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恩は 石に刻むべし    
怨みは 水に流すべし

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15−2

2012 秋彼岸会 法話HEADLINE

生活の中の仏法





                       ☆当日の様子(一部抜粋)


 彼岸とは、こちら側の世界(現在私たちが生きている世界)に対する
向こう側の岸
つまり、極楽浄土を意味します。
私たちは、幸せな世界・理想の世界である極楽浄土に行きたいと望みます。
そして、そのためには、「六波羅蜜」の修行をし、煩悩を消し去らなければならないと、
お釈迦様は説いておられます。

 六波羅蜜とは、布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧、の6つの修行の事です。
  
1、布施(ふせ)…人に施しをして、報いを求めないこと
  2、持戒(じかい)…仏さまが定めた約束を守ること
  3、忍辱(にんにく)…人生の苦難を耐え忍ぶこと。怒りを捨てること
  4、精進(しょうじん)…努力し続けること
  5、禅定(ぜんじょう)…集中して、心を安定させること
  6、
智慧(ちえ)…愚痴の心をなくし、迷いを絶ち、真理を悟ること

これらの修行をし、煩悩を断ち切ることができるのが一番ですが、
やってみると難しくて、なかなかできないものです。
浄土宗では、法然上人が、この六波羅蜜の修行ができない無力な私たちでも
極楽に行ける道を示してくださいました。
それが、“南無阿弥陀仏”とお念仏を申す道であります。
いつでも、誰でもできるこの道を、法然上人が教えて下さったのです。

  そもそも仏法とは、お寺にお参りの時だけ、お墓参りの時だけに触れるものではなく、
毎日の生活の中にあるものなのです。
例えば、「六波羅蜜」を、毎日の生活の中に生かすとして、
具体的にどのような生活を送れば極楽浄土へ往生できるのか。
これは、3つの事を意識して生活するということです。

  まず一つ目は、毎日の生活の中で、“やさしい目を持つ”ということです。
これは、相手の長所を見る、ということです。
私たちは、他人の欠点はよく目につきますが、自分の欠点には気が付かないものです。
しかし、それではみんなが幸せになることはできません。
相手の悪い所ばかりを眺めていては、自分もいい気がしませんね。
 “今日一日、人の長所とまじわらん”
みんな良い所を持つ人間なのですから、その良い所を眺めるようにしましょう。
それが、極楽へ行くための第一のポイントです。

二つ目のポイントは、“自分の顔を、やさしい顔にする”ということです。
それは、心の中に、やさしいモノを持つということです。
“思い内にあれば、すがた外に現る”
心の中にやさしいものを持つようにすれば、それが自然と外に出てきてやさしい顔になれるのです。
普段の生活の中で、お念仏をよく申すようにしていたら、
自然と優しい気持ちになり、
やさしい顔になれるのです。

  最後のポイントは、“やさしい言葉を使う”ということです。
人間は、自分の意思を相手に伝えるのに、言葉を使います。
その言葉をやさしくすることで、極楽に近づくことができるのです。
 “一つの言葉でけんかして 一つの言葉で仲直り
  一つの言葉でおじぎして 一つの言葉で泣かされた
  一つの言葉はそれぞれに 一つの心を持っている”
相手の気持ちになれば、言われたくないようなことも、つい言ってしまうのが私たちです。
やさしい言葉を使うようにすれば、極楽へ行ける道を辿っていけるのです。

 毎日の生活の中で、やさしい目を持つ・やさしい顔にする・やさしい言葉を使う
この3つを実践することが、極楽へ行く方法であり、
毎日の生活の中に仏法を生かすということであります。

 浄土宗の開祖、法然上人は、お父様の遺言である
“世の中の人みんなを救えるような人になれ”という言葉を実行するために、
修行を重ね、勉強し、
43歳の時に仏様のお慈悲と出会われました。
お経の中に、「南無阿弥陀仏と申せば、仏様は必ず救ってくださる」という一文を見つけ、
その道を広めるために浄土宗を作られたのです。

 皆様も、阿弥陀如来様に向かってお念仏を申し、極楽に行けるよう、精進してください。
一般の仏教では、極楽行きの道として、「六波羅蜜」を教えますが、
それをでき得ない私たちのために、特別な道であるお念仏の道を教えて下さったのが法然上人であります。

 毎日の生活の中に、しっかり仏法をしっかり取り入れ、お念仏を申し、
やさしい気持ちで生活できれば、仏様が極楽浄土へ導いて下さることでしょう。

                                      合 掌


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