魚菜王国いわて

ある商店での出来事

宮古市内のある商店で、北海道産の新巻鮭を売っているところがあります。
銀毛の鮭で、1尾2800円でした。
私としては、地元産の鮭を販売してほしいのですが、なかなかそうはいっていないようです。
会計する時、「なぜ北海道産なの?地元でも獲れているのに」と聞いたら、「銀だから」。
「銀毛なんて、ここで獲れているよ」と言ったら、今度は「安いから」。
「銀で安く、しかもお客さんから注文があって売れている」とレジのおばさんは言っていました。
その割にぶら下がっている新巻鮭は減らないなあ。
以上は、1週間ぐらい前の話ですが、今や鮭の漁はプッツリ切れてしまい、あの安かった鮭が新巻となり、魚菜市場では何と4000円から5000円が相場だそうです。
驚き!
こりゃ、今年の加工屋さんでは蔵が立つ(盛漁時、宮古魚市場での取引価格は、オス1尾300円以下がほとんど)。

本当はちょっとぐらいの値段の差なら、絶対に地元産を扱ってほしいし(理由は「地元でモノを買うということ」)、他の地方への発送で、岩手産、宮古産としてアピールできるかもしれませんし。
ところが、北海道から仕入れたら、その代金は北海道へと流出し、しかも、岩手から北海道産がお歳暮として発送されたら、シャレにもなりません。
しかし、これだけ値段に差があると、思わず考えてしまいます。

地元産にこだわるべきことは、みんな理解していると思うんですが、これを逆に利用して、地元の加工業者は、ただひたすら儲けようという魂胆が見え見えです。
「岩手産は高い」とレッテルを貼られるのがオチ。
ここに何となくですが、岩手は宮古の不活性要因を見出すことができると思います。
魚屋さんや加工屋さんなどは、宣伝などアピールするための販売戦略も立てず、そのくせ「地元産を!」じゃ、あまりに都合が良すぎますし、一方、消費者側は、安いから他県産、あるいは海外産を選択するわけですから、もうこの「漁師のつぶやき」はどうにでもなれ、となってしまいますよ、ホント(笑)。
売る側と買う側が一体となって、宮古をダメにしているんですね。
バカくさくなってきた〜。
(2004年12月15日)



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