ナビの北海道旅行記2004 パート2
7月19日
タイマーで目覚めたんだけど、あまり寝起きがよくない。別に二日酔いでもないんだけど。シャワーを浴びて覚醒を促す。

「けっこう寝たと思ったんだけど、何だか睡眠不足かな?」7時過ぎ朝食を摂りにレストランへ行く。和商市場も考えたんだけど、ノーマルな食事にしておいた。食後部屋に戻って、中標津のトヨタレンタカーに電話を入れる。明日はドライブをするので、今日の夕方から借りるつもりだ。荷物をまとめてホテルを出発することにしよう。

「今日もよ〜く晴れている。」こんなツーリングならば楽しい限りだ。昨日コンビニで市内地図を買ったので見てみる。普通旅行でガイドブックは買う事はあっても市内地図なんて買う事はまずない。実は今回 「太平洋石炭販売輸送」という臨海鉄道を見てみたかったからだ。これは釧路市内ではなく海岸線に沿って施設されている貨物鉄道で旅客は扱っていない。それに臨海鉄道なのにJRと接続していないめずらしい鉄道。近年太平洋炭鉱が閉鎖になるとか、ならないとかの話を聞いたので是非見てみたかった。

知人町にある知人駅は許可がなくては立ち入れないようなので、取材じゃないから迷惑なので遠慮しておいた。
まずは春採湖のそばを通って、高台に炭鉱記念館があったので、入館してみる。

「ありゃりゃ?誰もいないんですけど、、、」どうやら募金みたいに入館料をいれるみたいなので記載してある200円を投入して勝手に入る。炭鉱の歴史などをパネルやジオラマで説明してある。階段を降りて地下に入ると炭鉱のイメージのセットが展示されている。誰もいないし、見たこともない大きな重機がド〜ンと鎮座していて、ちょっと怖い。

「こんなんで突然電源やエンジンがかかったらビビルだろうな。」こんな抗口が太平洋の海底に長く続いているなんて考えられないな。閉鎖なのかと思ったら一部稼動していてコールマインとしての研修が主目的とのこと。だから以前ほどの採掘量はないけど僅かながらに動いているみたい。
そして太平洋石炭販売輸送の春採駅に向かう。

「もしかしたら、ここも立ち入り禁止かな?」市内地図で場所を確認しながら駅に到着。

「地図買っといて良かった。絶対場所判らないよ!」ここは駅前が一般道の踏み切りになっていて、許可を得なくても道路から見ることができる。休憩していると、ヘルメットをかぶった作業員風の方が線路を歩いていったので、もしや?と思うと運転台に乗り込んだ。エンジンをかけ動き出す。

「おぉ〜〜!機関車が動いているっす!」これって偶然かな?地図にも休止中と書かれていた鉄道が、目の前で動いている。そして踏み切りを通過していった。機関車はD801となっているけれども、これは旧国鉄のDD13かな?かなりの貨車を牽引していって後ろも機関車が連結されていた。でもプッシュプル(補機駆動)ではなさそう。まさか目の前で機関車が動くなんて考えていなかったので感動した。採掘量が少なくても知人駅まで運行はしているんだろうな。こんなんで はしゃいでいたら連れにはドン引きされるだろうな、、あまり時間を取っても今後に差し控えるので出発するか。
春採駅のそばに春採湖がある。ほとんど市街地にある比較的大きな湖だ。近くに春採公園があって、遊歩道も整備され市民の憩いの場所になっている。内部に市立博物館や青少年科学館がある。今回のツーリングでは博物館の見学は考えていなかったのでパスする。でも市街地にあるためか、最近開発が進んだからだろうか湖の汚れがひどくなってきたようだ。
出来るだけ自然に寄与する方法を望みたいと思う。

さてと、そろそろ内部に向かう事にしよう。その前にガス補給をするために一旦釧路市内に向かう。ホクレンのグリーンのフラッグが欲しかったからだ。市内に入るとそこそこ混みあう。平日なのになあ!時間はまだ10時を過ぎたくらいだ。

「よかった!帯広に泊まらなくて。」でないと、今釧路に到着したくらいの時間になったいたはずだよね。
国道391号線に入って釧網本線と並走する。以前寄ったことのある南蛮亭を通過。そのまま細岡展望台に向かおう。
看板に沿ってアプローチを進む。しばらく舗装路の立派な道路を走る。やがて右側に達古武沼が現われる。沼といってもかなり大きい。沼と湖との違いは何なんだろうか?釧網本線の踏切を渡るとダートになるけど、ロードスポーツのバイクでも問題なく走ることができる。

バイクを止めて展望台に向かう。そこそこ観光客がいた。でも観光バスがいなくてよかった!

