魚菜王国いわて

地方の首長や議員は、中央の選挙運動部隊?

6月7日に、熊坂市長は、自民党推薦の候補を応援すると、明言しました。

http://www.iwate-np.co.jp/news/y2004/m06/d07/NippoNews_16.html(←リンク切れ)

ご存知のとおり、私は自民党を大嫌いでして、自民党を支持する人は、利益誘導を期待する人だと私は思っています。

その辺にある自民党の講演会などのポスターを見ると、「地方主権」と書いてありますが、利益誘導主義の政党が、「地方主権」を言うのはおかしいです。
ホント、おかしいんですよ。
確か新進党があった時代でしたか、自民党政権であったにもかかわらず、増田知事は新進党を支持し、それで痛い目に遭ってます。
支持しなければ予算が来ない、というのは、「政権を支持しなければ、カネをやらぬ」であり、利益誘導を通り越して、露骨な金権政治そのもの。
予算要求の良し悪しではなく、自民党を支持すれば、予算が来るんですから。
こんな予算配分のしているようじゃ、「地方主権」を言う資格はないはずです。

また、中央の言うことを聞かない知事、あるいは、中央に意見をする知事も、国会議員や官僚には、心の中で嫌われているでしょう(これは憶測です)。
予算の最後の、本当の最後の部分は、関係者の裁量です(裁量じゃないという人は、それじゃ、何を基準にしているのか、私は聞きたいです)。
その裁量部分は、「嫌い」な知事のいる県よりも、「好き」な知事のいる県へ振り向けれられるのは、道理である、と私は考えます。
つまり、地方は、中央の「好き」な存在になることができれば、少しは予算が多めにつくかもしれない、という考えに期待するわけです。
これじゃ、いつまで経っても、自民党の利益誘導主義の思うツボ。

それじゃ、どうすれば地方は、利益誘導なしで予算を獲得をできるのか?
それは「利益誘導を排除せよ」(←ファイル消失)にヒントの一つを書いてますし、岩手県でも似たような「地方共同税」を提言しています(「あるべき地方の姿」)。

二大政党の場合(そうなりつつありますが)、首長が特定政党を応援し、その政党が政権党じゃなくなった場合、過去の増田知事が経験したように、その首長の自治体は、冷や飯を食わされます。
各首長は、そうなった場合のことを考慮すべきです。

もう一つ。
中央政府と地方が対立する局面、例えば、原発立地問題などで、国と地元の対立をみればわかります。
自民党の(政権党の)選挙運動部隊は、この対立局面では、原発推進部隊に変化します。
まったく関わりのない首長や議員は、平然と反対するでしょう。
いいかげんな気持ちで中央政党と関わると、中途半端な行動を起こすことになり、地元の利益とはなりません。

以上の理由から、地方の特別職は、あらゆる選挙において、中央の政党に関わることは控えるべきで、すでに政党応援をしている地方の特別職は、その時点で、地方自治に無責任である、と言えます。
逆に考えて、「地方主権の獲得」、「地方の自立」のために、「中央の政党との関わりが必要なのか?」ということを考えれば、そうではないはず。
本気で「自立」したいのならば、中央の選挙運動部隊となるのは、おかしいんじゃないでしょうか。

したがって、熊坂市長の行動は、市民に対して無責任だ、と私は思います。
記事を読むと、高橋洋介候補者が、市長の医師時代に知り合った医療関係者であり、また、過去の選挙で、自民党と持ちつ持たれつの関係を維持してきたことに、自民党候補者を支持する理由があるようです。
熊坂市長は、“医師”を辞めて市長になったのだから、こと医療関係者に応援することは慎むべきであり、また、政策判断なしに、単なる選挙応援の有無で支持を決定したのなら、それは、“地方”の首長の判断としては、愚かな判断である、としかいいようがありません。
(2004年6月10日)



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