トラブル続出

「97年バーキンは94年バーキンの欠点を
解消した型だから壊れない(断言)。」


と、購入時にプロオートの社長は自信を持って変更点を挙げたものでした。
確かに改良が施され、その部分は信頼性が高そうでした。


何でもかんでもレーシングストライプを入れたがる、プロオート。店に
ウッカリ停めてると、愛車のハチロクにも入れられるか、心配だ(爆)。

しかし、実際には壊れたのです。
私の身に、次々愉快な出来事が(笑)。


最初に、走ってると「ガラガラ」と音がしました。見るとチャコールキャニスタのねじが
外れてチューブのみで宙釣りになってました。ラバーマウントにして、菊座のワッシャー
を噛ませて固定します。細かいネジの脱落が相次ぎ、ホームセンター通いが続きます。

次にサイドミラーの取りつけネジが馬鹿になりました。ネジ穴を落とし、ボルトナット式に
改め、追加したナットの取り付けがタイトなので、ナットを加工します。

ハンドリングが急に軽くなり、フニャフニャと剛性感が無くなりました。
見るとフロントのスタビライザーの固定ブロックが外れてました。
ボルトを少し長いのに替えて締め、飛び出た部分にロックナットを追加します。

97年式は冷却水のリザーブタンクが無いので停車するとクーラントが垂れ流しです。
みっともないのでタンクを後着けします。

ボンネットを閉じたら火花が飛びました。バッテリーの端子カバーが無いので追加。

リアブレーキから「キーキー」と音がして、ローターに傷が入ってました。キャリパーの
固定ボルトが長くて、ローターに当たってるのでやすりで削り落とします。

ホーシングのオイルブリーザーが吹いてるので、ユニオンを着けてチューブを装着。


赤い耐油チューブにした。先の白いのはハコスカGT−R
純正デフブリーザー。


運転側のシートがぐらぐらするので、良く見たら助手席に有るシートバックを
止めるゴムが運転席側には無いので、ホームセンターから似たのを探して追加。


良く見ると、テーブルの脚に付けるゴムを、木ネジで留めてます。たったこれだけで
運転席のシートはグラグラしません。この方法は、教えたら、B−SEVEN’Sの方々
はみんな真似をしました(笑)。各自、独自の改良を加えてるのがスゴイですけどね。



シートの座面に注目。ヒザ裏が大幅にアンコ盛りが施されている。この加工で、
ヒザが全く遊ばず、ポジションが決まる。車検が通らないプラスチック剥き出しの
レース用バケットに比べても、乗り心地、ホールド性も劣りません。また、居住性
を犠牲にしてニーレストを装着するより現実的な加工と思います。さらに、シートバック
部の、肩の辺りにアンコ盛りして「猫背」のポジションにすると完璧です。この加工は
プロオートの社長車にのみ施された加工で、私は「スゴイ!」と思いましたが、誰も
全く理解できず(笑)、2〜3台しかこの加工を施したシートは見たことがありません。
この様にバーキン社の部品は、一手間加えると、かなりまともです。きっと、製作
途中で、「コスト」削減されたんだろうなあ。この加工は、ゼッタイおすすめです。


この程度ならDIYで対処出来、故障の内に入らないと思いますが、当時は手探りで
直してたのでいちいち大騒ぎしてました。まあ大した事ではないです。

しかし購入3ヶ月後、走行中に失火してエンジンが突然死にました
しばらくすると掛かりますが、それが30分後か2時間後かはその時次第。まるで
「ロシアンルーレット」のようです。こうして、私の愛車は、乗るには
相当ドキドキしながら乗らなきゃならない、スリル万点のクルマになって
しまったのです。自宅に山形セブンクラブの皆さんを呼んでも原因不明。
「レスキューしなきゃ!」と集まっていただいたのに、故障が出てこないので

皆 「人騒がせな野郎だな。」

と先輩方から言われ、そのまま皆で蔵王エコーラインにツーリング
してしまいました(おいおい)。これは日頃の行いのせいでしょうか?



