武道の語源とは、武の文字の成り立ちが示しているように「二つの戈(ほこ)を止める」ということを意味しています。即ち「二人の争いを止める」ことですね。世に武道と名のつくものは沢山あります。しかしながら、果たして語源が意味する真の武道の在り方を実践している団体がどれ程あるのか疑問を感じてしまいます。数ある大会の中に「競技種目」として組み込まれてしまっている現代武道。やはり競技の名がついてしまった時点で、単なるスポーツと同じであると言わざるを得ないのではありませんか。
近年、確かに武道における実戦的技術が失われつつあることは否めません。戦国の世でもあるまいし、ある意味仕方の無いことだとも思えます。しかしながら、日々の修練が競技のためだけに存在しているとしたら誠に残念なことです。聞けば大会二ヶ月前ともなると、ひたすら演武の練習のみに没頭する少林寺拳法の所属もあるようです。確かに良い結果をもたらすことは、何事においても素晴らしいことでしょう。しかしながら、武道としての修行成果が大会の結果だけに結びついているとしたら実に勿体無いことですね。
「真の武道」
技を磨くことによって心身を鍛え、不正や悪と戦うことのできる自信と勇気と行動力を持った人間をつくる道である。よって勝ち負けを競うべき性質のものではないのである。
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