ナビの北海道旅行記1986 パート2


8月3日(日曜日)
誰かのいびきで目が覚めた。時間にして7時くらいだろうか?でもほとんどの人は起きていた。ってことはよっぽど疲れていたわけね!顔を洗って朝食代わりにパンを買って食べ、ボーっとしていると昨日自分のバイクの隣に止めたS君がやってきた。朝の挨拶をしながら各自の自己紹介をする。何でも彼は富良野の出身でバイクで里帰りをするとのこと。自分は初めて北海道をツーリングするけど道東を目標にしている位は特に考えていないと話した。絶対行った方がいいよ!ってことで納沙布岬と知床と阿寒湖などを教えてもらった。一応行く前に地図で確認はしていたんだけど、地元の人にいわれると何故か納得する。

途中日高まで一緒に走りませんか?と言われ即答。心強かった。
13時30頃バイクの格納されている場所に行き荷造りをして出発を待つ。すご〜く緊張する。船員の誘導に従ってブースを走っていくと昨日入った船のゲートがポッカリ口を開けている。この先は間違いなく自分の走る北海道がある。ゴトン、ゴトンと滑り止めを超えてコンクリートの岸壁に乗り上げた。来たぜ〜北海道!
S君の勧めで帰りのチケットを確保しておいた方がいい。と言うことで受付で手続きをしておく。
そしてルートの選定。メインはS君の予定コースで走ることに。

先頭のS君のGSX250FWに付いていくけど、景色がすご〜い事になっている。と言うかな〜にも無いだだっぴろい道を走っている。こんなの経験がないなあ!
少なくとも日高までは彼に追従すればいいわけで地図を見ることも無く快適に走れた。でもさすがに彼は道を知っている。

途中何故か彼がY字路を右に。そこは砂利道だった。と何で?ってことで自分はアスファルトの道を左に。アレ?ってことで自分がS君の方を見るとS君が消えた。Uターンして砂利道に向かうとS君が転倒していた。「てっきり自分の後に付いて来ると思ってたのに真っ直ぐ行っちゃったんでブレーキかけたら前輪がロックして転倒しちゃった」とのこと。
ゴメンナサ〜イ!!そこまで気を使ってくれたんだ。怪我は低速だったからないみたいだけど、バイクのカバーが破損しちゃった。でも彼は大丈夫です!って。すごく申し訳ないような気がした。

日高町の交差点で彼は富良野に自分は帯広方面に向かうので、ここでお別れ。住所とか聞いておけばよかった。すご〜くお世話になりました。(ちなみに日高町の交差点とは現在のR237とR274の交差点でカドにセイコーマートのある所です。当時は夕張までの道は開通していなくて樹海ロードなどもありませんでした。
さて今日の宿を探そう。多分帯広くらいまでだなと判断して帯広ユースホステルに電話。空きがあるとのことで予約。
さてあと100km位だ。アスファルト舗装はされているけどチョッと頼りないボコボコの道で日勝道路を走る。

完璧ソロツーリングだ。そういえばさっきから気になっている事がある。対向バイクが片手をあげて通り過ぎるんだよね!みんなやってるから自分も真似しよう。(これがピースサインだってことを初めて知った

夕方5時前に帯広ユースに到着。ビルのような建物で意外と立派だ。受付を済まして5階に行く。でも今時階段かよ〜!疲れるなあ!ベットに荷物を置いて粗食の夕食を食べて、また自分の与えられたスペースに入る。ミーティングがあるとの事でペアレントにさそわれたけど自分はシカト。値段が安いだけでユースを利用しているだけでミーティングなんて参加する意思は全く無い。体調不良ってウソついて明日の予定を考える。明日は根室に行こう。
そう思って就寝。
8月4日(月曜日)
周りの宿泊者の喧騒で起床。洗面を済ましてから朝食。一度に100名位が食べられるであろう食堂は意外と大きい。食べ終わるとヘルパーがユース恒例の朝の挨拶をするから全員外に出て下さい〜!ってんで何があるのか分からず外へ出る。するとユースのそばを走る根室本線の列車が通過するのに合わせてその列車に向かって大声で「いってらっしゃ〜い!」だって。馬鹿じゃね〜の?そう思ったのは自分だけだろうか?

こんなところは早々に退散しよう。(帯広ユースホステルは帯広駅よりやや釧路よりでR236の踏み切りのそばにあった。現在はそこにユースの存在もないし踏み切りも立体交差されていて当時の面影はありません。