「じゃないとザワザワうるさくて!」ここは真冬に連れと来た事あったけど夏の緑の湿原も綺麗だな。俺的には一番好きな展望台だ。
バイクで移動して少し上流を見てみることにしよう。釧路川はその自然を満喫できるために、いろいろなアトラクションが用意されている。

たまたま休憩していたらカヤックを漕いでいるグループがいた。

「家族連れだったら楽しいだろうな!」この釧路川は湿原を通ると新釧路川となって太平洋に流れている。この先には岩保木水門があって市内を流れる釧路川には繋がっていないなんて知らなかった。できれば、この先の水門にも行きたかったけど、ロードスポーツバイクではダートが不安。もしも前輪が潜ってしまったら200kgはある車体は脱出出来ないかもしれない。で、素直に諦めた。
この先塘路駅で休憩する。

「んん?あ!ノロッコ号が停車してるじゃん。」実際見たのは初めてだ。間もなく発車とのこと。駅前には駐車場も完備していて釧路往復の客もいるみたい。列車は5両編成で最後尾が自由席。でも展望がいいのは指定席の方がいいみたいだね。発車前に車内に立ち入らせて写真を撮った。(入場券売ってないんだもん!)

家族連れが多いな。陽射しもいいし、

「今日は湿原展望には最高なロケーションでしょうな!」やがて発車。俺みたいに見送りする人もそこそこいた。列車はオハテフ50だって。ちょっと考えちゃったけど、、、そうかこの列車はオハ50系(快速海峡号などに使用された客車)ベースの客車で展望車両で車掌室付の車体なんだ。なるほど!鉄ヲタには判る!!。客車だからエンジン音もモーター音もなく静かに動き出した。最後尾のディーゼル機関車が推進運転で進むんだね。

「みなさ〜ん!行ってらっしゃ〜い!」
国道を挟んで塘路湖沿いに標茶町資料館がある。あまりメジャーではないけど標茶町の歴史や釧路監獄の資料を展示してある。入場料は無料で住所氏名だけ記入すればいい。

あまり展示物はなさそう。その中で俺の求めていたものは釧路監獄の資料だったんだけど、ほんの一角にあるだけで、展示数は少なかった。建物は概観は塗装をきれいに塗ってあるけど、内部は当時の建物そのもの。この建物は釧路監獄に実際使われたもので学校に使われていたものを、ここ塘路湖沿いに移築したとのこと。

「重圧感はあるね。てことは100年は経っているんだ。凄いね!」
このまま弟子屈をめざして走る。国道の峠を越えると辺りが開けて湖が見えてきた。シラルトロ沼だ。冬には白鳥の飛来地として有名らしいが夏は何もない。もっとも沼の反対側にはキャンプ場があって、賑わっているのかもしれないけど、、。標茶市街を通過して南弟子屈駅前を過ぎれば弟子屈までもう少し
1時過ぎ弟子屈市内に入った。昼食を摂ろう。以前から行きたかった所がある。

「そば処福住というおそば屋さん。」時間的に空いていてカウンターに陣取る。オーダーは大名弁当。出てきた弁当みてビックリ!

