回路図 部品表 |
以前、三菱のMOS-FET(RD16HHF1)を使用して、PA-30(15Wユニットを2合成)を作成しましたが、この時の課題として高次歪(5/7/9次歪)が思ったより落ち込まないアンプでした。今回も基本設計は知り合いのJA4DUXさんが行われたアンプですが、作成された各局さんの意見やコア/デバイスの変更等、色々実験した結果、最初はMRF-150で行っておりましたが、SD2931-11に変更することにより、IMDも低下しパワー利得も上がりました。今回はAB級エリアのバイアスで使用しております、供給電圧は出力パワーの設定にもよりますが、私は20W出力で必要とする最終パワーが得られますので70V駆動しておりますが、50Wまで意識すると安全をみて60V駆動が良いのでは、現状バンド間によるパワー利得の差があり3.5M/7Mバンドの使用のみとしております。HF-Hiバンドでの共通使用を色々検討してみましたが、Lowバンドへの性能犠牲なくして達成することは未だ出来ておりません。Hiバンド用はLowバンドとは別に専用ユニットとして検討が必要みたいです。今回3.5M/7M用のアンプですが作成した物を紹介します。 |
MAIN基板 部品面 ハンダ面 SUB_1基板 SUB_2基板 |
SUB_1基板/SUB_2基板は、知り合い局のJA4DKSさんにエッチングしていただき、綺麗にまとめる事が出来ました。 |
MAIN基板-Assy完 SUB_1Assy SUB2_Assy SUB2_Assy(パネル取り付け面) |
内部構造 |
24Vファンを中敷板に取り付け、底から空気を吸い上げ、放熱器へ吹き付け横から排出します。 | かなり余裕のある放熱器(全て銅)であるため、強力な風は必要ありません、電源は24V〜36V可変可能な3.5A電源を2台直列にし、48V〜72V設定が出来ます。 | 放熱器にMAINユニットとSUB_1ユニットを取り付けた状態です。 |
パワーゲインは、7MHzで150mW入力に対して20W出力となります。電力利得=21dB 3.5MHzでは7MHzより高い利得であるため、入力電力は同じ150mWで20W出力となるように、結合PAD=7.5dBとします。 7MHz=0.5dB、3.5MHz=7.5dB となるように切り替え、150mW入力で20W出力が得られるようにしています。 SUB_2基板で3.5MHz/7MHzのバンド切り替え(PAD切り替え)と、ファンの制御を行っております、放熱器に余裕があるため、強力な風は要しませんが、オペレートルームに設置するため、少しでもファン音をマイクが吸収するため、受信モードには高速回転、送信モードには低速回転制御します。但し、マイクロホン以外の信号源で連続送信モードでの使用をする時があるため、送信モードでも強制的に高速回転となるようFAN-SWを設けています。 |
バイアス電流は、合計=1.4〜1.5Aに設定しております、このバイアス調整は2TONE波形を確認しながら行ってみましたが、更なるIM3を低下させる事は出来るが、IM5との関係となる、IM3の絶対値を下げるとIM5が浮いてきます。7次以降は問題無いみたいですから、使用するパワーにてIM5とIM3をどこに設定するかでバイアス電流が決まります。私は20W出力で使用しますから、この条件で測定してみました。 | |
出力=20W 90Vpp | |
3.6MHz 20W出力の2TONE波形 IM3=-59dB IM5=-67dB | |
7MHz 20W出力の2TONE波形 IM3=-49dB IM5=-69dB IM3は3.6MHzより悪化しますが、20W以下に於いては良くなる方向へと移行していきますから、満足しております。 |
ケースは検討中ですが、タカチとなると¥1万位の出費となるため、考慮中です。今回使用したデバイスはMRF150では、上記結果のIMDは得られません、7dB位の差が出ます、又パワーゲインもMRF-150の方が低いです。 次はHiバンド用にトライしてみます。JA4DUX/JA4DKSに感謝致します。有難うございました。 |