天気はちょっと悪くなってきた。雨こそ降っていないがドンヨリとした雲が昨日の天気と明らかに違っていた。
R236を広尾方面に進む。距離感がつかめない。大きな橋を渡ると愛国なる地名が出てきた。この近くに愛国駅があるはず。ってことで国道から離れて集落の中に。ありました。写真で見た駅が。
駅前にバイクを止めて構内の見学。と言っても小さな駅だし、ホームを見ても引込み線が数本あるだけの駅でしかなかった。でも鉄道マニアだった自分はじっくり見ていくことにしよう。1日に列車は8本しか来ない。それに1時間以上列車は来ない。
それより観光客と思われる人が10人位いた。もっとも自分もその一人ではあるんだけど。できることなら列車が来るのを待っていたかったけど、今日は根室に行かなければならないから、入場券と切符だけ購入して出発することにしよう。駅前はかなり広くロータリーのようなイメージ。ここからバスでも走っているんだろうか?次は幸福駅に行こう。
R236で走ること20分くらい。小さな看板を見つけてT字路を左折。比較的離れていてもその存在は見えた。踏切を渡って商店前を左折すると幸福駅があった。でも何でこんな所が幸福駅なんだろうか?駅前も寂れているし、ホームも板を並べただけの停車場って感じ。物置と勘違いしそうな駅舎の中で委託されたのかおばちゃんが切符を販売していた。
それと驚いたのは駅舎のあらゆる所で名刺や定期券が貼ってある。多分ここに来たんだぞ!って言う意味で貼っていくんだろうな!ならば俺も!って事で偶然持ち合わせた名刺と使用済みの定期券をそれぞれ貼り付けてみた。
列車は相変わらず来そうもない。と言うか時刻表を見るとまだ1時間は来ないみたい。今日は根室に行かなきゃならないから、残念だけどあきらめるしかないか!出来ればホームに横付けされた列車のシーンを撮影したかった。

ちょうど駅の公衆電話で今日予定している根室ユースに電話してみる。空きがあるようで予約ができた。
昨日帯広ユースで日立のCMに使われた「この〜木何の木 気になる木」って言う大きい木が帯広郊外にあるって聞いたので行って見よう。
R236を戻りつつ地元の人に場所を聞いてみたけど、誰も知らないらしい。市内まで走ったのに結局誰も知らない。もしかしてガセか?仕方がないこれも諦めよう。(実際は豊頃町にあるハルニレの木のこと。幸福駅当たりだと50kmくらい離れていて方面も違うので知るはずも無い。もちろん日立のCMに登場したこともありません。メジャーではなかったようです。完全に嘘話に乗ってしまいました

比較的ハイペースでR38を釧路方面に。やがて右側に海が見えてきた。曇り空だから海も黒々としている。ちょっとしたアクシデントを経験し釧路市内に入ると、おや〜!イトーヨーカ堂がある。久々地元で見るのと同じハトのマーク。そうだ少し寒くなったからセーターでも買うか!ってことで店内へ!何でだろう?買い物しちゃった。
簡単に昼食も摂って向かうは根室。案内板の指示通りに走る。

ちょっと体がだるくなってきたのでドライブインで休憩する。コーヒーを飲んでいるとGSXR750のライダーがやってきて「何処からきたの〜?」って話しかけられた。「埼玉です!」「俺は名古屋からだよ!」「ソロツーなんだ?」「俺もだよ!」ってミョ〜に気軽に話してくれる。日高で別れたS君以来かな?「何処までいくの?」と言われ「根室まで」って答えると、「俺は標津に行くんだ。そうだこの先霧多布に行くんだけど一緒にいかない?」と言われ即答。でも排気量500ccの差はいかんともしがたい。お手柔らかに!って事でGSXR750の彼を先頭に追従する。

30分位走った頃だろうか?左側に赤色のバイクが止まっている。750の彼が停止して、どうしたの?って声をかけた。道の選定をしていたらしい。彼も根室に行くみたい。750の彼が一緒に霧多布に行こうと誘うと彼も承諾。3台で行くことに、、、、でもチョッと待ってヨ!赤いバイクってVFR400 じゃん。俺のGPZ250で耐えられるだろうか?答えはすぐに出た。ユックリ行きましょう!って言っておきながら750と400の2台のバイクは限りなく点になっていくじゃん。これだから750はイヤなんだよな!とボヤキながらも要所要所で止まってくれる。実際良い人たちだ。霧多布は霧に覆われて殆ど見ることができない。途中、霧多布里と言う宿に寄らせてもらって写真を撮る。

そのまま風連湖まで進む。3人で記念撮影。そしてGSXR750の彼は北上していった。サヨナラ!!残るVFR400の彼と根室市外へ自分はユースに泊まる。彼はホテルに泊まるらしい。駅付近で無事故を誓いつつ別れた。時間にして5時過ぎ。これから納沙布岬に行くとかなり戻るのが遅くなるので、明日にしよう。
ユースに到着して荷物をベットに置く。夕食は用意してないので町に行ってほしいっていわれたので、歩いて市内に。変なユースだね。でも地元の郷土料理も食べてみたい。ちょうど駅前の土産店で花咲カニを茹でているところに遭遇。自分だけいい思いをしちゃ申し訳ないので家にカニを送ることにした。そして居酒風のお店で酒とカニ釜飯を食べる。旨い!!

ほろ酔い気分でユースに戻ってベットに入ると、ミーティングだって!またかよお!適当な理由をつけてみたが、強制らしく結局参加する羽目に。「どびん、ちゃびん、はげちゃびん」ゲームなんて低俗なゲームに付き合うこと2時間。馬鹿らしくなってきた。やっと開放され就寝することに。
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