「なんじゃぁ〜こりゃ〜!」すんごい量。

冷たいおそばに、ご飯。それに刺身と天ぷら、フライやサラダまであって、でか〜いお椀に見立てたものに入っていた。俺でも食べるのに辛い。それも、みんな美味しいもんだから残したくないんで苦しくなった。

「なんとか制覇!あ〜食った食った!」って感じ。これで2500円だもん。リーズナブルだな。

「今度来た時は普通のそばにしようか!」ここはライダーの利用もいるみたい。一部車用のスペースをバイク用にしている。これは俺みたいなライダーは歓迎したい。店によっては煙たがられる店もあるから、、、。
R243で津別峠に向かおう。ここは昨年ガスっていて全く見えない経験がある。道道に入ると標高がだんだん高くなる。それにつれて寒くなってきた。

「まさか雨降らないよね!ヤダよ!」

駐車場にバイクを止めて展望台に行く。ガスほどではないけどモヤがかかっているみたい。でも今回は中島が見えるくらいの景色。ちょっと雲行きが怪しそう。

「少し休憩して胃袋も休ませてあげないと夕食が食べられそうにない。」

ここはとっても静かな場所。普通 屈斜路湖を展望するなら美幌峠が定番だけど、ここはアプローチになる道が狭いので観光バスも来ない。ややマイナーなところでもあるからかな?でも何ヶ所かある展望台の中で一番標高が高いので視界はいい。ただ

「俺のようにガスがかかると何〜も見えない事もあるですけど。」でも藻琴峠も捨てがたい。
同じ道を下って国道に戻る。ガソリンがもったいないのでエンジンを止め惰性で峠をくだる。車と違ってバイクはブレーキでも油圧ブースターなど使用しないから問題ない。

「と言っても、、5kmも走らなかったけど、、!」

和琴半島は今回パス。そして道道52号線で砂湯経由で川湯温泉に向かう。ここは冬に宿泊したことがあるけど、今回は足湯にチャレンジしたかった。バイクを止め、タオル持参で足湯チャレンジ。最初は熱く感じたけど源泉から離れれば適度な温度。

「あ〜気持ちいいっす!」天気が心配だったので空を見上げると青空が出てきた。

「よかった〜!しばしノンビリしよう!!」今回はいたるところでユックリしているな。これって最高のツーリングかもしれない。

「やっぱり釧路スタートは正解だったね!」おばちゃんと少し話をする。腕が焼けているので気になったらしい。

「何であなたの腕は焼けているのに、手の甲は白いままなの?」って

「あ!俺バイクなんスョ!半そでシャツで走っていても手はグローブをしているから、手の甲は焼けないんスョ!」って話をすると理解してくれた。
あんまり気持ち良くて 何だか眠くなってくるような気持ち。そろそろ出発せねば。
膝より下がフニャフニャになっちゃた。でもギヤチェンジが楽になるかな?この先硫黄山はパス。弟子屈に戻ろう。あえて摩周湖も行くまでもない。しばらく南下するとピンクのノボリが出ていて渡辺体験牧場って書いてあった。何だろう?

「お〜っと行き過ぎ。」Uターンして戻る。ノボリに沿って走ると牧場が見えてきた。駐車場にバイクを止めて内部に入る。

おばあちゃん(失礼!)が牛乳を勧めてくれるんだけど、福住で食いすぎて何も食べたく、飲みたくない。で胃袋を冷やそうとアイスを頼もうとしたけど、お茶にしちゃった。

「あ〜食いすぎて残念。」ここは体験牧場っていうだけあって、搾乳や餌やりなどの体験がその場でできる。もちろん作業着に着替える必要もないから、気軽に体験できるのが魅力。

土産で一つ気になったのがあった。運を呼ぶ社長の似顔絵タオル

「何だ?これは?」って思ったんだけど、レジ近くにすんごく似た顔の人が登場。

「もしかして社長さんですか?」って聞いたら、そのタオルの似顔絵の方だった。思わず買っちゃった。俺ってこういうギャグ調のアイテムって大好き。で、餌やりをお願いすると快く対応してくれた。そう

「焼肉屋で何気に食べてるタンを触ってみたい。」そんな単純な発想からでたものだ。牛舎に行って奥さんからゴム手袋を借り餌をやる。牛さんは下の歯はあるけど上の歯はないので噛まれることはないとのこと。もしかして、その為に胃袋が4個もあるのかな?最初は俺でさえビビリながら餌を与えていたけど、何だか牛さんがかわいく思えてきた。それに餌をあげるヤツは誰なのかを知ってるみたいで首を出して欲しがっている姿がユーモラス。

生温かい牛タンを触らせていただいた。感触悪くなさそう。戻ってビニールに「生の牛タンでけ〜」って書かせていただいた。時間も16時前になってしまっている。これから中標津空港のレンタカーまで行かなければならない。それも予約は17時位っていってあるので、ここで失礼することにする。バイクで出発すると社長さんが手を振って見送っていただいた。

「ここはすご〜くアットホームな体験牧場だなあ!」中には営利主義に傾き観光客を狙い撃ちうする店もあるけど、こちらは見て触って体験できる素晴らしい牧場だと思った。いつの日か寄れたら搾乳体験もしてみたい!

