魚菜王国いわて

地元でモノを買うということ

今日は掲示板での書き込みからひらめいたことを書きます。
最初に、今は無き「末広町井戸端掲示板」の話題から。

この掲示板の中で、末広町の酒屋さんにつけられたクレーム(私ではないですよ)から思いついたことです。
掲示板では、酒の管理をしっかりしろ、とのお叱りで始まり、欲しい酒もないから盛岡まで買いに行く、という話が書いてありました。
管理の悪さの指摘は店に直接話をすれば済むことであり、そして、それに対応しようとしない店側は、商売人として失格でしょう。
で、私が問題とするものは、欲しい酒というニーズに対して、店側がどう応えるかにあり、その方法論です。
個々のニーズに対応するには、店のほうで注文を簡単に受け入れることのできる体制を作ることが必要になります。
掲示板では、ニーズにあった商品を揃えればいい、という意見がありましたが、個々の好みは千差万別であり、商圏人口の少ない宮古で、そのさまざまなニーズに対応することは難しいと言わざると得ません。
流行の商品を仕入れても、在庫を抱えてしまっては話になりません。
それよりは、どんな注文にも応える体制を作って、迅速に仕入れを行うほうが理にかなっています。
注文する側は、ネットじゃなくとも、電話や口頭などのローテクでいいわけで、そこに世代間格差は存在しません。
店側の注文を受けてから仕入れまでの時間短縮にこそ、ネットを利用することに意味があります。
恐らく酒などは、ある程度の流通機構は固まっているでしょうから、その流通を利用すれば、店側の負担はほとんどせずに済みます。
当然、店側は、カタログや商品の情報提示などを積極的にしなければならないのは言うまでもありませんし、商品の情報収集にかなりの努力をすべきです。

先の掲示板で、私は宮古書店の例を挙げましたが、書店もオンラインで問屋に注文していると思われます。
以前は、本の注文をすると、2週間ほどかかりましたが、今では早いものは1週間かかりません。
「翌日ほしい」という人は贅沢です。
岩手は「スローライフ」宣言(頑張らない岩手宣言ですが、勝手に私はこう解釈します)をしていますから、1週間ぐらいは待ってもいいでしょう。
待つことは楽しみの一つです。
そういうことにしましょう。
「スローライフ」がわからない人はネット検索でもしてください。
このサイトのどこかにもあります。

で、この地元の店に注文して、そこで買うという行為は、地元にお金を落とすことができる一つの方法ともなります。
わざわざ盛岡まで買いに行くとなると、時間と労力、車を使うならば燃料、そして、それに伴うお金を費やすわけです。
しかもそのお金は、買い物をするという行為で、盛岡へ移動するわけですから、宮古からの資金流失となります。
地域の活性化のためには、この辺に重要なヒントがあると思います。
これは次の二つ目の掲示板からのネタに関連します。

リンクサイトの「うみねこねっと」さんの掲示板で、「わいわい掲示板」の「宮古に帰りたい!」スレッドを参照してください。

http://umineko.net/mtbbs/mtbbs.cgi?mode=view&no=18&list=all

この中で、途中に宮古市のお金の出入りのことを書いています。
特に「うみねこ01」さんが、気になることを書いていました。
気になる、といっても悪いことじゃありません。
理解のしかたとして、私は「いいなあ」と思ったので、今日ここで取り上げます。
まず、年間70億円の資金がパチンコ屋さん経由で市外に流出している話(これにはびっくりですよね)から、次のような言葉が出てきます。

「貿易みたいに考えると、宮古市は他の都市との取引きにおいて黒字になることが、経済的な発展になります。」

この考えは、非常に重要だと思います。
これを国の枠で示しますが、日本の対米黒字は巨額です。
米国以外を含めればさらに巨額で、毎年兆の単位で外国から利益を得ており、1998年から2000年までは毎年10兆円以上です。
これが金融資産600兆円の生みの元となっている、とも言われています。