「まだまだ甘い。」と説教を受ける。

家族は、

全員 「だから、ケーターのBDRにすれば良かったのに。」

と言います。私的には、家族に気を使ってバーキンだったのですが、その気持ちは
家族には通じなかったようでした。ついに、意を決して仙台行きを決意します。


アフタヌーンKC「ハトのおよめさん」より。

プロオートにクレームで直してもらう様に直訴するためです。まず、
なにか有っても大丈夫なように、当時まだ物珍しかった、
携帯電話を購入。不測の事態に備えます。クレームを断られても、帰れる様に
現金まで持って出発します。だんだん物々しくなってきました。今思えば、そんな思いして
いく必要も無かったと思いますが、
「本人至って大真面目(爆)。」
出発しました。高速乗って止まると大変なので、下道を使います。が、このルートは
目的地にたどり着くのにトンネルを3つ通過しなければなりません。緊張が走ります。
1つは何とかクリアしました。が、残り2つで大渋滞。真夏の日差しと緊張で
玉のような汗が出ます。アイドリングは800回転を割り、電動ファンは気まぐれにしか
動きません。何と当てにならない!後日、手動スイッチと日産純正ローテンプサーモ
を入れたのは言うまでも無いです。

(余談ですが、ファンの自動スイッチには、トラストの「マルチシステム」が良いです。ONとOFFの
温度設定、しかも2チャンネル式なのでラリー車の様に水噴射も可能です。お勧めです。)

2時間ほど巻き込まれてましたか(ハアハア)。
そうして、非常な苦労の末、プロオートに到着。疲労と不安で半分キレかかってます。


移転するたびに山形から遠ざかるプロオート。ウーム(笑)。私的には、
遠ざかるのがつらいです(笑)。元メカの○川さんや、M藤さんも心配
してるぞ(爆)。でも東北のセブン乗りはここを頼りにしてますからね。
いつもお世話になってます(笑)。これからもよろしく。


俺様 「あのよー、エンジン止まるのよー。それに、MJ105は無いだろ!交換してくれ。」

するとプロオートはこう言ったのですね。

「もともとこのクルマはノークレームのキットカーなのさ〜。だからマルカツでも
クレームは受け付けてないんだ。プロオートは独自で3ヶ月以内、1回のみの保証
してるから、今回特別に、無料で見てあげましょう。

まあ、そん時はタダで直すと聞いてすっかり気を良くして、

俺様 「じゃあ、ついでに、ステンメッシュのブレーキホースに替えて下さい。」

と、余計な金まで使ってしまったのでした(馬鹿...)


今なら適当な事言われたらキレますね。

2時間くらいかかったでしょうか?缶コーヒーを買って来て、プロオートのメカニックと
ショップの裏話を聞きます(抱腹絶倒でした)。隣では専務がダイナモ使って、私のセブン
のキャブセッテイングです。かなり排気音が勇ましくなってきました(専務は中々良い腕です)。
しばらくして、ブレーキホースを交換したセブンが帰ってきました。もう夕方です。

「故障の原因は判らないなー。症状が出るまで乗ってたら?タダで直すからさ。」

うーむ、電車賃分は使ったし、夕方のラッシュからは逃れたいし、とりあえず帰ろう。



ブレーキのタッチを確かめながら、帰ります。天下の4号線、片側3車線の一番右側、
追い越し車線を走って加速した、その時でした。
エンジンが失火。
これはヤバイです。路肩に寄せられません。惰性で路肩に寄せれる様、流れを縫うように
滑走します。かろうじてウインカーが点くので助かりました。最後は降りて手で押して、
ようやく駐車。お約束で、つま先がリアタイヤに轢かれ、2、3回痛い思いをします。

俺様 「こ、こ、怖えー。」

相当冷や汗をかきました。同時に、手で押せる軽いクルマで助かりました。
チャップマンに感謝して、トボトボとプロオートに徒歩で向かいます。30分後、

俺様 「今、止まったよ!今すぐ直してくれ!」

とプロオートに着くなり叫びました。しばらくして、ようやく原因が発覚。それはフルトラの
断線でした。触れないほど熱くなったフルトラには「HEVY DUTY」と書かれて
バーキンは大嘘付きだと思いました。

(今でも思いますが、バーキンは、非常にレベルの高い仕上がりの中に、これは酒でも飲みながら
組んだのじゃないか?
と首をかしげる雑な造りが多々あります。コストのしがらみのせいでしょうか?)

結局、中古の純正フルトラと交換。帰宅の途についたのです。帰りに見た
仙台の花火大会がきれいだったなー。今ではイイ思い出です。
その時交換した中古フルトラは現在、B−SEVEN’Sの会員仲間が使ってます。
日頃の行いの良い方だと、案外壊れない様ですね。