弟子屈から中標津に向かう。何と言っても北海道。距離はある。60Kmはあるのでかなりのハイペースで進む。何とか17時過ぎトヨタレンタカー中標津営業所に到着。昨年も利用したんだけど、受付の女性が

「昨年もご利用されましたよね?」って聞いてくれた。

「そうですぅ!覚えていてくれたんスか!」そう、昨年は台風通過の前日で大雨だった。もし暴風雨だったらと思い借りたんだけど、その時の楽しさを覚えちゃったんだよね。

今年は建物の後ろにバイクを預けてビッツに乗り換えてモシリバに向かう。あ〜楽だ!何だか睡魔が襲ってきそう。まだ明るいので、さっそく川北温泉に向かう。何度もチャンスがありながら通行止めなんていうトラブルに遭って行った事がない。が、今回も落盤により通行止めだって!

「シャレにならん。いつになったら俺は川北温泉に行けるんだろう。仕方ないのでUターン。モシリバには18時過ぎに到着。オーナーの中村さんが出迎えてくれた。

「明日は薫別温泉に行くつもりなので個室に出来ないかな?」って話すと 

「ごめんなさいね!さっき飛び込み客の電話があって、急きょ相部屋になってしまったの!」とのこと。目覚ましのアラームで迷惑をかけなければいいけど!

先に部屋に入ったので、相部屋の人の分も布団を敷いて風呂に入る。

「足を伸ばせて楽〜!あ〜気持ちいい。」
今日の宿泊は大阪から来た家族連れの山口さん、同室になった千葉の片平さんと神戸から来た青地さん。それと名古屋からソロツーの谷口さんの8人だ。けっこう今日の宿泊は多い方だな!そこそこ北海道に来ている俺なので皆さんにアドバイスをしてあげたけど役にたったでしょうか?ちょっと酔っ払ったのでみなさんゴメンナサイ!明日は薫別温泉に行くと話すと山口さんが同行してくれるとの事。やっぱり一人では心細い。時間も遅くなったので明日6時に出発すると話して床に入るzzzzzzzzz!
7月20日
朝6時前携帯電話のアラームをセットしておいたので目覚める。片平さんも起きてしまったみたい。

「スイマセン。寝ててください。」って部屋を出る。山口さんは2階で休んでいるので階段を登ると待っていてくれた。早速車に乗り出発。途中の自動販売機で缶コーヒーを飲みモーニングコーヒーにあてる。

「昨年 温泉には来たんだけど何故か場所に自信がない?」でもやっとダートに突入。そこでモシリバにバケツを置き忘れてきたことを思い出した。

「ヤバイな!熱くなければいいけど、、、。」ダートで場所に迷う。

「もうダメだな!引き返すか!」って思ったんだけど、最後に通行止めの道があるので歩いていくことにする。記憶の限りで急坂で右にカーブして橋があったら正しいはずだ。歩く事7分ほど。

ここで間違いない。山口さんは崖を下っていった。確かロープがあって、それを伝っていけばいいはず。あ!あった。ここだ。ソロリソロリとロープを握りながら降りていく。と、俺がいけなかったんだけど、草の上に足をのせてしまったみたい、、、ズルっと崖下に落ちてしまった(ちょっとオーバーだけど)さすがに身の危険を覚えた。このロープを離したら大怪我する。こんな時、人間て力が出るんだね。何とか這い上がって温泉にたどり着いた。でも何でだろう。スエットに財布を入れていたみたいで、財布が落ちてしまった。さすがに山口さんに協力をお願いして見つけていただいた。(あの時は大変お世話になりました。この場をもって再度お礼いたします。有難うございました。)
裸になるも温泉はすんごく熱い。バケツを持ってこなかったことを後悔した。他にも温泉が湧いているところがあるんだけど、何処も熱い。Tシャツを濡らして投げ入れるも焼け石に水。足入れても0.5秒しか入れない(足のつま先だけ)

