確かめる、めったに無いことだが高炉の動作原理の発見という工学研究の醍醐味も味わった。
子どもたちにもものづくりの楽しみを知ってもらいたい。ものづくりの楽しみは工夫する楽しみであり、工夫するためには科学の原理を知る必要がある。もともと知ること自体が大きな喜びではないのか。ものづくりを楽しむ、科学を知ることを楽しみ、その知識を元に更に工夫する楽しみを味わう。
  • 作る楽しみ
  • (科学を)知る楽しみ
  • 工夫する楽しみ
科学の三楽である。

サイト開発の動機と目的

停年を機にこのような科学の三楽を子どもたちに知ってもらう活動をやりたいと考え、工作と実験をセットにした活動を中心とする、科学クラブを構想した。幸いにして、活動の場(稲毛子ども航空科学クラブ)を得て、工作と実験の開発を進めている。
ウェブや各種の会合を通じて、同じような目的をもって活動している多くの方を知ることができた。このサイトは自分自身の活動の跡を残すためでありかつ、科学クラブを運営している、あるいはこれから運営しようとしている同好の士に少しでも役に立てればと思っている。このサイトを契機として科学クラブの運営にもっと多くの人が関心を持ち、活動に加わっていただければ大変うれしいと思う。
学校で教える理科の内容は巾が広い。このサイトがカバーする範囲は狭いが科学教室で対象とする子どもの年代は小・中学校であり、取組み方によっては高校生や大人でも楽しめると思っている。多分サイト管理人が一番楽しんでいるのではないか。学校の発展学習やクラブ活動などで活用いただければうれしい。

このサイトの内容

科学クラブを運営するとき、最初の問題は何をやるかである。これには多くの参考書やウエブサイトがある。しかし、多くの場合これらは手がかりとしては有用であるが、準備の手間を減らしてくれる情報が欠けている場合が多い。サイトで公開する実験や工作は、原理の検討に加えて、材料の手配や作り方、実験のノウハウをできるだけ示して行きたい。
工作するものが動く原理を理解するためには、多くの科学の概念が関係してくる。工作とセットで行う実験により科学的概念を自然に形成できることが科学クラブの活動の大きな目的である。実験と工作を独立して示すのではなく、科学教室でどのように工作と実験とを組み合わせてやっていくかを例示することが、他のサイトには少ない特徴になろうかと期待している。

工作

実際に子どもたちに作ってもらった工作の詳細を個別に示す。
良い科学工作の条件はなんなんだろうかと自問しながらテーマを模索している。できれば、その工作品を作って動かすことにより科学の概念を体感できるものが欲しい。教室でやる工作は、参加者の皆ができるものでありたいが、参加者それぞれが工夫できる余地があったら尚いいだろう。このような観点から作ったものの評価を一緒に加えておきたい。
工作には、工具を使うスキルが要求される。いわゆるプラモデル式の工作はあまり取り上げていない。工作の手順と、必要な材料・工具・消耗品を示す。特殊な部品については入手経路についても示す。工具や汎用的な材料などについては別に紹介頁を作る予定である。

実験

工作品に合わせて実験を行う。多くの実験には、実験の目的にかなった実験装置や実験材料が必要である。ボランティアとして実験教室を開催するためには実験の開発も大きな負担となる。できるだけ自作で、特殊な材料を使わないで作れる実験装置の開発を目指している。
科学工作と同じように良い実験のの条件はなんなんだろうかと自問しながら実験開発を進めている。ほとんどの実験が先人のアイデアを基にしたもので、作りやすさ、わかりやすさを目的に小さな改良を付け加えている。
自ら実験に参加し、実験結果を記録し、グラフに書いたり表にして科学的な手法に慣れて欲しいと思い、そのように個々の実験を組み立てている。実験では、演示技術も重要だと認識している。演示技術とはいえないが実験を進めるシナリオを作り公開することにした。

研究

工作や実験を開発するときにいろいろな準備をする。考えたり、計算したり、試したりしたことを後で参考にするために残しておきたい。
実験で体験した事実や工作で動かして遊んだこと自体が科学の原理を理解するための種や肥やしになってくれればいいのだがといつも思っている。実験や工作を通じて知って欲しい原理についてもまとめておきたい。

教室

いろいろな教室に参加した記録を残しておきたい。書誌的な情報に加えて例えば「飛行機の揚力」などのテーマを設定して、一つ一つの実験を組み合わせて作るストーリーについても記録しておきたい。

Doscienceとサイト管理者について

工作と実験とをやる科学クラブを運営していくためのバリアを下げるような支援を事業として成り立つようにして行きたいと考えて、個人事業としてDoscience(ドゥサイエンス)を開業した。一応税務署に開業届を出している。事業主兼使用人がひとりの零細企業(企業と言うのかな?)。
管理者は企業を退職した年金生活者。午年生まれ。本名 福武 剛。教室では「ふくちゃん先生」。ちばサイエンスの会ONSEN所属。新理科教育ML、サイエンスEネット他理科関係MLに参加。管理人連絡先(メーラーのアドレスから"oy"を削除してから発信してください。アドレスはsci3j@…になります)