宮古市外に資金流出する商売は、パチンコ以外にも結構あるんだそうで、宮古市にカネがなくなるのもそう遠くありません。
ところが、全面的にそうではないわけで、うみねこ01さんの同じレスで宮古市の金型工業などに利益が必ずありますから、それらの対外的な儲けが宮古市の資金の流入になっているのでしょう。
で、その同じレスで、基幹産業が水産業から金型やその他に移ったとしていましたが、資金の流出入で考えればそうでもありません。
工業製品は原料を現地で調達しない限り、どこでも加工貿易です。
それゆえ、工業の分野での資金の流入は、単に従業員の給与と会社の儲けだけとなります(本社が他地域だと、従業員の給与だけ)。
ところが、漁業はそうではないんです。
特に地元船の水揚げ、あるいは地元産の養殖海産物、さらにそれらを地元で加工し中央市場でさばけば、宮古市単独でかなりの資金流入を獲得することになります。
原料は地元ですから。

この資金流出入の考えから、やはり水産業の隆盛は、宮古市にとって計り知れない経済効果となるわけです。
私としては、この貿易的な儲けというのを、あまり好きじゃないんですが、現実はこのようなものなのでしょう。
今の話、工業系と水産系との金額の格差があまり大きければ、それは話になりませんが。

それにしても、パチンコ産業の資金流失額70億はもったいない。
そこで一つ、ものすごい迷案を思いつきました。

パチンコを宮古市でやるんです。
笑っている人がいたら、その笑う理由を私に教えてください。
石原都知事は、どういう目的で「カジノ構想」を言っているのか知りませんが、私の場合、地域活性化のためです。
私は、ギャンブルを推奨しているわけではありません。
むしろあんなものするな、と言っているほうです。
だって、金をむしりとられるのをわかっていて、カネがなくなるまでパチンコに行くのは、バカとしか言いようがないですから。
付近にはサラ金も待っています。
家庭内では、きっとお家騒動でしょう。
さらに、タバコの煙だらけで、健康上非常によろしくない。
タラソテラピーに、このようなパチンコキチガイが行っても、効果ありません。
「パチンコ台を自分で購入してやったらいいじゃないか」と助言すると、「取ったり取られたりするから面白いんだ」と変な理屈が帰ってきます。
どうせ中毒なんだから治せない。
それならば、市民がパチンコで負けるという現実を治しようがないとあきらめ、せめて、その資金流失を防ごうということから、市でパチンコ店を経営するんです。
なにせ税金でパチンコ屋を建てるんですから、鬼に金棒。
しかも、回収率は高いとくれば、市の財政は一気に好転します。
他のパチンコ店と競争すれば絶対に勝ちます。

森巣博著「神はダイスを遊ばない」では、パチンコギャンブルの控除率を80%と書いています。
この控除率とは、「事前に取られるお金」と理解され、俗にいうテラ銭回収率と言い換えてもいいかもしれません。
その控除率をかなり落とし、対抗店から客を奪うのです。
市の資金は税金ですから、何でもできます(ちょっと乱暴ですが)。
そこで対抗店が撤退したら、そこでジャンジャン回収に励めばいいのです。
簡単ですよね。
そうすれば市の収入は増えますし、あるいは回収率をそこそこにして、パチンコ中毒者の懐をあたため、市内の飲食店に10億ぐらい落としてくれれば、文句なしです。
70億ですから。
あ〜あ、もったいない。
これを採用するかどうかはかなりの勇気がいると思いますが、資金の流出入を事前に説明すれば、みなさん納得がいくと思います。
しかも現パチンコ店の資金は国外へ行く、という噂もあるくらいですからね。
県をみれば公営ギャンブルをやってますよね。
敷居は低いように思いますけど。

「自由市場に口出しをするな」という意見もあると思いますが、この案は資金流失を防ぐ一つの地域活性化策です。
しっかりとした目的を持って自由を制限することが、政治の役目、自治体の役目です。

同じレスで、通販の資金流失も同額という噂も書いてますが、これも実は最初に挙げた地元店の注文販売で克服できます。
しかし、一番の問題は仕入れ経路の確保でしょうね。
製造元あるいは問屋筋をどれだけ納得させ、商品を確保するかにかかっています。
通販分70億の半分でもいいから、市内に落ちるとしたら、どれほどの経済効果になるのでしょう。
資金の流出入を考えれば、地域経済の活性化にはもっとアイディアができてきそうですね。
今日のは突飛な提言でしたが、これからさらに別の考えが導かれれば幸いです。
(2003年5月14日)



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