「まあ、来たよ!」って足跡だけ残して帰路についた。残念。(左は薫別温泉の写真です。デジカメを忘れてしまい同行していただいた山口様から提供いただきました。有難うございました)

朝食前シャワーを浴びさせてもらって、スエットを洗濯する。今日は相部屋ではないらしいので部屋で衣類を乾かそう。朝食を摂りまったりする。皆さんは今日各々出発だけど、俺は連泊だからユックリできる。青地さんが、今度は行く番。バケツは必須アイテムですよって山口さんが教えてあげたみたい。確かにあんなに熱いとは思っていなかった。皆さんを見送って俺も出発する。今日は知床大橋方面に行こうと考えている。

ビッツで出発。まずは沼ノ沢林道を走る。フラットなダートだけど、ロードスポーツバイクでは絶対走りたくない。この道を行くと さっきの薫別温泉のそばに行けるはずだ。何度か分岐があったけどワダチの多いほうを本線として考え走る。

「こんな所でエンジントラブルがあったらシャレにならないな。」しばらく走ってさっきの道路に出た。

「やっぱりね!ではこのまま走ろう。」カーナビがレンタカーには搭載されているけれども、道じゃない所を走っているみたい。

「これって あと何キロ走るんだろうか?」ダートを走っていたら対向のバイクが見えてきた。

「あれ?CB400SFじゃん。よくも こんなダート走ってきたもんだ。」窓から手を出して停止を促す。何だよ!って思ったかな?

「薫別温泉いくの?バケツ持ってる?熱くてシャレにならないよ!」って教えてあげた。また道案内をしてあげた。あの通行止めの看板見たら誰でも騙されるもんね。

やっとこ金山で国道244号線に戻れた。これって神経使ったみたい。かなり疲れた。このまま斜里に向かう。今日も天気がいいなあ!あたたかくて睡魔が襲ってきた。午前中なのに。さすがに事故起こしちゃまずいから、駐車場に入って1時間弱眠った。
この睡眠が効いたのかやっと元気がでた。
斜里市内には入らずショートカットしてウナベツから知床方面に入る予定だ。ここの道道はどこまでも、なだらかな畑が続いている。

「この白い花はジャガイモの花かな?」道を挟んで反対側には麦の畑が続いている。やっぱり北海道なんだな!って感じさせられる風景だね。さすがに車を止めて写真を撮りまくった。でも車が走っていない。かなりマイナーな場所なのかな?もっとも観光地じゃないけど。

この先のオシンコシンの滝で休憩しよう。
ここは観光バスの定番と呼べる場所。もちろん個人の観光客も多い。それは国道に面しているので、誰にでもわかるからかもしれない。俺も夏はもちろん冬も来たことがある。

「ダイナミックさを見たいなら夏。神秘的さを求めるなら冬がいいかな?」
でも今回訪れた理由は他にある。以前来たときに写真を撮影したけど、滝の上にあるガードレールが邪魔で気になった事。

「ガードレールがあるんだから、そこは道のはず!ならば行ってみよう。」ってことに、、、。雰囲気で山道らしき道路を発見。そのまま進入してみる。
なるほど、これは国道の旧道だったんだ。頂上から見るオシンコシンの滝も雄大で迫力がある。いまではトンネルで抜けてしまう国道も、

「以前はかなりのカーブを数えていたんだね!」今となっては展望台もないし、人の訪れもない。滝の音だけが聞こえる場所だった。これも隠れた場所かもしれない。俺のお勧めポイントかな?

でもメジャーな方も行ってみよう。自動販売機でお茶を買い、イモ団子を買う。

「んん、旨いっす。」何というか素朴な味が好きだな。Tさんと伊藤さんにメールを送る。伊藤さんは今日は宗谷岬の方面に向かっているだろうか?こっちはよ〜く晴れているのに、向こうは曇りらしい。北海道の大きさを思い知らされる。さ〜て出発しよう。
ウトロ市内でお昼になった。定番じゃないけどボンズホームに行く。ここのカレーライスは何度食べても飽きない。

奥にシベリアンハスキーの「そら」が寝ている。っていうか、暑くてグッタリしているって方が正解かな?一番涼しい所で動かない!何とかお手とかやってみたけど完全にシカト。マスターも

「ここんところ暑いから辛いみたいだよ!」って教えてくれた。なるほど、、、そのまま写真を撮っていくことにしよう。お腹も満たしたし、行くとするか。
知床ネイチャーセンター脇の分岐で道道に入り知床五湖に向かう。ここは18年前に行ったんだけど

「ほとんど当時の記憶がありましぇん!!」ただ熊さんに出会うんじゃないかとビビッタ事だけは覚えている。駐車場で駐車料金を払って車を止める。止まった車の殆どがレンタカー。凄いね。こんなにいるんだ。

遊歩道入口で係官に五湖散策の諸注意を受ける。現在はヒグマの出没によって一湖しか見学が出来ないとの事。また遊歩道には電気柵があって
「それには触らないでください。触ってもビリってくるだけで人体には問題ないですが、
熊よけの電気柵でも十分防御できるものではありませんから、注意してくださいね!」
って言われた。
知床は熊を駆除するのではなく共存をめざしているので、こんな設備になるのか。

「これは、これで評価できるな。」だって、タチの悪いのは人間の方だもん。俺が見てても

「お前らバカか?」ってヤツいるからね。そんな連中こそ熊さんの餌になってもいいんじゃない?って思う時あるけど、そうも言ってられないか、、、。そうなったら熊が悪者になってしまうもんね。結局見学しても一湖の往復なので簡単に30分で終わってしまった。
この先カムイワッカに向かう。最初はマジで

「入浴しようか」と思っていたんだけど、朝の薫別温泉で足を少し切ってしまったので、目の前だけど諦めた。

ここは今日強酸性の温泉でキズがあると痛いって聞いていたからだ。俺は川の下に行って、10円玉を川の中に沈めた。10分くらいで10円玉の色が変わっていく。そう、酸によって表面がゆっくり溶けていくみたい。

「へぇ〜すんごいねえ!」かなり新品みたいな色になってしまった。これって凄いね。
そういえば、川の水なんだけど、ぬるい。滝からはかなりの距離を流れているんだけど、て事は滝の温度は結構熱いのかな?ちょっと水を口に含んでみる。

「うわ〜!スッパイ!なんだかお酢を口に入れたみたい。」これじゃ怪我をしてたら行くのはやめた方がいいね。

「よかった〜!多分途中で泣きをみて 引き返してきてたかもしれない。」
この先、終点の知床大橋に向かう。以前から気になっていたのが、この知床大橋の存在。

「これって何のためにあるのかな?観光地でもないと思うんだけど。」(と、言いつつここまで来た俺はなんだろう?)橋そのものは車が入る事はできない。でも歩いて散策することはできる。車を置いて橋を歩く。すご〜く高い橋。欄干から身を出すと吸い込まれそうなくらい低い谷が広がっている。

「めっちゃ怖いっす!」で、橋の先はどうなっているのかな?ってさらに歩くと、すぐゲートがあって立ち入り禁止になっていた。この先関係者しか行けないみたい。
でも、ゲートに「キャンプは危険です。」と赤いマーカーで書いてあった。

「ふ〜ん!やっぱり おバカちゃんはいるんだろうね!」俺もこの静かさには熊のテリトリーだなって感じる。それでも行こうとする学習能力の無いヤツがいるから看板があるんだろうな。呆れるとしか言い切れない。

さてと引き返して橋に戻ろう。かなり高いところにある橋だから視界はいい。ユックリ目を細めて熊さんの存在を見つけてみたけど、何処にもそれらしき存在は見られなかった。ここは完全にヒグマのエリアだから、

「どこかで寝ている?熊さんがいないかな?」って期待していたんだけど。
引き返して岩尾別温泉に向かう。んん?道路にキタキツネが俺を待っているみたい。俺スノーキタキツネって名前だけど、

「お前と一緒じゃないよ!」(ウソウソ)完全に観光キツネだな。

「お前は、車から餌をもらう事を覚えたら年越せないで死ぬぞ!」ってシッシ!って追っ払った。可哀相に思えるけど、これが最良の策。人間って怖いヤツだ!って理解させないと、厳冬の知床で生きて行く事はまず出来ない。狩をしなくなったキツネには死が待っているから、、、。
今度はエゾシカが草を食べていた。小さいからもしかしたら子供かな?そばにシッカリ親がいた。今は何処でもご馳走があるけど真冬は草がない。

「しっかり食べて年を越えて生きていけよ〜!」って心の中で話しかけた。実際越冬できるシカも少ないらしい。もっともシカの分布が多くなって食べ物が少なく餓死するのが多いらしい。可哀そうに思えるけど、、ある意味

「これが自然淘汰なのかな?」冬は灰色の冬毛に被われるけど、夏の毛はカワイイなあ!
岩尾別温泉に到着。ここには三段の湯と滝見の湯がある。ホテル地の涯さんの好意で湯を流してくれている。三段の湯は何人かの先客がいたのでパスする。そこそこ広めの湯船が段々畑のように三段になっていて、上からお湯が下に流れ出て行くようになっている。

「ここだったら、ぜったい気持ちいいだろうなぁ〜〜でもみんなの前でフルチンなんですけど、、、」

三段の湯は一番下の湯が俺好みの湯温。でも他の人は一番上の熱い湯船に入っていた。今日ウトロに泊まるならば、ここもジックリ入浴したいところだけど、時間が惜しい。そろそろ中標津に戻らなくては。
そんなんで今回は滝見の湯に入浴した。ちょっと熱めだけど、そばの水を使うまでも無い。さっきまでおばちゃんが入浴していたから適温なのかな?(混浴だけど、一緒じゃなかった!残念!何のこっちゃ?)

「ちょっと湯船は小さいけど、、、でも気持ちいい。」でも滝見って言うけど、滝はそばにあるのにぜんぜん見えない。湯船が低いからだ。仕方がないか!
出発が遅かったからか、ユックリしすぎたからだろうか?知床ネイチャーセンターに寄ろうと思ったら、そんな時間はなくなっていた。時間も15時40ほど。ここから斜里を抜ければ近いんだけど、ついで?に知床峠を制覇しよう。

「何だか前方の雲が怪しい。まさかねぇ?」それに羅臼岳らしき山が見えない。そのまま峠に向かうと、霧雨から本物の雨になっていった。

「やっぱり俺にとって知床峠は鬼門なんだろうか?」まともに晴れたことがないもん。それにさっきまで晴れていたし。オシンコシンの滝では暑かったのに!

「これも折角だから峠のオブジェとして撮影しておこう。」かなりの雨で、レンズに水滴が付いちゃった。

「ヤバイ。昨年みたいにカメラが壊れちゃかなわん。」峠で16時になってしまった。あと1時間で中標津に行けるんだろうか?とにかくかっ飛ばして海岸線を走っていく。偶然にも車が前方に走っていないので速度も上がる。羅臼峠を通り、モシリバの脇をかすめて、川北経由で17時過ぎ何とか、中標津のトヨタレンタカーに到着。ここから合羽を着てバイクでモシリバに戻る。

「よかった〜合羽を持って来ていて。」できれば使いたくなかったんだけどね。で、18時過ぎモシリバに到着。個室だと思っていた俺の部屋は相部屋になっていた。

「へ?何で」実は今日も直接泊まれますか?って来た人がいて、俺の部屋が空いているんで、通されたとの事。

「ありゃりゃ!洗濯物はそのまま、布団は出しっぱなし。みっともないな!」でも中村さんが片付けてくれたので助かった。その、突然来た彼氏は仙台から来たライダーの藤田さん。彼としばし話をする。もう俺は何回北海道来ているかわからないって話していたらビックリしていた。で、風呂に入ってノンビリさせてもらう。風呂から上がると何だか疲れてきた。何だか眠りたい。

夕食の準備が整ったので食堂に行く。昨日の焼酎が残っているんだけど飲みたくない。珍しくご飯を食べて、部屋で少し休ませてもらおうと、20時頃布団に入ったらいつの間にか寝てしまったみたい。zzzzz!
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